専修大学松戸中学校 入試対策
2021年度「専修大学松戸中学校の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問は3つ。漢字の読み書き・文学的文章の読解・説明的文章の読解が割り当てられている。素材文は、文学的文章が約6000字、説明的文章が約4000字で計10000字ほどの文量である。
総解答数は50問ほど。おおよそ、漢字10問・文学的文章の読解20問・説明的文章の読解20問といった問題数になっている。また、読解問題の中でことばの知識や文法なども合わせて出題されている。そのうち、記述問題・書き抜き問題がそれぞれ3~4問ずつ出されている。
選択肢は5択だが、内容の相違点がはっきりしているので、無理に迷わせるような選択肢にはなっていない。
[文学的文章の読解]
素材文は学校を舞台にした話が多く、小学6年生にも理解しやすい内容になっている。選択肢問題は紛らわしく見分けづらい選択肢ではないので、読解がしっかりできていれば正解を選べる。記述問題も論述タイプではなく、文中の手掛かりをもとにまとめられるものなので本文を十分に理解していれば難しくはない。
文学的文章の読解力を養おう。
人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
[説明的文章の読解]
素材文は自然科学や社会科学分野の文章が多く使われている。内容によってはやや難しい用語なども含まれているので、語彙力アップを図っておきたい。
書き抜き問題があるので、キーワードや要点には目印をつけて探しやすくしておくとよい。
説明的文章の読解の基本を身に付けよう。
段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのよう
に書いてしまうとわかりやすい。
要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしてお
こう。説明や言い換えなどは細部にあることが多い。
要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。つまるところ、要旨を読み取るのが一番の目的である。
[記述問題]
30~60字ほどでまとめる問題が出されている。「あなたはどう思いますか」といった論説タイプではないので、文中の重要点をまとめることで答えられる問題が多い。人物の気持ちや行動の理由、要点や筆者の意見など、探しやすいように印をつけて素早くまとめられるように、類似問題をこなしておこう。
[知識問題]
大問の最初に知識問題が置かれるパターンが続いている。文学的文章では擬声語や擬態語・熟語の組み立て・慣用句・助動詞など、説明的文章では接続詞・類義語や対義語・部首や画数・文節のつながりなどの問題が、読解問題と合わせて出題されている。文中に紛れているので、先に知識問題だけ終わらせる作戦は取りづらい。読みながら、チェックだけはしておこう。
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2021年度「専修大学松戸中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
文量は約10000字で総解答数は48問。選択肢が5択なので、それだけ読む量も増えてしまう。書き抜き・記述と書く字数も多くなるので、知識問題や選択肢問題はあまり悩まず、できる部分をどんどん進めて記述に多めに時間を残せるようにしたい。
過去問でペース配分に慣れておこう。
【大問一】漢字の読み書き
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
① つらぬ(く)
② てんぷ――書類などに付け添えること。
③ にゅうわ――穏やかに落ち着いて、ものやわらかなこと。
④ みやげ
⑤ 訪(れる)
⑥ 預(けて)
⑦ 航海
⑧ 領域
⑨ 輸送
⑩ 護衛
【大問二】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:25分
- ★必答問題
型通りに花を活けることに魅力を感じていなかった主人公だが、祖母の話を聞いて型の意義に気づく。
問一 1. あまりじろじろ見るのは失礼なので「こっそり」。
2. 「だから勝てない」とはっきりした言い方なので「ぴしゃりと」。
3. 祖母の言葉で型の持つ真の意味に気づき「はっと」した。
4. 勢いがつかないように「そろそろと」下りた。
問二 「可能」の意味の「れる・られる」であるから、ウと同じである。ア・オは「自発」、イは「受身」、エは「尊敬」。
問三 B. 「意を決する」で「動詞+目的語」の形→「児を育てる」で「育児」。
D. 同意語の組み合わせ→「暗黒」。
問四 C. 剣幕――怒って興奮している様子。
