法政大学 共通問題 国語共通問題⑥
入試対策と勉強法
法政大学 共通問題 国語共通問題⑥
ここでは、法政大学の法学部(国際政治学科)・文学部(英文学科・地理学科・心理学科)・経済学部(経営戦略学科・市場経営学科)を目指す方に対して、国語の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。
※本大学では2021年度に大幅な大学入試制度改革が実施されました。それに伴い一般の選抜は、T日程入試(統一日程)・英語外部試験利用入試・A方式入試(個別日程)・大学入学共通テスト利用入試という4つの選抜方法となっています。
本稿では、A方式入試(個別日程)での法学部Ⅰ日程・文学部Ⅱ日程・経営学部Ⅱ日程の説明となっています(各対象学科は上記のとおり)。本日程の各学部学科の入試は同じ日に実施されており、全て「国語」の問題は同じです。
尚、21年度以降も20年度以前のA方式入試(個別日程)と試験教科・科目および出題形式・内容に大きな変化はありません。
尚、準拠しているのは基本的に21年度のA方式入試(個別日程)の上記日程の試験問題(但し、一部は20年度以前の問題にも言及している)。
法政大学の法学部(国際政治学科)・文学部(英文学科・地理学科・心理学科)・経済学部(経営戦略学科・市場経営学科) 国語試験の出題傾向とは
出題範囲(分野)
試験教科・科目は国語総合(古文を出題範囲に含み、漢文の独立問題は出題しない)です(20年度以前も同じ)。
「現代文」は論説文(評論文)が2題です(20年度以前も基本的に同様)。これまでの文章内容は政治論、社会論、美術論、教育論、農業論、宗教論、医学論、環境論、情報論、歴史論、言語論等と多種多様で、硬質の文章もあり、やや読みづらいでしょう。21年度は数学論の加藤文元「数学と日本人」(佐伯啓思監修「ひらく」第2号所収)と、言語論で外山滋比古「ホモ・メンティエンス」でした。知識は小問扱いが基本です(但し、14年度までは独立した大問として出題されることがあった)。これまで漢字の書きとり、語句の意味、四字熟語、慣用句、文学史、国語常識等幅広い分野から出題されています。21年度は漢字の同音異字判別と空所補充のことわざ判別でした。
「古文」は1題です(20年度以前も基本的に同様)。主に古代~中世の物語(歴史物語、軍記物語など含む)、説話・随筆等の題材(和歌も含まれる)がこれまで出題されています。21年度は兼好法師「徒然草」の「ある者、小野道風の書ける」と、江戸時代前期成立の「徒然草」注釈書のひとつである松永貞徳「なぐさみ草」の当該章段部分でした。これまで、文語文法から内容解釈までの総合的読解力、そして、歴史的背景を含めた古典常識や文学史などが問われています(21年度も基本的には同じ)。
出題量と時間配分
問題文の文章量は、「現代文」が2題合わせて6000弱~7000字強程度で他の私大上位校と比較して標準的です(21年度は約6200字)。「古文」は500~1000字程度です(21年度は約300字と極端に短い。例外か?)。
試験時間は60分です。決して余裕はありませんが、焦る必要はないはずです。正確さを重視しましょう。先に「古文」を15分強で手際よくこなし、説明記述がある「現代文」は45分弱で確実に解いていきましょう。
出題形式
近年は大問3題が基本です(21年度も同。但し、2014年度以前は漢字の書きとりが独立した大問で全4題の年度があった)。
大問一は論説文(評論文)で、小問は7~8問程度です(解答数は7~12ほど)。21年度の小問は7問で解答数が8でした。
大問二も論説文(評論文)で、小問は6~7問ほどです(解答数は7~10程度)。21年度の小問は7問で解答数も7でした。
大問三は「古文」で、小問は7~8問程度です(解答数は10~13ほど)。21年度の小問は7問で解答数が9でした。
解答形式
マーク方式と記述方式の併用型が基本です(21年度も同じ)。
