昭和学院秀英中学校 入試対策
2022年度「昭和学院秀英中学校の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
大問6~7つが地理・歴史・政治経済におおむね2~3問ずつ振り分けられるパタ-ンが多いが、問題数や配点では歴史の比重が多くなっており、歴史重視の傾向がある。
解答数は40問前後。設問は最新年度では記号選択25問・適語記入10問・記述2問といった割合になっている。近年、記述問題も出されるようになった。
地理分野
地形や気候・産業や貿易など、幅広い分野からいろいろな問題が出される。地形図の読み取りやある地域にポイントを絞って詳しく訊くような問題もある。地理分野のあらゆる形の出題があると思って良い。
なかでも、資料が多く用いられる点は特徴的である。地図・グラフ・統計資料が多用され、模式図・歴史史料・写真なども使われる。過去にも産業の都道県別ランキング・都道府県別昼夜人口比率・雨温図など、様々な資料が提示されている。
特に、あまり見慣れない資料が使われる点に注意が必要である。2017年度でもカロリーベースの食料自給率・人口増減率・地域の月別日照時間・海抜高度別の面積割合など、他校ではあまり見られないデータ・統計が用いられている。統計の上位1~3位まで覚えていれば答えられるような単純な問題ではない。いわゆる難問・奇問の類ではないのだが、なぜそのような数値になるのか、背景や理由をその場で考えなければならないので、思考力が求められる。
まずは基本レベルの問題を落とさないよう、地名・地形・気候・産業などの基礎知識を固める。基礎知識は難しい問題の手がかりを探す土台ともなる。その上で多くの統計資料・グラフの読み取りを練習し、なぜそのようなデータになるのか、そのデータから予想される結果は何かなど常に考える習慣をもち、基本事項と関連させて知識に厚みを持たせよう。
知らない統計などが出された時にヒントを得られる情報を、少しでも多く頭に入れておきたい。
歴史分野
地理分野の難易度が高い傾向にある本校であるが、年度により多少のばらつきはあるようで、歴史分野に難問が見られる年度もある。
各時代の法令などの一つのテーマに沿った出題や、ある範囲の時代の地名・人物名・貿易・時代順の並べ替えなどを広く尋ねる問題など、歴史に関するあらゆる種類・内容の問題が出されている。
だいたい基本レベルの問題が多いので、テキストを丁寧に学習することが第一である。年代を問う問題も多いので、時代や年号を正確に覚え、年表などで流れもすぐ思い出せるようにしておこう。
政治経済分野
他の2分野と比べて問題数は少なめである。憲法や政治の仕組みと合わせて時事問題も出題されている。テキストで基本事項を覚えたら、直近の1~2年の重大ニュースをチェックして、ニュース・新聞で社会で起こる出来事にアンテナを張っておこう。
記述問題
ここ数年、出されるようになった。30~40字程度で出来事の理由・原因を答えるような問題が多い。用語を覚えるだけでなく、その物事の背景や理由・周辺事項も合わせて取り込むように学習しておこう。
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2022年度「昭和学院秀英中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は37問。1問に1分はかけられる計算だが、地理分野は資料を用いた問題が多くなっている。歴史分野はテンポ良く答えられる問題が多いので、例年通り地理の問題が重そうだったら歴史・政治経済などから手を付けると良いかもしれない。全く歯が立たないような問題で時間を取られては損である。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
日本の産業と人口について。
問1 地図で示されているのは宮城県・山形県・新潟県付近で曲線で囲まれた部分は山形盆地の扇状地であると考えられる。この地域ではブドウ・サクランボ・西洋ナシなどの果樹栽培が盛んである。
問2 (1) 石炭。財政再建団体に指定されたとあるので、Aは夕張市・夕張炭田を示している。
(2) 中心が京葉工業地域に移ったとあるので、(石油)化学。
問3 高度経済成長期には首都圏に多くの人が流入したのでE。1985~90年はバブル期で地価が高騰し東京への流入が減ったと考えられるのでD、その後は地価上昇も落ち着き、東京への流入も増加したのでC。
【大問2】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
離島を題材とした問題。
問1(1) 兵庫県の大きな島で淡路島。
(2) 図中の西に向かって引かれた破線部分が最も浅くなっており、そのいちばん深い部分で水深300mよりは浅くなっている。
問2 五島市でも少子高齢化が進んでいるはずであるから、Cが15歳未満、Bが高齢者だと考えられる。
問3 ⅰはかつての国際的な交通の要でマグロの一本釣りが盛んとのことからDの壱岐(長崎県)、ⅱは塩製造から柑橘類への転換・陸路で運搬などの情報から瀬戸内海のEの生口島(広島県)。
