中学受験プロ家庭教師 弱点克服・志望校入試傾向対策
中学受験専門プロ家庭教師が語る

開成中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「開成中学校の社会」
攻略のための学習方法

スライド式学習

何度も述べているが、平易な問題だけに取りこぼしが許されない。従って、「地理」「歴史」「公民」と「時事問題」の「基礎的知識」を確実に定着させておく必要がある。ただ、人は忘れるものだ。時が経てば経つ程忘れる。ここに実は落とし穴がある。

基本的に「暗記」が最重要となる「社会」では、各単元をいつ学習し、定着させたのかの時期が問題となる。塾では通常、本格的な受験勉強が始まる5年生になってから、「地理」⇒「歴史」⇒「公民」と単元消化していき、6年生の夏休み前には終える。
その後は「復習」となるが、そのメインは圧倒的に定着すべき事項の多い「歴史」にならざるを得ない。
そのまま、秋から冬となり「過去問演習」と続いていく。6年生で学習した「公民」はまだしも、「地理」はどうだろうか? 実質的に1年以上の空白が生じてしまう。それはまずい。開成では「地理」単元に含まれる全ての事項が多数出題されるのだ

そこで、独自の「復習」が必要となる。塾での学習とはずらして(スライドさせて)、まだ時間的に若干の余裕がある5年生の冬休みやその後の春休みを利用して、徹底的に「地理」の「復習」をしておくことが勝利につながる。「重要事項チェック問題集」のようなものを活用して、ライバルに差をつけておきたい。

いもづる式学習

「暗記事項」はそれぞれ単独に(単なる「一問一答方式」)定着させておいてもあまり意味がない。バラバラに覚えているだけでは、自分が覚えた通りに問われなければ結びつかないし、関連問題にも答えられないからだ。

そこで重要となるのが「いもづる式学習法」だ。「点」で覚えているものを「線」で結び、さらには「面」をも理解するには不可欠の学習だ
1つの「暗記事項」を確認する際、それに関連すると思われる「事項」を次から次へと思いつく限り引き出していく。単元も無視する。もし「言葉」としては覚えていても内容があやふやになっているものがあれば、すぐに確認しておく(ついでにここでも「復習」できる)。
また、それらは「線」で結びついているはずなので、どのように結びつくのかを確認していく。その上で、それらが結びつく背景(=「面」)も理解するようにする。

このようにして改めて定着させた「事項」はどのような問われ方をしても「線」で結びつけて答えられることになる。さらに、単元もまたいでいるので、「単元融合問題」にも対応できるようになる

手づくり式学習

特に「歴史」単元の「復習」で必要となる。塾での「歴史」の学習は普通、「政治史」を軸とした「通史」として「時代別」「時代順」になっている。だが、開成に限らず入試問題ではそうした単純なものは少ない。特定の切り口での「分野史」が多いし、必ずしも「時代別」「時代順」ではなく様々な時間軸で出題される。

それらに対応するために必要なのが「手づくり年表」だ。「政治史」「社会経済史」「外交史」「文化史」「人物史」等の「分野史」別の「年表」を作成しながら復習する。その際、「原始」~「現代」という長い時間軸にする。当然、「重要事項」だけしか記入できないが、それでいい。「関連事項」を頭に思い浮かべるようにすれば、「いもづる式学習」にもなる。

さらに、その「年表」には「世紀」と「日本の時代名」「中国の王朝名」を対応させて記入しておきたい。「世紀」と「時代」がすぐに結びつかないと答えられない問題が多いからだ。「年表づくり」を楽しみながらやってみよう。

細部へのこだわり式学習

必ず出題される「統計資料読み取り問題」
考えるに当たって最も重要なことは、「統計資料」をいかに正確に読み取るかということ。資料に示されていることだけに基づいて「考えるヒント」を見つけ出す。とにかく「細部」にこだわって読み取ることが必要となる。

そのためにはトレーニングが欠かせない。過去問等を用いて、資料の細かな「数字」や「項目」を全て材料として、そこから何が導き出せるのかを確認する訓練をするのだ。導き出せることについては、「解説」等に示されているので活用すること。

こうした「細部へのこだわり学習」をつづけることで、次第に資料に示された「手がかり」が自然と浮かび上がるようになる。後は自分の「知識」と結びつけて考えればいいのだ。

意識継続式学習

「社会」に限らないが、常に何かを「意識」しながら学習することが重要だ。漫然と机に向っていても無駄なだけだ。その時々、何を目的としてどのような学習(たとえば、上記の「○○式学習」)をしているのか、具体的に「意識」し続けていることが大切。