「現代文」のマーク方式ではこれまで、本文内容(非)合致判別、内容・理由説明判別、換言説明判別(複数完全解答あり)、空所補充語句判別(知識問題あり)など、記述方式では説明記述(例年2問ほどで30~50字程度で空所補充等)、抜き出し問題(空所補充・換言説明等)、漢字の書きとり、四字熟語、慣用句等の知識問題などがあります。21年度は具体例判別(不適切)も出題され、知識問題では漢字の同音異字判別と空所補充のことわざ判別、そして説明記述は40~50字以内指定1題と25~35字以内指定(空所補充)の1題でした。
「古文」ではこれまで、文語文法、現代語訳が必出の他、内容解釈、換言説明、主語特定、本文合致、和歌修辞法、文学史、古典常識などが、マーク方式と記述方式(説明記述もある)で出題されています。21年度は品詞名判別、心情判別、理由説明判別、空所補充の語句判別と抜き出し、文学史、そして内容説明記述でした(20~35字以内指定)
法政大学の法学部(国際政治学科)・文学部(英文学科・地理学科・心理学科)・経済学部(経営戦略学科・市場経営学科) 国語試験を攻略するための勉強法
知識
本大学の漢字等の知識問題はGMARCHでは標準的難易度ですが、本日程の学部・学科はやや難しいでしょう(21年度は比較的平易だが、油断はできない)。したがって、万全の準備が必要です。そこで、先ずは「己が実力」を把握することが重要です。共通テスト(センター試験)の漢字問題(要は「同音異字」「同訓異字」の判別。21年度と同形式)が基礎的語彙力のひとつの目安になります。最低10年分以上の過去問をこなしてみたい。その結果次第で、具体的な学習を進めていきましょう。
尚、以下のサイトは「漢字問題」だけがまとめられていて便利です。
http://www.kanjijiten.net/center/index.html
「現代文」解法①
論説文(評論文)特有の解法、そして全てに共通する解法を体系的に理解し定着させ、応用するために重要なのは「復習」の仕方です。「考え方のプロセス」をトレースすることが必須です。特に間違った問題が肝要です。誤ってしまった「分岐点」をしっかりと確認しておきましょう。さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけましょう。それが解法となります。
尚、「具体的解法」に就いては本HPの別サイト「大学入試”王道現代文”」を御覧あれ。
「現代文」解法②
本日程の「現代文」で注意を要するのは、判別しづらい本文内容(非)合致判別問題です。問題文は基本的に論説文(評論文)なので、論旨合致と捉える必要があります。そこで、頭括型、尾括型、双括型のいずれにしても、基本的に序論部と結論部の趣旨と照合させて選択肢消去していく練習を重ねることが最重要となります。スピード重視のより高度な選択肢消去のテクニックを習熟するように努めましょう。また、一般的な選択肢設問対策としても、選択肢消去の仕方を習得しておきましょう。換言説明であれば傍線部の原意(要は本来の意味)にこだわった原意消去、理由説明であれば直接的理由として結びつくかどうかによる消去などを常に意識することが肝要です。さらに、空所補充では代入確認を絶対に忘れないように練習を重ねましょう。
「現代文」解法③
本日程で20年以上必出の説明記述、その記述方法はしっかりと押さえておく必要があります。説明記述で必要なひとつの要素は通常20~30字程度なので、先ず最も重要な要素を的確に把握し、その他の要素は設問内容から必要度の優先順位を特定できるように徹底的に練習することが肝要です。そして、正否の分かれ目となる最重要な要素を文末として他に必要な要素を積み上げていく「積上げ方式)という手法を、過去問や練習問題などを通じて完璧にマスターしましょう。本学部では30~50字ほどの字数指定が多いので(最近は指定字数が増加傾向)、2~3つ程度の要素でまとめることに慣れましょう。また、条件が課されることが多いので、的確に応じなくてはいけません。
古文
先ずは重要古文単語および文法を徹底的に習得する必要があります。現代語訳をする上での最重要ポイントですし、文法や単語の意味は直接問われます(必出)。特に助動詞・助詞の意味・用法・接続は完全に定着させましょう。また、敬語も頻出なので習得が必要です。さらに、文学史は頻出で和歌修辞法も含めた古典常識も問われます。それらの事項もしっかりと確認しておきましょう。尚、「古文」での説明記述もほぼ必出です(21年度も同)。十分に練習しておくことが肝要です。
