巣鴨中学校 入試対策
2021年度「巣鴨中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
3つの大問に漢字と長文読解2問が割り当てられるという構成が定形となっている。
読解問題の素材文は論説文や随筆文(説明的内容)が多く物語などはほぼ見られないという、説明的文章に重点を置いた試験となっている。ここ数年は論説文・説明的随筆文・文学的随筆文のうちから2種類が出題されるパターンになっているようである。
文量は2問合わせて6000字程度。同じレベルの学校で8000~9000字ほどの問題も多い中、比較的少なめである。その分、記号選択問題は少なく、記述や書き抜きなどの言葉で書く問題が多くなっている。
知識問題では、読解問題と合わせて接続詞・品詞・語句の意味などが出題されている。
長文読解
毎年2題出題されるが、論説文と説明文が頻出である。随筆文も出されるが、社会や文化に関する説明的な内容のものが多い。算数の力を重視する方針にも関係しているのか、国語も論理的思考力を測る試験となっている。
そうした特徴を考えると、説明的文章読解の対策が主となるだろう。
・段落の整理 形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながりや論理の流れがわかりやすくなる。
・要点
各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引くなどしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおくなどするのも良い。
・要旨 要点をまとめれば全体の要旨がわかる。特に記述問題は要点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把握が求められている。
以上のような、説明的文章の読解問題を説く際の基本的な作業をしつこく練習しておく。
また、本校の特徴として書き抜きや記述など、言葉で書く問題が多いことが挙げられる。すべて字数指定があるので、答えを探す目安の一つにはなる。
記述問題も、「文中の言葉を用いて」という指定が多く、全て自分の言葉で考えるような重い記述問題ではない。必ず文中に適切な部分があるので、そこから抜き出して答えをまとめられる。ここでも、前述のようなキーワード・要点・別の言葉で言い換えた部分などをすぐに探せるような工夫が生きてくるわけである。
選択肢問題は4択だが、やはり最後に2つ選択に迷うものが残りやすい。要点や要旨に合致するか反しているか、文中に有ることか無いことか、一語や細部も見落とさない注意深さが必要とされる。
漢字・その他
漢字の書き取りが毎年10問出題されている。標準レベルの漢字が多いので、中級程度の漢字教材をしっかり仕上げれば不安はないだろう。
言語事項などは長文読解に合わせて、接続詞・品詞・語句の意味などの問題が出されており、特に接続詞はよく出題されているので注意しておくこと。
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2021年度「巣鴨中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
今年度は説明文と論説的随筆文の2題で計7000字ほど、総解答数は36問であった。
読解に関連する選択肢問題は13問で残りは書き抜き・記述など言葉で書く問題だが、書き抜き問題が多めなので時間配分には注意を。文中からヒントや答えを特定するスピードを養って、一通りすべての問題に答えられれば理想的である。
【大問一】漢字の書き取り
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
1. 断固 2. 希望 3. 円熟 4. 複雑 5. 簡単 6. 権限 7. 演技 8. 健(やか) 9. 兆(し) 10. 射(て)
【大問二】説明文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:27分
- ★必答問題
サケの生態とかれらを取り巻く困難な状況が解説されている。
問1 弱肉強食――弱者が強者に捕食されること。
問2 「まるで~のように」と例えを表しているので、Cが同じである。
問3 X. 塩分が少ない川の水は危険である。「そのため」慣れるまで河口で過ごす。
Y. プランクトンが少ない。「しかし」、豊富に湧きあがる。
