浦和明の星女子中学校 入試対策
2022年度「浦和明の星女子中学校の理科」
攻略のための学習方法
理科知識の重要性と実験観察・データの読み取り問題
理科は一応理系科目であるが、中学受験理科の決め手は理科知識である。
計算問題で出題されるのは9割方いつかどこかでやった典型問題だ。しっかりやっている受験生の中では差がつきにくい。
それに対して理科知識はまず、どこまでということがないので、出来うるだけ頭に詰めていかないといけない。よって、また、対策には時間がかかるということだ。ここは心してほしい。暗記だから直前に、などといっているレベルではない。
対策としては一問一答式の問題集を使用してほしい。できればそれを数年かけて何回も繰り返したいところだ。勉強の基本は繰り返し、成績上位生も意外と理科知識は基本問題でもおろそかにしている受験生は多い。
逆にいえば、知識の完成度を上げることで十分成績は上がりうるということだ。これはあまり受験生には浸透していないようだ。理科は知識だといっていいくらい、社会くらいに憶えることに重点を置いてもいいと思っている。
しかし、この一問一答式の問題集を使っての知識の勉強は、気をつけてほしいことが一つある。決して丸暗記してほしくないのである。
もちろん、植物や星座の名前など、丸暗記するしかないものもある。しかし、小学生に暗記させると意味も全く考えずに本当の意味で丸暗記してしまっている受験生が結構いるのである。
例えば今年の問題だと、大問1の問5の浮沈子の浮き沈みの原理であるが、密度や浮力の一般的な問題の解法の丸暗記では難しいであろう。浮くということがどういうことか理解していないといけないのである。
よって、一問一答式の問題集で暗記だから、小学生一人でやらせているのはとても危険なのである。必ず、大人が、その語句の意味、答えの理由を受験生に説明させてほしいのである。答えが言えればOKでは、入試に耐えうる知識にはなっていないのである。受験生自身の言葉で、その語句なり、答えの理由を説明できて初めて入試に耐えうる知識になるのである。
理科の計算問題は全て典型問題
確かに全てが典型問題と言うのはいいすぎであることは間違いないのであるが、理科の計算問題の勉強はそのスタンスで臨んでほしい。受験が近づいてきたからといって、難しい問題を解こうとはしないでほしいのである。
基本的には6年の前半まででやった計算問題ができているかどうかが合否の分かれ道である。
入試問題の難しい、あまり見たことのない問題を解いても悪くはないのであるが、それができるように一生懸命何度も繰り返すようなことはしてほしくないのである。そこは差がつかない。差がつくのはあくまでもいつかどこかでやったことがある、さらに言うと何度もやったことのある典型問題なのである。受験が近づくと難しい問題をやりたくもなるのであるが、そこは注意してほしい。
そうなので、理科の計算問題は対策が非常に立てやすい。もし、苦手感を持っているようであれば、計算問題を集中して計画立てれば、1ヵ月くらいで大きく伸びるはずだ。
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2022年度「浦和明の星女子中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
与えられた時間は社会と理科あわせて50分で、理科の分量は大問が4、小問が20台半ば。
理科に使える時間をその半分とみると、本年度の問題は厳しい時間配分を要求されたことだろう。それぞれの大問前半に存在する基本的な設問には確実に答えた上で、後半の高い計算力を求める問題やあまり目にしたことがない問題はうまく取捨選択して答えていけるよう心がけておきたい。
【大問1】気体の膨張
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
問題文の初めに書いてあるように「空気の体積と温度の関係」についての問題である。図1・2・3と使われる「小道具」は変わるものの、問われている内容は一貫している。
図1と表1から、空気の体積は温度が上がるたびに一定の大きさで増えていく(膨張する)ことをつかむ。問1(a)(b)はそれを用いる計算問題であり、計算の細かいものの標準的な問いになっている。ここはぜひ正解しておきたい。
図2は「注射器」に使われている道具は変わるものの計算に必要な数字は問1から獲得済みのもの。考え方は変わらないのでここも正解しておきたい。
ポイントは図3を用いる問3である。実験1・実験2では装置と水の体積の話ばかりだが、主役は水ではなく装置に入っている空気の体積である。水が入っていない部分の空気が膨張して水を押し出している、ここに注目できないと問題は解けない。それがわかれば計算に使う割合はこれまでと同様である。
昨年度の【大問1】も同じような傾向であったが与えられた多くの図や関係から使える部分を上手く探してそれをもとに計算して求める、というタイプの問題に慣れておきたい。
【大問2】水溶液の判別
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
本年度のテストでは最も普通っぽい問題であり、特に前半は基本的で、特に問1・問2は確実に正解しておかなければならない。
問3は実験の結果見えなくなった鉄片はどうなったのか、について仮説を立てそのうち間違っているものを実験3~5の結果をもとに反証するというもので、昨年度のテストにも見られたユニークな設問である。(a)については答えは1つ選べば良いが(b)は2つ選ぶので難易度は上がっている。
しかし複雑な計算は見られない。この典型的な【大問2】で点数をかせいでおきたい。
【大問3】固有種と外来種
- 難度:やや難
- 時間配分:6分
東京都小笠原諸島にもともと生息していた生物(固有種)とあとから人間が持ち込んだ生物(外来種)についての大問で、環境問題風ではなく、あくまでも種の個体数や生物の持つ特殊な技術に関する設問で前半から確実に正解できるものが見つからず点数がとりにくくなっている。
また問3では「多様度指数」なる、生まれて初めて聞く言葉とそれをもとるための公式を与えられますます難易度は増していく。また(b)ではまたも仮説の反証が求められており困窮を極める…
本年度のテストはここ数年では受験者の平均点が大幅に下がっているのはこの【大問3】の存在にあると思う。ここは我慢のしどころで、1つでも正解できるものを作っておきたい。
【大問4】太陽の1日の動き
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
3年続けて天体からの出題となった。本年度は太陽の日周運動についてで、問1・問2は基本事項の確認、問3も各地の日影曲線に触れたことがあればまたはその時期の太陽の動き(年周運動)について勉強してあれば解ける問題になっている。
問4から設問のレベルが上がり計算も必要な問いである。最も難度が高くなっている。一度解いたことがある生徒には有利だったかもしれないが、間違えた生徒は考え方を復習しおきたい。
問5では新しく与えられた①~③の手順を元に問題を解いていく。これも手間がかかるものの与えられた時間に余裕があればぜひチャレンジしてみたい。
攻略のポイント
本年度の問題は昨年度・一昨年度と異なり、「易」~「標準」レベルの設問が減り、「やや難」・「難」レベルの設問がいくつも見られた。
平均点で見ると、5点程度下がっている。これだけ水準の高い受験生を集めた上での5点差というのはかなり問題にレベルの差があったと考えて良い。
【大問1】の後半と、【大問3】全般は解きにくい設問が並んでいた。それに比べるとまだ既視感のある【大問2】や【大問4】で点数を重ねたいところである。
この傾向が複数年続けば理科のテストは完全に転換期を迎えた、と言えるが来年度も引き続き平均20点台のテストとなるか昨年度までのように平均点30点以上のものになるかはちょっと予測が付けにくい。
当校の場合、前半に物理・科学の大問、後半に生物・地学の大問が配置されることが多いので、本番ではそれを確認した上で後半の大問から解き始めた方が時間を上手に使えると思う。本年度も同様問題配置であったが【大問3】【大問4】の難易が高かったので例年ほど時短につながったかどうかは…。
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