中央大学附属横浜中学校 入試対策
2021年度「中央大学附属横浜中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
大問は2つ。それぞれに論説文の読解と小説の読解が割り当てられている。また、それぞれに漢字の読み書きが5問ずつ・計10問含まれている。総解答数は30~45問ほどで年度により差がある。
設問は選択肢と書き抜きが中心である。記述問題は30~50字ほどの文量で1~2問出題され、「文中の表現を用いて」まとめる形が多い。
特筆すべきは素材文の文量の多さである。ここ数年は、論説文4500~5000字・小説10000字前後で計15000字もの字数になっている。分速700字程度を目標に速読の訓練を積んでおかれたい。
論説文の読解
人文科学・社会科学分野からの出題が多い。論理的文章ということで、接続詞の問題がよく出されている。記述問題は「文中の表現を用いて」答える形で出題されている。書き抜き問題も多いので、文中の重要点をすぐ探し出せるようにしておくとよい。説明的文章の読解の技術を身に付けよう。
段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのように書いてしまうとわかりやす
い。
要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしておこう。説明や言い換えな
どは細部にあることが多い。
要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。つまるとこ
ろ、要旨を読み取るのが一番の目的である。
小説の読解
小学生を主人公に設定した話や、江戸時代を舞台にした小説などが出題されている。文章は難解なものではなく、小学6年生にも読みやすい。こちらの分野では、読解と合わせて慣用句や文学史の問題が出題されている。
記述問題は文中の言葉を抜き出してまとめただけでは答えにならない問題も多い。はっきり書かれていない心情や理由については、読解で読み取らなければならない。文学的文章の読解の基本を確認しておこう。
人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその
言動の意味するところも違ってくる。
場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もあ
る。
心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文
章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれる
テーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くこ
とだろう。
選択肢問題
選択肢問題の文章には注意が必要である。一部分だけが異なるものや似ているがよく読むと文意と合わないものなど、注意を怠ると足をすくわれる恐れがある。選択肢の一語一句を本文とよく比較検討して正確に判断できるように、注意力・集中力を高めておきたい。
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2021年度「中央大学附属横浜中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は36問と前年度と同程度だったが、年度により差があるようである。
まずは15000字にもなる本文を読むスピードが欲しい。かなり速いが、分速700字を目標に訓練を積んでおきたい。
難しい問題に時間をかけすぎて、できる問題をやり残すことがないように、過去問でペース配分をつかんでおこう。
【大問一】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:28分
- ★必答問題
芸術と芸、技術と技能の違いを説明し、古い型を否定して新しいものを創造するのが芸術であると説いている。
問一 ア. 保持 イ. 破門 ウ. 格好(恰好) エ. 木片 オ. 銅
問二 1. 「同じものが二度くりかえされることはない」「新しく姿を変える」「創造」などの表現から、「革命的」が合う。
2. 家元制度が「典型的」に保たれているのが芸能の世界である。
3. 否定するという言葉は、(本質は別として)「形式的」には、ただものをなくしてしまうことのように考えられやすい。
4. 生活感情から美意識まで、技術が「徹底的」にくつがえす。
問三 A. 段落の最後で、芸術の本質は「永遠の創造として発展する」ことだと述べている。段落の最初でこの要点を一度示しているのである。
B. 「訓練」も入りそうだが、「繰りかえし繰りかえし=訓練」の先に得られるものとして「熟練」の方がぴったり合う。
問四 ア. 百鬼夜行(ひゃっきやぎょう・やこう)――深夜に異形の鬼や妖怪が徘徊すること・悪人らが我がもの 顔でふるまうこと。
イ. 手も足も出ない――力が及ばずどうしようもない。
問五 「そんなこと」とは先人たちの作品をまねることである。筆者の考えでは芸術は創造であり、規制の型を写したり、同じことをくり返したりしてはならないのであって、「そんなこと」をしたら芸術家失格なのである。
問六 有名な画家でさえ他人の画集を参考に新作を作っていたというエピソードである。そんな画家の「わかってなさ」に筆者はあきれているのである。
問七 芸能の世界には、伝承されてきた型から外れることは家元でない限り許されないと
いう「封建的な家元制度」が存在するのである。
問八 古い型を否定して新しいものを創造していくことが芸術の本質である。「その意味で」邪道とののしられることは、はからずもそれが真の芸術であることを証明していることになるわけである。
問九 1. そもそも多くの人は芸と芸術の区別がついておらず、ついていたとしても正反対のものであることは理解できていないのであるから、「芸能より芸術を一段上のものと見て」は合わない。
3. 旅の手段の選択はその人の好みに任せられるべきだ、という主張はなされていない。
4. 現代の世の中で排除したほうがよい、とは述べられていない。
【大問二】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:22分
祖父の考えや写真技術を時代遅れであると軽んじていた主人公の父は、祖父との腕前の差を思い知らされ、そのアドバイスで開眼することになる。
問一 ア. 利器 イ. 悪態 ウ. けいてき エ. きざ(まれた) オ. 無愛想
問二 A. ためつすがめつ――あるものをいろいろな方面から見るようす。
B. 真摯――まじめで熱心なこと。
問三 あ. 祖父の時代錯誤な服装に、「目の据わった(一点を見たまま動かなくなる)」真顔で皮肉を言った。
い. 祖父と父の写真のプロとしての真摯なやりとりに僕や母は「口を挟む余地はなかった」。
問四 良い写真が撮れるのならば、不利な条件や危険な状況でも望むところだという、カメラマンとしての気概を表しているのだろう。意識はあくまで良い写真を撮ることにあるはずなので、選択肢2の人の評価を気にするような内容は合わない。
問五 手動のストロボを使った古いライカ(高級なドイツ製のカメラ)で撮るという祖父の考えを古いと感じ、うまく撮れるはずがないと危惧している。都電の最後の雄姿を撮るという大事な仕事なので、失敗をさせたくないと思っているのである。
問六 やり直しの利かない一発勝負に向けて、祖父と父の真剣さ・緊迫感が空気に緊張感をもたらしている。
問七 二人とも胸の鼓動が激しくなっている。現場の緊張感が二人にも伝わり、撮影が成功するかどうかを固唾をのんで見守っている瞬間であり、母は主人公に身を寄せたのであろう。
問八 この時点で父が祖父の撮影が失敗したと思っているであろうことは、現像前に失敗を予想していることからもわかる。古いやり方にこだわって決定的瞬間を撮り損ねた祖父に憐れみを感じ、悲しく思っている。
問九 「溜息」には、写真の出来栄えに対する感嘆(「すげえや、こりゃあ」)と、自分では及びもつかない力量の高さへの羨望(=自分への失望)が含まれていると思われる。だからこそ、それまでは軽く見ていた祖父のその後の言葉をきちんと受け止め、自分に足りないものに気づけたのであろう。
問十 4. 父が変わるきっかけとなった祖父からの「景色には感情がない」「お前にはやさしさが足りない」という言葉が、「撮影する対象への愛情と尊敬の念」と合致する。
攻略のポイント
まずは読むスピードをつけること。時間切れで、答えられたはずの簡単な問題に手がつけられなかったという事態は避けたい。
選択肢問題は一言一句に注意して、本文との一致・不一致を正確に判断できるように集中すること。5択であり、文章が少し紛らわしくなっている場合もあるので、選択肢問題の経験を十分に積んでおきたい。
ことばの知識の出題は少ないが、接続詞などは毎年出されているので要注意である。言語事項が少ない分、漢字は全問正解するくらいでないと差がついてしまうかもしれない。
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