一橋大学 前期-(商/経済/法/社会/ソーシャル・データサイエンス学部) 国語
入試対策と勉強法
一橋大学 前期-(商/経済/法/社会/ソーシャル・データサイエンス学部) 国語
ここでは、一橋大学 前期(商/経済/法/社会学部) を目指す方に対して、国語の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。
※「個別学力試験」の「第1段階選抜」は2021年度より「大学入学共通テスト」となり、「出題内容」が改定されました。しかし、「2次試験」の内容は以前と何ら変わりありません。以下の「入試傾向」は、2021年度までの「入学試験」に準拠しています。尚、「後期日程」は「経済学部」のみで実施されています。
一橋大学 前期(商/経済/法/社会学部) 国語試験の出題傾向とは
出題範囲(分野)
「出題科目」は「国語総合」です。
「現代文」はほとんどが「論説文(評論文)」(稀に「随筆」が出題される年度もある)。様々なジャンルからの出題で、文章の論理構造を的確に把握する高度な読解力が求められます。
「古典」は「近代文語文」(文語文法で書かれた明治から大正時代の文章)が近年の主流です。ただ、3~4年に1度の割合で、「近世文語文」(江戸時代の文章。直近では2022年度)や「現・古融合文」(直近では2016年度)の出題があります。尚、「漢文」単独での出題はありません(ただし、「漢文」や「漢語」の「知識」は問われる)。
「知識問題」としては「漢字の書きとり」(2009年度以降例年5問)と「語句の意味」などが問われます。
出題量と時間配分
本文の文章量は年度によってバラツキがありますが、「現代文」は合計4000~5000字ほどで他校と比較して少なめ、「近代文語文」(あるいは「近世文語文」や「現・古融合文」)が1000字程度です。100分の試験時間なので、先に「近代文語文」等を30分以内で仕上げ、「要約問題」のある「現代文」に70分強の時間を割いてしっかりと解いていきましょう。
出題形式
大問3題が定着しています。例年、大問一(小問3~5問、解答数は7~9ほど)と大問三(「要約問題」のみ1問)が「現代文」、大問二は「近代文語文」(あるいは「近世文語文」や「現・古融合文」。小問3~4問、解答数は3~5ほど)となっています。
解答形式
全ての設問が原則的に「記述」形式です(近年では2016年度に例外的に「選択肢設問」が1問だけあった)。「漢字の書きとり」と「語句の意味」などの「事項記述」以外は「説明記述」(5~7問。「近世文語文」や「現・古融合文」では「現代語訳」の出題もある)で、「10~100字」ほどの「字数指定」となっています。そして、大問三は「200字以内指定」の「要約問題」が定番で、一橋「国語」の最大の関門となっています。
一橋大学 前期(商/経済/法/社会学部) 国語試験を攻略するための勉強法
知識
「漢字の書きとり」や「語句の意味」といった直接的な出題自体が国公立の中でもハイレベルなので、完璧な習得が求められます。
さらに、あらゆるジャンルに及ぶ硬質な「本文内容」を理解し咀嚼する為には、難解な語句や頻出テーマに関する「キーワード」を読み解く「知識」が当然ながら必要となります。
そこで、先ずは「己が実力」を把握することが重要です。「センター試験」の「漢字問題」(要は「同音異字」「同訓異字」の判別)がひとつの目安となります。最低10年分以上の過去問をこなしてみたい。その結果次第で、具体的な学習を進めていきます。
尚、以下のサイトは「漢字問題」だけがまとめられていて便利です。
http://www.kanjijiten.net/center/index.html
解法
「論説文(評論文)」「随筆」に特有の「解法」、そして、全てに共通する「解法」を体系的に理解し定着させ、応用する為に肝要なのは「復習」の仕方です。
「考え方のプロセス」を「トレース」することが必須です。特に「間違った問題」が重要。誤ってしまった「分岐点」をしっかりと確認しておきましょう。
さらに、いくつもの練習問題や過去問を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけましょう。それが「解法」となります。
尚、「具体的解法」は本HPの別サイト「大学入試”王道現代文”」をご覧ください。
説明記述