推奨テキスト
知識篇
(1)『入試漢字マスター1800+(四訂版) (河合塾シリーズ)』(河合出版)
(2)『現代文最重要語句(暗記いらずの)らくらく練習帳―熟語・慣用句・評論語句・外来語』(学研プラス)
(3)『新版完全征服 頻出現代文重要語700 三訂版』(ピアソン桐原)
(4)『現代文キーワード読解[改訂版]』(Z会出版)
前項の「共通テスト(センター試験)の漢字問題」チェックで、5割未満の場合は(1)から、6割は(2)から、7割は(3)から、8割は(4)のみが目安です。反復練習して完全習得しましょう。特に(4)では、「キーワード編」のみならず「頻出テーマ編」も熟読し、完全に理解しましょう。
尚、文学史、古典常識等に就いては、学校配布の「国語便覧」を活用しましょう。
読解篇
(1)『システム現代文 バイブル編(改訂新版)』(水王舎)
初級レベルです。「解法」って何? といった皆さんにお薦めの入門書です。根本を徹底的に解説しており、マスターすれば解法は一通り理解できるでしょう。
(2)『マーク式基礎問題集 現代文(河合塾シリーズ)〈六訂版〉』(河合出版)
初~中級レベルです。正解の根拠を明確にした詳細な解説に定評があり、入試現代文のマーク方式問題への突破口を開く一冊です。
(3)『現代文 解法の新技術(大学受験スーパーゼミ徹底攻略)』(桐原書店)
中級レベルです。あらゆる問題形式に対応した解法を明示しています。中堅からGMARCHへのステップアップ段階の一冊です。
(4)『入試現代文へのアクセス 完成編(河合塾シリーズ)』(河合出版)
中~上級レベルです。読解へのアクセスで問題点を喚起し、選択肢設問の消去の根拠も明記されており、解法理解度を自己確認できます。自らの実力を把握することで、法政合格に自信が持てる一冊です。
(5)『現代文読解力の開発講座(駿台受験シリーズ)(新装版)』(駿台文庫)
上級レベルです。読解力と解答の論理力を講義形式の解説で養成します。文章を客観的に捉える術が習得でき、本日程学部合格を確実にする一冊です。
(6)『[記述編]現代文のトレーニング[改訂版]』(Z会出版)
説明記述対策です。頻出テーマに沿った問題構成で完成度を自己採点で把握可能です。法政本日程学部の説明記述をクリアする一冊です。
(7)『法政大学本日程各学部の過去問』
実戦レベルです。10年分以上確実にこなし、解法をトレースしましょう。
古文対策編
(1)『重要古文単語315(三訂版)』
(2)『標準古文単語650(三訂版)』(ともに桐原書店)
前者を反復して完全定着させた上で、後者を数回丁寧に通読しましょう。それで古文の語彙はほぼ心配ないでしょう。
(3)『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル(三訂版)』(河合出版)
文法の基本が分かりやすくまとめられています。例文は品詞分解し現代語訳も必ずこなしましょう。
(4)『大学入試 全レベル問題集 古文 4 私大上位・私大最難関・国公立大レベル 新装版』(旺文社)
最難関私大などの良問14題を収録し、分かりやすく解説しています。古文の5つのジャンル別対策が掴める古文ジャンル解説、重要な文法と語句を併記した現代語訳、全ての問題に通じる最強の読解ルール等で、「古文」の読解に自信が持てる一冊です。
(5)『首都圏「難関」私大古文演習(河合塾シリーズ)』(河合出版)
本文と本文解釈を上下に併記し、主語特定、品詞分解、背景知識等の説明があり、応用力が確実に涵養できる一冊です。
(6)『速読古文常識』(Z会出版)
古典常識習得用です。必修300語を収録しており、実戦的トレーニング文章の文脈で効率的に定着可能です。共通テストから難関私大まで対応しています。
尚、和歌修辞法等に就いては、学校配布の「国語便覧」も活用しましょう。
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