そうして何かを「意識」することが継続できるようになったら、次は同時にいくつものことを「意識」しながら学習したい。40分という制限時間の中で、重要な「設問条件」をクリアして答えていく。「設問」を正しく理解しているか? 「条件」を満たしているか? つまらないミスはないか? といったようなことを、問題を考え、解き、解答欄に答えを書き入れるいくつもの段階で常に「意識」しながら学習する必要がある。

入試本番では、見直しの時間はないと思った方がいい。常にそれらの「意識」を継続しているということは、何度も「見直し」をしていることになるのだ

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

2022年度「開成中学校の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問 1 は「歴史」。「日本での医学の歴史」についての「リード文」からの出題。小問は全17問(解答数25)、「選択肢」(「不適切」、「年代整序」あり)、「事項・人名・地名等記述」(「漢字指定」あり)。

大問 2 は「地理」(「歴史」が3問混在)。「近年の出来事」から考えた、「社会」についての3つの「文章」からの出題。小問は全14問(解答数21)、「選択肢」(「組み合わせ」、「複数完全解答」あり)、「事項・地名等記述」、「説明記述」2問(「20字ほど」と「30字ほど」の解答欄)。

大問 3 は「公民」(「歴史」3問、「時事」2問、「思考問題」1問混在)。「国際社会」に関する「リード文」からの出題。小問は全8問(解答数19)、「選択肢」(「不適切」あり)、「事項・県名記述」(「漢字指定」・「カタカナ指定」あり)、「説明記述」1問(「20字ほど」の解答欄)。時間配分としては、「説明記述」は3問で6分強、他は1問を30秒程度という超ハイペースとなる。

【大問1】「歴史」(「年代整序」あり)

  • 難度:標準
  • 時間配分:13分
  • ★必答問題

「世界の国々や日本でも、古代から悩まされてきた疫病に関する医学の歴史」についての「リード文」からの出題。3つの「史料」に関連して、「奈良時代」~「昭和時代」までの多種多様な「歴史的事項」が問われている。ただ、「歴史」単元としては標準的難易度の問題が多い大問となっている。失点は最小限にして、一気呵成に短時間で解いていきたい。以下、注意すべき「設問」のみを検証する。

[問2(1)] 「下線部に関する資料読み取り空所補充地名記述設問」(「漢字」指定)。「リード文」中の下線部「日本書紀」に関して、示されている[史料1](「日本書紀」に記されたある戦いについての記述)の空所にあてはまる「地名」を「漢字」で答える。「日本書紀」に記されていることから「奈良時代」以前の「戦い」だと特定できる。また、[史料1]からは「日本の水軍と唐の水軍とが戦い、日本が負けた」ことが読み取れる。そして、空所部は「(唐の将軍は)、(     )江に陣をしいた」となっている。「~」なのだからもう分かったはずだ。そう、「答え」は「白村(江)」になる。「日本軍」(「百済」の要請で派遣)vs.「唐」+「新羅」の連合軍で日本が敗退した「白村江の戦い」(663年)は誰もが知っているはず。「史料(資料)」そのものは初見でも、読み取れる「情報」から考えることはできると心得よ。

                                   <時間配分目安:1分弱>

[問7] 「下線部に関する選択肢設問」(4択)。

「リード文」中の下線部「臨済宗」に関して、「臨済宗の教えについて述べた文」を答える。各選択肢の正誤判別をしていきたい。

(ア)「『南無阿弥陀仏』という念仏を唱えれば救われる」⇒何の問題もなく「不適切」だと判別できなくてはいけない。「南無阿弥陀仏」は「法然」の「浄土宗」や「親鸞」の「浄土真宗」だ。

(イ)「『南無妙法蓮華経』という題目を唱えれば救われる」⇒「南無妙法蓮華経」は「日蓮」の「日蓮宗(法華宗)」だと知っているはず=「不適切」。

(ウ)「座禅をすることで自分の力で悟りを開くことができる」⇒当然、「臨済宗」は「禅宗」=「適切」。

(エ)「生きながらに大日如来と一体化し仏となることができる」⇒「大日如来」? そうかも知れない=「保留」。「保留」があったとしても、結果として「答え」は(ウ)だと特定できる。「浄土宗」・「浄土真宗」・「日蓮宗(法華宗)」・「時宗」、そして、「臨済宗」・「曹洞宗」といった「鎌倉新仏教」は頻出。それらの「教義」や「開祖」に関しては的確に判別できるようにしておくこと。ちなみに、「南無阿弥陀仏」は「念仏」で、「南無妙法蓮華経」は「題目」ということも確認しておきたい。尚、「正誤判別」では、細部にこだわることが肝要だ。