「説明記述」で必要な「ひとつの要素」は「20~30字程度」なので、正否の分かれ目となる「最重要要素」を「文末」として、他の「必要要素」を「指定字数」に応じて積み上げていく積上げ方式という手法を完璧にマスターすることが肝要です。「内容」から必要度の優先順位を特定し、優先度の高いものから積み上げていきます。「10~100字」程度と指定字数が実に幅広いです。「字数」に合わせ臨機応変に対応できるように練習しておくことが肝要です。
要約記述
「論旨(要旨)」中心にまとめられるようにすることが重要です。
その際、「意味段落」の「序論部分」と「結論部分」に着目し、説明不足となる「要素」を「本論部分」から補足できるようにしておきましょう。また、「200字」というボリュームを常に意識しましょう。
近代文語文
要は「文語文」=「古文」なので、先ずは「古文単語」を完全に定着させた上で、「文法」を徹底的に習得しましょう。特に「助動詞」「助詞」の「意味・用法・接続」に注意し、内容を正確に把握できるようにしておくことが必須です。その上で、明治・大正期の多様な分野の文章に触れ、慣れ親しんでおきましょう。また、「漢文訓読調」の文章が多いので、「文の構造」「句法」などの「漢文」の基礎知識も習得・定着させておきましょう。
推奨テキスト
ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。
ここではテキストを知識篇、現代文篇、近代文学文篇、古文篇、漢文篇に分けてご紹介します。
知識篇
(1)『漢字 一問一答【完全版】』(東進ブックス)
(2)『現代文最重要語句(暗記いらずの)らくらく練習帳―熟語・慣用句・評論語句・外来語』(学研プラス)
(3)『新版完全征服 頻出現代文重要語700 三訂版』(ピアソン桐原)
(4)『現代文キーワード読解[改訂版]』(Z会出版)
前項の「センター試験(漢字問題)」チェックで、5割未満の場合は(1)から、6割は(2)から、7割は(3)から、8割は(4)から始めるのが目安です。反復練習して完全習得させます。特に(4)では、「キーワード編」のみならず「頻出テーマ編」も熟読し、完全に理解しましょう。
現代文篇
(1)『現代文読解力の開発講座<新装版>』(駿台文庫)
中級レベルです。文章を客観的に捉える術が説明されており、難関私大から国公立へのステップアップ段階の一冊です。
(2)『現代文と格闘する[三訂版]』(河合出版)
上級レベルです。「文章を読み繋ぐ」ことを主眼として、そのためのシンプルな「視点」を提案しています。難関国公立合格を確実にする一冊です。
(3)『[記述篇]現代文のトレーニング[改訂版]』(Z会出版)
上級レベルです。頻出テーマに沿った問題構成で、「完成度」を自己採点で把握できます。一橋の「記述」に習熟するための一冊です。
(4)『得点奪取 現代文[三訂版]』(河合出版)
最上級レベルです。「採点基準」が明確に示されています。採点の厳しさで知られる一橋「現代文」で失点・減点を防ぎ合格を固める一冊です。
※尚、(1)(2)(3)には「要約問題」があるので必ずこなしましょう(大問三の練習になる)。
(5)『一橋大学(過去問)』
実践レベルです。しっかりと解いて、「解法」を繰り返しトレースしましょう。
近代文学文篇
(1)『近代文学文問題演習』(駿台文庫)
「近代文学文」の習熟用として必携の一冊です。
(2)『一橋大学への国語』(駿台文庫)
題材・レベル・質・量ともに実際の入試に肉迫しており、最後の仕上げとなる実戦演習用です。
古文篇
(1)『重要古文単語315[三訂版]』
(2)『標準古文単語650(完全征服21) [三訂版]』(共に桐原書店)
前者を反復して完全定着させた上で、後者を数回丁寧に通読しておきましょう。それで「語彙」はほぼ心配ないでしょう。
(3)『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル[三訂版]』(河合出版)
文法の基本が分かりやすくまとめられています。「例文」は「品詞分解」し「現代語訳」も行っておきましょう。
(4)『古文上達 読解と演習56』
(5)『最強の古文 読解と演習50』(共にZ会出版)
前者は「入試古文」の全てを凝縮し、後者はその応用篇です。「古文」への自信がみなぎる二冊です。
漢文篇
(1)『漢文道場[基礎編]』(Z会出版)
「送りがな・返り点」といった基本ルールから重要な「句法」まで、基礎力養成の一冊です。
(2)『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習(河合塾シリーズ)』(河合出版)
基礎定着確認用です。
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