青山学院大学 文学部 フランス文学科 B方式の総合問題(論述メイン)
入試対策と勉強法
青山学院大学 文学部 フランス文学科 B方式の総合問題(論述メイン)
ここでは、青山学院大学の文学部(フランス文学科)を目指す方に対して、総合問題の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。
※本大学では2021年度に大幅な大学入試制度改革が実施されました。それに伴い一般の選抜は、一般選抜(全学部日程)・一般選抜(個別学部日程)・大学入学共通テスト利用入学者選抜という3つの選抜方法となっています。受験生は学部・学科ごとに定められたさまざまな選抜の組み合わせ方式から選択することになります。
本稿では、大学入学共通テスト(英語 or ドイツ語 or フランス語の外国語を選択)との組み合わせが課せられています文学部フランス文学科 B方式の独自問題(総合問題(論述))の説明となっています。
尚、準拠しているのは2021年度までの試験問題です(但し、一部22年度の情報も参照している)。
※B方式の総合問題の入試対策です。
青山学院大学文学部(フランス文学科) 総合問題の出題傾向とは
出題範囲(分野)
総合問題(論述)の出題科目(範囲)としては、文化・社会等に関する長文読解を課し、言葉の知識・思考力、論述力を問うとなっています(本大学の試験概要)。2020年度までの文学部フランス文学科 B方式の独自問題の科目名「論述」と出題形式や内容は大きく変わっていませんが、出題の意図・狙いに就いて文章の正確な読解にもとづいた議論を組み立て、比較的長文の文章で論述する能力を問い、出題の意図に沿った議論を組み立てるための思考力、知識、論述力等が求められると改めて明記しています。
「現代文」1題で論説文(評論文)が基本です(ただし随筆が出題される年度もある。直近では2020年度)。文章内容は、文化論・社会論・文明論・科学論・哲学論・言語論・教育論・地理論等と実に多種多様です(2021年度は文化論で寺田寅彦「化け物の進化」)。当然ながら硬質な文章が多く、読解には高度な語彙力が求められます。
知識問題(漢字の読み、語句の意味など)、内容(理由)等説明記述問題、そして見解論述問題というのが、総合問題(論述)という科目名になってからも変わらない基本的出題パターンです。
出題量と時間配分
問題文の文章量は、4500~9000字超ほどと幅がありますが、他の私大上位校と比較して概して多めです。
試験時間は90分です。知識問題と内容(理由)等説明記述問題とを30分以内で解き進め、合否の要となる見解論述問題には60分以上をかけしっかりとまとめていきましょう。
出題形式
大問は1題です。小問は3問が原則です(2015年度と19年度は例外的に4問だった)。 解答数は6~11です。2021年度は3問で解答数7でした。小問の中のひとつは年度によってマーク方式か記述方式、他は記述方式が基本です(抜き出しもある)。
解答形式
マーク方式と記述方式が混在しています。
マーク方式では空所補充の語句選択(意味による判別)がほとんどです。記述方式では、漢字の読み記述や空所補充の語句抜き出しが先ず問われます。次に内容(理由)等説明記述が1問(例外的に2問の年度もある)、指定字数は50~150字とバラツキがあり、必ず条件が課されます(要約の場合もある)。そして、文学部フランス文学科 B方式のクライマックスである見解論述、800字以内指定が定番で、もちろん、さまざまな条件が課されます。
青山学院大学文学部(フランス文学科) 総合問題を攻略するための勉強法
知識問題
フランス文学科 B方式では漢字の読みや語句の意味判別が問われます。そして、硬質な問題文を理解し咀嚼する為には、難解な語句や頻出テーマに関するキーワードを読み解く語彙力が当然、必要になります。さらに、見解論述での誤字・脱字は確実に減点要素になります。したがって、漢字ひとつたりとも疎かにはできず、高度な語彙力を養成する必要があります。その為には、先ずは「己が実力」を把握することが重要です。そこで、共通テスト(センター試験)の漢字問題(要は「同音異字」「同訓異字」の判別)が基礎的語彙力のひとつの目安となります。最低10年分以上の過去問をこなしましょう。その結果次第で、具体的な学習を進めていきましょう。
尚、以下のサイトは漢字問題だけがまとめられていて便利です。
http://www.kanjijiten.net/center/index.html
解法①
「現代文」では、論説文(評論文)と随筆特有の解法、そして全てに共通する解法を体系的に理解し定着させ、応用するために肝要なのは「復習」の仕方です。「考え方のプロセス」をトレースすることが必須です。特に間違った問題が肝要です。誤ってしまった「分岐点」をしっかりと確認しておきましょう。さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけましょう。それが解法となります。
尚、具体的解法に就いては本HPの別サイト「大学入試”王道現代文”」を御覧ください。
解法②
フランス文学科 B方式では空所補充の出題が必ずあります。空所補充なので代入確認を忘れないことは当然です(形式だけでなく文脈、内容なども適合させる)。そして、抜き出しの場合は最初に抜き出すべき内容を的確に把握した上で、抜き出し範囲を絞り込み(論説文(評論文)では原則的に同一意味段落、随筆では同一場面)、条件に合致する抜き出し候補を探すのが鉄則です(候補はひとつとは限らないので要注意)。こうした練習を重ねる必要があります。
解法③