                                   <時間配分目安:30秒> 

[問10] 「下線部に関する都道府県名記述設問」(「漢字」指定)。「リード文」中の下線部「鉄砲」に関して、「戦国時代に伝わった鉄砲」が「大量に生産されるようになった国友」は「現在のどこにあるか」、その「都道府県名」を「漢字」で答える。「堺」(大阪府)とともに「鉄砲の一大生産地」だった「国友」、無論、「答え」は「滋賀県」だと即決できなくてはいけない。「歴史上の地名」は現在の「都道府県名」と合致させ、その「位置」も地図上で示せるようにしておくことが求められる。

                                   <時間配分目安:30秒>

[問11] 「下線部に関する年代整序選択肢設問」(6択)。

「リード文」中の下線部「江戸時代」に関して、示されている「江戸時代の出来事(a)~(c)」について、「古い方から年代順に正しく配列したもの」を答える。それぞれの「出来事」の「キーワード」から「時期」を特定していく。

(a)「株仲間」「解散」⇒「株仲間の解散」といえば、「水野忠邦」の「天保の改革」だと即座に特定できる。

(b)「昌平坂学問所」「朱子学以外の学問禁止」⇒いわゆる「寛政異学の禁」=「松平定信」の「寛政の改革」と結びつくはず。

(c)「公事方御定書」⇒「裁判の基準となる法律」=「徳川吉宗」の「享保の改革」で決定。要は「江戸時代の三大改革」だ。順序は無論、「享保の改革」(18世紀前半)→「寛政の改革」(18世紀末)→「天保の改革」(19世紀前半)となる。したがって、(c)→(b)→(a)なので、「答え」は(カ)になる。「年代整序」は「うろ覚えの年代」で整序するのではなく、「流れ」や「キーワード」を確認し、特定していくことが重要だ。

                                   <時間配分目安:1分弱>

[問12] 「下線部に関する選択肢設問」(4択)。

「リード文」中の下線部「江戸の小塚原刑場(こづかっぱらけいじょう)」に関して、「小塚原刑場は千住(せんじゅ)宿近く」にあったが、「千住宿は五街道のうち、どの街道の宿場町か」を答える。典型的な「御当地問題」だ。「千住」は東京都足立区にあり、開成中学校のある荒川区のお隣だが、東京の下町によほど詳しくなければ知らなくても不思議はない。相当にローカルな問題で、故に「御当地問題」というわけだ。

さて、各選択肢は(ア)「東海道」・(イ)「中山道」・(ウ)「甲州街道」・(エ)「日光街道」。であれば、「答え」は(エ)の「日光街道」だと判別できるはず。

ちなみに、「千住宿」は「日光街道」および「奥州街道」の最初の宿場だ。「東海道」の「品川宿」、「甲州街道」の「内藤新宿」、「中山道」の「板橋宿」とともに「江戸四宿」と呼ばれ、「江戸の出入り口」として栄えた。本校志望者はやはり、「東京下町地域」についてチェックしておきたい。

                                   <時間配分目安:30秒>

【大問2】「地理」(「歴史」混在)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:15分

「12年周期の干支(十二支)に関連する説明」(文章1)、「過去30年間の平均値で表される気候に関する平年値についての説明」(文章2)、「2022年に開業10周年を迎えた東京スカイツリーに関連する説明」(文章3)、それぞれについての「図表」「統計資料」「地図」などからの出題で、「地理」の多角的な知識が問われている(「歴史」が3問混在)。「文章1」の「図」の理解・読み解きがやや難解かも知れない。時間的制約があるので、あまりにも手強い問題は戦術的に「捨て問」で構わない。できるものから手際よく解き進めていきたい大問だ。以下、外したくない「設問」を中心にいくつかチェックしたい。

[問1] 「説明文に関する選択肢設問」(4択)。

「文章1」に関して、「歴史的な事件などの名称に、おこった年の干支が使われること」があるが、「干支が使われている例」を答える。それぞれの「事件」の「キーワード」から「名称」を特定していく。

(ア)「10世紀半ば」「関東地方の武将がおこした反乱」⇒何の問題もなく「939年」の「平将門の乱」だと即断できなくてはいけない。ちなみに、同時期の「藤原純友の乱」と合わせて「承平天慶の乱」と称するが、「承平」「天慶」はともに「元号」だ。