E. 判で押したよう――いつもと同じで変化がない様子。
問五 歴史の積み重ねである定石を無視して「短期間で手軽に」上達することはできない→「一朝一夕」。
問六 「上手に活けられると気持ちの良さが持続する」と「イイこと」を言ったような形になり、それを主人公がやたらと繰り返すので恥ずかしくなってしまった。
問七 みずから「基本形を逸脱しためちゃくちゃな花」と評している。
問八 いくつか選べそうな表現があるが、字数に合うのは母親が主人公の考えを正そうと型の意味を述べている部分である。「型」とは「しっかり身につけておかなきゃならない基礎」なのである。
問九 型から外れた活け方をした主人公に気づいてやめる気なのかと聞いている。それは主人公の自由なのだが、「習う価値はある」と言っているので、できれば通い続けてほしいと朝倉は思っている。
問十 好意を寄せている朝倉の「やめるなよ」を自分に都合よく解釈することで、そのトキメキを味わっている。
問十一 直後で型の持つ意義を諭しているので、選択肢アが合う。
問十二 「型どおり」にみんな同じように活けるのはつまらないことだと考えていたが、祖母の言葉で「型があるからこそ自由になれる」ことに気づき、まずは型をしっかり身に付けるべきだと思うようになった。
問十三 「これがあたし、っていえるような花を活けたい」という発言から、偽(フェイク)のあだ名で呼ばれることを拒否し、本当の自分として人と向き合いたいという意思が感じられる。
問十四 常に主人公の視点で描かれ、その心中も詳しく述べられているので選択肢オが合う。
【大問三】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:22分
「勉強」の意義をさまざまな視点から考察し、特に「科学」を学ぶことの重要性を中心的に述べている。
問一 1. 学校は来るべき実践に備えて練習を積み上げる時期なので、「むしろ」すぐに役立たなくてもよい。
2. 学ぶことの意義をいくつか説明し、「さらに」付け加えている。
3. 小さい頃は実験や観察が多い。「しかし」学年が進むと暗記や計算ばかりになる。
4. 実生活で起こりうる問題や課題が選ばれている。「だから」授業で実体験しておくことが重要である。
問二 Ⅰ. たて・よこ・たて、で三画目である。
Ⅱ. 木に片仮名のノがついて「のぎへん」。
問三 B. 原因――結果 C. 全体――部分
問四 子どもたちの「多くは」~と「言います」。
問五 直前で基礎と応用の話をしていることを受けて、【エ】に入れればうまく結びつく。
問六 どちらも「社会に出たら使う場面・必要がない」という理由である。
問七 一つ前の段落でうまくまとめられている。自然や社会の仕組みを理解していき、理知的な力を養う準備をしている期間であると述べられているので、選択肢エがよい。
問八 「何を参考にして調べたらいいか、どう考えていったらいいか」が「学び方」にあたるので、イがよさそうである。
問九 同じ段落内で述べている。「知っている」というだけでも、「知的世界が広がる」ことで豊かになった気になり、過去から受け継がれてきた「人間の歴史的な知的活動」に自分も連なっていくことができるのである。
問十 次の段落で理科に当てはめて説明している。簡単な現象から始まり、それを基礎として難しいことが発見されてきたことが語られ、その際やさしいからといって飛ばすと後がわからなくなるという注意点も併記されている。
問十一 理科が対象とするのは自然物そのものであるが、科学はそれにとどまらず自然現象に対する考え方や社会との関係までも問い、自然と人間が関係している現象を全分野から論じるという意味がある、と述べられている。
問十二 科学が上記(問十一参照)のような学問であることにより、「世の中のさまざまな事柄に対しても幅広い見方ができるようになる」それによって「難問に対して新しいヒントが得られるかもしれない」ことを、「社会的関係までも発見できる」と言っているのである。
問十三 長い人生を生きていくうえで、自然や社会の仕組みを理解できるような基礎力を養うのが学校での勉強である、というのが筆者の主張である。
攻略のポイント
説明的文章・論理的文章の両方が出題されること、書き抜き問題・記述問題が大きなポイントになること。
以上の2点を意識しながら、読解力をつけられるようできるだけ多くの文章に触れて、記述問題の字数に合わせた練習も積んでおきたい。10000字という文量にも慣れが必要である。言語事項も一定数出題されて配点もそれなりに大きいので失点するともったいない。基本レベルでよいので全般的に頭に入れておくこと。
漢字の配点も小さくはないので、手を抜かずにしっかり覚えよう。
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