内容説明記述問題は必出でその対策は不可欠です。指定字数は50~150字ほどと幅があります。説明記述で必要なひとつの要素は通常20~30字程度なので、短い指定字数の場合は最も重要な要素に絞り込んで記述し、長めの指定では設問内容から必要度の優先順位を特定できるように徹底的に練習することが肝要です。正否の分かれ目となる最重要な要素を文末として他に必要な要素を1~4つ程度積み上げていく「積上げ方式」という手法を、過去問や練習問題などを通じて完璧にマスターしましょう。また、要約記述が出題される年度もあるので、十分に練習して慣れておきましょう。
視点
課題文(問題文)があり、大まかな論点が提示されているとはいえ、それをなぞっただけでは単なる感想文になってしまう。受験生各位の見解を論述するのだから、当然、独自の視点が必要になります。幅広い議論の可能性を有している中で、如何に説得力のある視点を提起できるかが成否を分けます。そこで、常日頃から現代社会が抱えるさまざまな課題や文化的事象に対して、研ぎ澄まされた問題意識を持ち続けていることが重要になります。幅広いテーマに就いて常にアンテナを張り巡らせておくことが絶対に必要です。
論述
800字という制約の中で自らの見解を的確に論じるには、構成メモの作成が不可欠です。脳内イメージを可視化、客観的に捉える作業です。最重要な論旨、説明に必要な論点(提示されているものも含め)や視点をアトランダムに記し、整理してチャート化します。その上で、見解を頭括型の論述としてまとめるべく各要素を取捨選択します。その際には、批判的スタンスの視点を特に意識し、カウンターとしての論点も用意しましょう。
尚、序論・本論・結論は1:3:1が原則です。こうした構成メモの作成練習を繰り返しましょう。実際の論述練習では、添削指導を受けることが必須です。
推奨テキスト
ここからは、勉強に役立つテキストをご紹介します。テキストには相性がありますので、できるかぎり書店で手にとって確かめることをおすすめします。
ここではテキストを知識篇、読解力対策篇、見解論述対策篇に分けてご紹介します。
知識篇
(1)『漢字 一問一答【完全版】』(東進ブックス)
(2)『現代文最重要語句(暗記いらずの)らくらく練習帳―熟語・慣用句・評論語句・外来語』(学研プラス)
(3)『新版完全征服 頻出現代文重要語700 三訂版』(ピアソン桐原)
(4)『ことばはちからダ! 現代文キーワード―入試現代文最重要キーワード20 (河合塾シリーズ)』(河合出版)
(5)『現代文キーワード読解[改訂版]』(Z会出版)
前項の共通テスト(センター試験)の漢字問題チェックで、5割未満の場合は(1)から、6割は(2)から、7割は(3)から、8割は(4)から始め、9割は(5)のみが目安です。反復練習して完全習得させる。特に(5)では、「キーワード編」のみならず「頻出テーマ編」も熟読し、完全に理解しましょう。
読解力対策編
(1)『システム現代文 バイブル編(改訂新版)』(水王舎)
初級レベルです。「解法」って何? といった皆さんにお薦めの入門書です。根本を徹底的に解説しており、マスターすれば解法は一通り理解できるでしょう。
(2)『現代文読解力の開発講座(新装版)』(駿台文庫)
中級レベル①です。文章を客観的に捉える術が丁寧に説明されており、中堅から難関私大へのステップアップ段階の一冊です。
(3)『現代文と格闘する(三訂版)』(河合出版)
中級レベル②です。文章を読み繋ぐことを主眼として、その為のシンプルな視点を提案しています。フランス文学科 B方式の問題文(課題文)を確実に読解する一冊です。
(4)『得点奪取 現代文[三訂版]』(河合出版)
上級レベルです。記述問題から説明・要約問題までを明快に解説し、説明記述(若しくは要約)習熟の為に何を学習すればいいかが分かる一冊です。
(5)『[記述篇]現代文のトレーニング(改訂版)』(Z会出版)
最終レベルです。頻出テーマに沿った問題構成で、完成度も自ら把握できます。説明記述(若しくは要約)の総仕上げへ向かっては不可欠の一冊です。
※尚、(2)、(3)には要約問題があるので必ずこなしましょう(要約の対策になる)。
見解論述対策編
(1)『吉岡のなるほど小論文講義10(改訂版)』(桐原書店)
初級レベルです。「小論文とは何か?」「どのように文章を組み立てたらよいのか?」という基礎・基本を体系的に解説しています。入門から基礎力養成の一冊です。
(2)『資料と課題文を攻略して合格答案を書くための 小論文のオキテPRO』(KADOKAWA)
中級レベルです。入試で戦える解き方が身につきます。小論文のオキテを習得でき、フランス文学科 B方式の見解論述への完成度を高める一冊です。
(3)『小論文を学ぶ――知の構築のために』(山川出版社)
上級レベルです。「読みと書きの技術論」、「小論文に必要な知の構築」、「実践演習を通じての知の習得」の3部構成で、フランス文学科 B方式で8割以上の得点ゲットをターゲットに据える一冊です。
(4)『小論文 テーマ別課題文集 21世紀を生きる〈改訂版〉』(駿台文庫)
最終レベルです。主要頻出テーマごとの論点整理、キーワード解説が充実しています。万全を期すための一冊です。
(5)『文藝春秋オピニオン○○✕✕年の論点100』(文藝春秋/毎年11月発売)
毎年の日本の様々な争点が多角的に提起されており、論点・視点の捉え方を習得できます。時事対策にもなる一冊です。また、条件として頻出の具体例のストックにもなるでしょう。
(6)『青山学院大学文学部フランス文学科 B方式過去問』
実践レベルです。数多く解き、文学部フランス文学科合格への最終的な仕上げとしていく一冊です。
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