(イ)「足利義政のあとつぎ争いをきっかけにおこった戦乱」⇒無論、「応仁の乱」で、「応仁」も「元号」。

(ウ)「明治新政府軍と旧江戸幕府軍の間でおこった戦い」⇒「戊辰戦争」だと分かるはず。「戊辰(ぼしん)」は「戌(いぬ)」と「辰(たつ)」、「干支」だ。

(エ)「西郷隆盛」「鹿児島の士族らによっておこされた反乱」⇒「西南戦争」で決定。

「西南」は東京から見ての位置。ということで、「答え」は(ウ)になる。本問は即座に正解したい。

                                   <時間配分目安:30秒>

[問2] 「説明文に関する選択肢設問」(4択)。

「文章1」に関して、「干支は方位を表す際にも使われる」が、「2021年と2022年の干支を組み合わせた『丑寅』が示す方位」を答える。「歴史常識」だ。当然、押さえていなければいけない。「子午(線)」=「北」「南」は誰もが知っているはず。「北」に十二支の「子(ね)」を当て、時計回りに360度を12等分していくわけだ。よって、「子」→「丑(うし)」→「寅(とら)」と続いて、「卯(う)」が「東」になる。したがって、「丑寅」は「北」と「東」の中間となり、「答え」は(ア)の「北東」になる。尚、「丑寅」は「鬼門」だということも知っておきたい。

              画像1

ちなみに、十二支は「時刻」も表すので上の「図」で確認しておきたい。

                                   <時間配分目安:30秒>

[問3] 「図についての選択肢設問」(9択)。

「文章1」に関連して示されている「図1」(碁盤の目のように引かれている縦と横の直線で、それぞれが日本列島周辺の経線・緯線を示しており、経度・緯度は2度ごとの偶数になっている)について、「日本標準時子午線はどの経度帯にあるか」を答える。「経度帯」は縦の直線間の区域で、西から(ア)~(ケ)で表されている。「九州西部を東経130度、八郎潟を140度の経線が通っているので……」などと「図1」とにらめっこをしていても埒(らち)が明かない。すぐ横に「図2」があるではないか。これは「図1の範囲についての索引(さくいん)」だと説明されている。「日本標準時子午線」=「東経135度」=「兵庫県明石市」は誰もが知っている。「図2」にどこか近くの場所がないか? なんと! 一番上に「大阪」がある。「明石市」のすぐ東だ。「大阪」の「経度帯」は「エ」と記されている。各直線は「2度ごと」なので同じ「経度帯」に違いないと考えられるはずだ。よって、「答え」は(エ)になる。設問で直接問われていなくても、与えられている「情報」は全て「手がかり」だと心得よ。視点の転換が肝要だ。

                                    <時間配分目安:1分>

[問5] 「図の空所補充地名記述設問」(全2問)。

文章1に関連して示されている「図2」(前述のように『図1の範囲についての索引』)の中の空所[1]・[3]に「当てはまる地名」を答える。

[1]は「[1]諸島」となっていて、「経度帯」は「ウ」で「緯度帯」が「⑤」だ。[問3]で確認したように「大阪」の「経度帯」は「エ」、「緯度帯」は「⑥」になっている。それぞれ[1]の隣に位置している。つまり、「大阪」の「北西」になり、「諸島」なので「中国地方」の「日本海」ということになるはずだ。であれば、「答え」は「隠岐(諸島)」以外にはあり得ない。[3]は「[3]半島」で、「経度帯」・「緯度帯」は「オ」・「⑤」。すぐ上には、「名古屋」が「オ」・「⑥」と記されている。ということは、「名古屋」のほぼ「真北」になる。そこに位置する「半島」であれば、「答え」は「能登(半島)」だと特定できる。本問もいくつかの「情報」から類推できたわけだ。