問4 強い魚に食われてしまう弱い魚たちは、未知の環境である河口に逃げ込むしかなかった、と書かれている。
問5 「水温の低い川では十分な餌がない。」そのため「餌を求めて再び、海洋に出るよう
になったと考えられている。」
問6 サケはたくさんの卵を産むが、海では他の魚に食われてしまう。卵の生存率を上げるために、敵の少ない川に戻って産卵するのである。
問7 人間のしたことで遡上の障害になるようなものを指している。二段落前の「川の水量を~などの人工物」の部分が字数も合うので抜き出せる。
問8 川を遡れるように造ったものではあるが、サケには見つけづらくあまり効果がないことが示されている。結局は人間の考えただけのことでサケのためになっていないのであるから、「独りよがり」とある選択肢ウがよい。
問9 (1) 死んだサケが栄養分となってプランクトンが発生し、もともと餌の少ない川の上流において、孵化したばかりの稚魚の貴重な餌となる、という説明がされている段落の最初が答えとなる。
(2) 「自然がいとおしむ様子」であるから、比喩(擬人法)表現になっていることが予想される。傍線の少しあとに「次々と息絶えたサケたちを、せせらぎが優しくなでていく」とあり、意味も合っている。
問10 親の死が子の糧となり、子は同じように旅をして再び子孫の命をはぐくむ、という「循環」であるから、エがよい。
問11 かつてのように、「川を上流まで遡上して自力で卵を産むことができなくなり」(3)、人間が「人工的に孵化させて川に放流する」(4)という現状になっている。それは、河口で「一網打尽に捕獲したり」(1)、「人間が作った堰やダムで川を上れなくなったり」(2)したせいなのである。
【大問三】論説的随筆文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:20分
ウガンダ共和国で現地の人と同じように生活したいと思いながらも、先進国で育ったためにそれができない筆者の苦悩が述べられている。
問1 X.「どんなに」貧しかったとしても、惜しまずふるまいをしてくれる。
Y. 「とっさに」○○と思ってしまった。
問2 雨季には奪われずに済むものである。水汲みに行く必要がない時期には「勉強する時間や遊ぶ時間は増える一方」だと述べられている。
問3 文明国できれいな水を飲んで生活してきた筆者は泥水を「飲んだらお腹が崩壊」(Ⅰ)してしまうが、サマニャの人にとっては泥水は雨水と同様に「貴重な生活用水」(Ⅱ)なのである。
問4 子どもたちの前で「透き通った水」を飲むことが後ろめたくなってしまい、目につかないところで隠れるように飲むようになってしまったことが書かれている。
問5 「綺麗な水を飲みながら自己嫌悪に陥っている自分を馬鹿馬鹿しく思いながら」という状態である。現地の人と同じように生活したいと思いながらもそれができない自分を歯がゆく思っているのであろう。
問6 (1) 「泥水や雨水を大切に使って生きる彼らと、彼らに羨ましがられながら透き通った水を飲む僕」との間には、「水」を境界とする相いれない生活が存在するのである。
(2) つまり、現地の人と同じ水(雨水・泥水)の使い方をすると、ということである。どうなるかというと、「身体を壊して彼らと一緒にいられなくなる」のである。
問7 雨が降った時に一緒になって喜んだのだが、その時でさえ心の中では雨水を汚いものと思っており、そんな自分は彼らと一緒に喜ぶ資格が本当はなかったのだと、あとになって考えている。
問8 雨水でもクリーンではないと思っている筆者にとって、現地で出される飲料はことごとく危険に思えてしまうのであろうから、選択肢ウがよい。
問9 飲むのは無理としてもせめて生活用水として使うことで、サマニャの水に対する嫌悪感を拭い、少しでも現地の人と同じ生活に自分を置きたかったのである。
攻略のポイント
素材文に論説文・説明的随筆文・文学的随筆文のうち2つが用いられる形がここ数年のパターンとなっている。この3パターンの文章の類似問題を多くこなしておこう。
論理的な文章の読解力を重視している本校の試験だが、ここ数年は文学寄りの随筆文が出されている。今後の傾向を示している可能性もあるので、このタイプの随筆にも慣れておく必要がある。
字数指定のある書き抜き・記述問題が多いという特徴も意識して、過去問・類似問題でまとめ方の訓練を。
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