問4(1) 12海里は領海、200海里は排他的経済水域である。領海内での他国船の航行や排他的経済水域での海底資源の採掘は、その国の許可がなければ認められないので両方×である。
(2) 日本は島が広く点在するため、国土面積に比して排他的経済水域の面積が大きくなっている。また、体積は面積×深さであるから、日本の体積の値が大きいのは、近くに深い海(海溝など)が多いことによると考えられる。
【大問3】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:7分
日本に関わる2つの使節の航路を題材とした問題。
問1 時期と寄港地から、図1はペリーが日米和親条約を結んだ際の航路だとわかる。
問2 図2は岩倉使節団の航路。日本初の女性留学生の一人として使節に参加し、のちに津田塾大学を創設した人物が津田梅子である。
問3 大阪万国博覧会が1970年、阪神・淡路大震災が1995年である。
問4 X. ロシアのレザノフは長崎に来航して通商を求めたが、日本は拒否した。
Y. アヘン戦争で勝利したのはイギリス。
問5 ウ. 図1を見るとペリーは日本から南西に向かい大西洋へと入っているので、太平洋を「横断」はしていない。
問6 図1・2に示された日時から、指定された期間は1953年から1873年である。イは1837年、ウは1877年なので当てはまらない。
問7 岩倉使節団の表向きの目的は友好親善と先進諸国の視察と調査であったが、先に結ばれた条約の改正を打診するという使命も受けていた。アメリカに対しては不平等条約である日米修好通商条約の改正を狙っていたが、この時は改正とはならなかった。
【大問4】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:14分
- ★必答問題
滋賀県周辺の歴史的なできごとについて訊かれている。
問1 アは中大兄皇子、イは聖徳太子の時代の出来事で、いずれも奈良の都の時である。エは701年であるから藤原京である。
問2 エ. 聖武天皇は749年まで在位していたので、墾田永年私財法(743年)が当てはまる。
問3 足利義晴から義輝までだと1521~65年である。フランシスコ=ザビエルの来日が1549年なので当てはまる。
問4 1942年は第二次世界大戦中であるから、選択肢イが合う。
問5 人物は織田信長。アは江戸時代の施策、ウは自由な商業活動を認めた政策、エは武田勝頼を破った長篠の戦いで、それぞれ誤っている。
問6 琵琶湖東岸を北上し岐阜県に入るルートであるから中山道である。琵琶湖南岸から東へ向かうルートが東海道。
問7 大津事件は、来日していたロシア帝国皇太子を日本の警官が襲った暗殺未遂事件。政府の意向を裁判所がはねのけたのであるから、司法の独立が守られたわけである。
問8 時代順に、イ(弥生時代)・ア(飛鳥時代)・カ(平安時代)・エ(室町時代)・オ(戦国時代)・ウ(江戸時代)となる。
問9 ア. 田中正造は参議院議員ではなく、衆議院議員。
イ. 佐賀県は内陸県ではない。
ウ. 綿織物ではなく、絹織物。
問10 エ. 米騒動の始まりは富山県であり、岐阜県とは隣接していない。
問11 (1) 本能寺の変で織田信長を自害に追い込んだ明智光秀を、豊臣秀吉が討った。
(2) 桜田門外の変で暗殺された井伊直弼。
(3) 天台宗の開祖は最澄。
【大問5】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
2021年に起きた出来事を話題とした問題。
問1 Z. 任命するのは天皇である。
問2 消防庁は総務省の外局である。
問3 「法の下の平等」を規定した条項である。文言としては「法の下に平等であって」と
書かれているので、条文を訊かれたときは正確に答えなければ正解にならない。
問4 W. 憲法改正の発議は「衆参両議院の総議員の3分の2以上」の賛成で可決となる。
X. 投票されなかった票は有効票とならないので、集計されない。
Y. 満18歳であれば学生でも投票できる。
問5 選択肢エが、2019年の国連気候行動サミットでグレタ・トゥンベリさんが行った演説である。
問6 2020年度でB税が大きく増えているのは2019年の消費税引き上げを反映していると考えられる。D税が大きく増えているのは新型コロナ対策として特別国債が発行されたためと考えられるので、選択肢アが選べる。
問7 ウ. 経済分野では2つのグラフはほぼ重なっているが、政治分野では離れているので、正しい。
オ. 日本はアメリカと比べて、どちらのグラフも中心(0)に近いので、格差が大きいといえる。
攻略のポイント
今年度も地理分野で資料について考察する問題が見られた。たとえ見慣れない資料でも、基本事項を土台に考えたり、最近の世の中の動きを考えたりすることで正解を導き出せる。統計やグラフの読み取りをしっかり練習して、思考力を養おう。そのためにも地理分野は特に念入りに学習して抜けが無いように。
記述対策として、物事の理由や背景までよく考える訓練も積んでおこう。その他の分野も、難しい問題以外は確実に得点できるよう、テキストレベルの実力を着実につけておきたい。
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