                                <時間配分目安:全問で1分強>

[問9(1)] 「説明文に関する内容説明記述設問」(「字数指定」なし。「30字ほど」の解答欄)。

「文章2」に関して、「気候の平年値は10年ごとに更新されており、2021年5月からは新しい平年値が使われている」が、「各月の平均気温に関して、新しい平年値にはどのような変化があったと推測できるか」を説明する。「推測」するには当然、「手がかり」が必要だ。だが、「文章2」には他に目ぼしいものはない。さて、どうするか? そこで「視点転換」、[問9(2)]で示されている「表1」に着目したい。「東京」・「仙台」・「宮崎」のいずれかの地点における、「現在の平年値」と「以前の平年値」の「月ごとの気温」を表しているものだ。まさに「気温の変化」だ。確認する。すると、3地点ともに「以前より気温が少し上昇している」ことが読み取れる。これだ! だが、「解答欄」を考慮すると補足説明が必要だ。考えたい。「気温の上昇」といえば、そう、「地球温暖化の影響」が思い浮かぶはずだ。したがって、たとえば、「地球温暖化の影響などによって平均気温が上昇したという変化。」(29字)という「答え」になる。それぞれの「小問」や「枝問」は互いに連関していると考えよ。

                                   <時間配分目安:2分弱>

[問14] 「説明文に関する組み合わせ選択肢設問」(6択)。

「文章3」に記されている「新潟県弥彦村」に関して、「弥彦村はモンゴルのエルデネ村と友好都市となっている」が、示されている「新潟県の都市」と「姉妹(友好)都市」の「Ⅰ」~「Ⅲ」と、「提携の動機・きっかけ等」の「A」~「C」の「正しい組み合わせ」を答える。

「姉妹(友好)都市」は「Ⅰ」=「妙高市―ツェルマット(スイス)」、「Ⅱ」=「佐渡市―洋県(中国)」、「Ⅲ」=「新潟市―ウラジオストク(ロシア)」。「提携の動機・きっかけ等」の「キーワード」は「A」=「トキの借り入れ」、「B」=「観光やスキーを中心とした町づくり」、「C」=「戦後初の観光船が就航」。すぐに「トキ」と「佐渡」が結びつくはずだ。よって、その組み合わせになっている選択肢の(ウ)(オ)に絞り込める。次に「観光やスキー」=「スイス」だと考えられるので、「答え」は「Ⅰ」「B」になっている(ウ)と判別できる。尚、「組み合わせ設問」では、分かりやすい事項で一気に選択肢を絞り込むことが肝要だ。

                                   <時間配分目安:1分弱>

※尚、[問11][問12]は「地形図」の設問。「地形図読み取り」は本校に限らず「地理単元」での定番なので、「地図記号」「等高線」「方位」「縮尺(距離・面積など)」等の「地形図」に関連する基礎的事項を完全に定着させておくことが肝要だ。

【大問3】「公民」(「歴史」「時事」「思考問題」混在)

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分

「国境を越えた課題への取り組みを進めている国際社会」に関する「リード文」からの出題。「公民」がメインだが、「歴史」3問、「時事」2問、「思考問題」1問が混在して「総合問題」の様相もある。平易な問題が多いが、唐突に難解なものが出てくるので心してかかりたい。以下、いくつかの「設問」を検証する。

[問2(2)] 「下線部に関する事項記述設問」(「漢字8字」指定)。

「リード文」中の下線部「OECD」に関して、「OECD」の「日本語名」を「漢字8字」で答える。さあ、どうか? 即答できるか? 本問はひとつの試金石となる。「答え」は「経済協力開発機構」だ。本問が答えられなかった諸君は、「公民」の定着が不完全だ。改めて復習・定着させること。尚、「国際機関」については本校に限らず頻出。「内容」はもちろん、「アルファベット略称」と「正式名称」をセットで定着させておくことが肝要だ。

                                   <時間配分目安:30秒>

[問3(1)] 「下線部に関する事項記述設問」(「カタカナ」指定)。「時事」単元。

「リード文」中の下線部「各国に事業を展開することのできる巨大IT企業に対する課税」に関して、「巨大IT企業のうち代表的な四つの企業は、それらの頭文字を取って『GAFA』と総称されている」が、このうち、「『G』が指す企業の名前」を「カタカナ」で答える。典型的な「時事問題」だ。「GAFA」は見聞きしたことはあっても、それぞれの「企業名」を特定できるかどうかが勝敗を左右する。「G」=「Google」、「A」=「Amazon」、「F」=「Facebook」(尚、同社は2021年10月に社名が「Meta」に変更されている)、「A」=「Apple」だ。よって、「答え」は「グーグル」だ。本校ではやはり、「時事問題」でも相当に「ディープなネタ」まで問われるということだ。

                                   <時間配分目安:30秒>

[問4(1)] 「下線部に関する不適切選択肢設問」(4択)。

「リード文」中の下線部「自国の租税のあり方」に関して、「日本で消費税が導入されたのは1989年」だが、その後の「1990年代における国際社会及び日本国内の出来事」として、「誤っているもの」を答える。「不適切」だということをしっかり意識して、各選択肢の正誤判別をしていきたい。(ア)「阪神・淡路大震災」⇒これは知っていて当然、「1995年」だ=「適切」。(イ)「PKO協力法制定」⇒一瞬悩むか? 「1992年」の出来事。曖昧(あいまい)だった諸君は、「湾岸戦争」(1991年)がきっかけだったと理解しておこう=「適切」。(ウ)「アメリカ同時多発テロ」⇒さあ、定着しているか? 「2001.9.11」だ。2021年は20年目の節目だった=「不適切」。(エ)「EU発足」⇒何年の出来事か? 流石(さすが)に押さえてはいないか? 「1993年」。来年2023年は「30周年」なので確実に定着させておきたい=「適切」。したがって、結果として「答え」は(ウ)だ。尚、「冷戦終結」以降の「国際紛争」については、本校に限らず頻出だ。しっかりと「流れ」を整理しておくことが肝要。無論、「2022.2.24」の「ロシアによるウクライナ侵略(侵攻)」は来年度入試最重要事項だと心得よ。

                                   <時間配分目安:30秒> 

[問7(2)] 「下線部に関する空所補充の事項記述設問」(全2問)。

「リード文」中の下線部「国際社会」に関して、「日本国憲法前文」で書かれている「国際社会と日本との関係」について示されている「前文」の空所【 E 】・【 F 】に「当てはまる語句」を答える。空所前後は「われらは、平和を維持し、専制と隷従、【 E 】と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と【 F 】から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」となっている。「日本国憲法」の必須定着条文のひとつが「前文」だ。確実に正解していきたい。「答え」は【 E 】=「圧迫」、【 F 】=「欠乏」になる。「日本国憲法」の「空所補充問題」は頻出だ。テキストに掲載されている「条文」は的確に把握し、覚えておく必要がある。

                                 <時間配分目安:全問で1分>

※尚、[問8]は「思考問題」で、「アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)」についての「説明記述問題」だ((「字数指定」なし。「20字ほど」の解答欄)。「設問」と示されている[資料]の内容を確実に理解して考えることで「答え」を記述することは可能なはずだ。但し、本年度の最終設問であり、配点も「2点」だということを考慮すれば、未解答でも何ら問題ない。「捨て問」として、他の解答を見直し・確認した方が得策だ。

攻略のポイント

●「御三家」のひとつである本校では難問が多いというイメージがあるだろうが、実は多くが基本的な問題で平易だ(無論、「超難問」も紛れてはいるが、それらは「捨て問」で構わない)。したがって、合格ラインは高い。過去14年間の合格者平均得点率は76.4%(70点満点。本年度はさらに上昇して78.0%)。当然ながら本校受験生の多くが、確実に定着させている「基礎的知識」で高得点を出してくる。つまり、小さなミスが致命的になる。3単元全てについて徹底的に「基礎的事項」を習得して、やや複雑な「統計資料読み取り」や「御当地問題」等、本校特有の問題は過去問で練習を積むことが重要だ。

●配点は「選択肢設問」「事項記述設問」が各1~2点、「説明記述設問」は2~5点ほどと推測される(本年度は「説明記述」全てが2点)。40分という制限時間があるので、先ずは解きやすい設問から攻め、「考える必要のある設問」に時間を傾斜配分するといった「戦術」も求められる。「捨て問」の判別も必須だ。当然、「漢字指定」などの「設問条件」には十分注意すること。

●本年度も、2021年度から導入された新たな大学入試制度で求められている「思考力」「判断力」「表現力」が問われる設問があった。来年度以降も当然出題が予想されるので、対応できるように練習しておく必要がある。

●「時事問題」については2つ以上のテキストで、直近年だけではなく過去数年分について細部まで敏感に確認しておくこと。尚、「統計資料」は必ず最新版を使いたい。テキストとしては「日本のすがた」(矢野恒太記念会編集)が分かりやすくてオススメだ。

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

開成中学校の科目別
入試対策一覧

中学受験のために
家庭でできること

インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは

リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。

TOP

創業以来、
最高峰のプロ教師陣を輩出

TRADITION
SINCE 1985

1985年法人設立以来、プロ家庭教師のクオリティーにこだわり続け、現役プロ教師の中でもトッププロと呼ばれる真の実力を兼ね備えた合格実績豊富な家庭教師のプロだけをご紹介しています。
特に中学受験·大学受験·医学部受験専門のプロ教師のクオリティーに自信があります。