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立教女学院中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「立教女学院中学校の理科」
攻略のための学習方法

出題分析

立教女学院の理科を取り上げる場合、まず頭に浮かぶのは、その題材のユニークさにあった。しかしそれも今では過去のものとなり,ここ数年間は難問・標準ラインを下に突破してかなり基礎的な設問を並べる学校に変化してしまった。

合格点は高めではあるものの,ほとんどの受験生にとっては手をつけやすいレベルである。もはや「立女の理科だから」と気合を入れる必要はない。
理科を苦手とする生徒にとっては福音であり,理科が得意な生徒はここで大幅に点数を稼ぐことが出来る。満点を取れる可能性もある。

では,大きく変わった理科に関してはどのように対策をしていけばよいかだが,それでも対策法に大きな変化はない。

基本的な知識を身につける

やはり、受験勉強の王道を貫くべし。

「基本的な知識を着実に身につけること」。これがなければ、先には進めない。

塾などで与えられる教材のうち,基本的な部分を厚く勉強し,誰もが正解できる知識をしっかりと自分のものにすること。そして知識を蓄えた上で、過去問をはじめ、いろいろな問題をやりながらその中で知識の出し方を練習しておこう。知識が正確かどうかは,まぎらわしい選択肢の問題で試されることになる。

さらに苦手な内容を作らないこと。オールラウンドにこたえられる力が必要だ。ただし,計算問題は出ない傾向にあるので暗記中心の勉強でよい

総合的な問題への変化

2016年度からは,大問の傾向にも変化が見られ,テーマを絞った問題から総合的なものに変わっている。その分問われることもオーソドックスなものになっていて,とりたてて立女対策をする必要はなくなった。入試問題を扱う側としてはさびしい気持ちもするのだが受験生の負担は大幅に減ったといえるだろう。

ただし,学校自体の水準が下がったわけではないので高得点が要求される。

時間配分

30分で30問に当たるので,単純に1分で1問。問題文が長めの学校なのでスピードが要求されるのは間違いない。時間と解くスピードについては、過去問にあたりながらその分量に対して必要な時間を配分していこう。

その所要時間に対して自分の解くスピードが遅いときは、徐々にスピードを上げていかなくてはならない。
6年生も後半になればだいぶ問題を解く速さが増してくるものだ。それでも足りない場合は自分のほうから問題に合わせていくしかない。

速読即解の場合,こわいのは知識不足と言うよりは問題文を十分に読まないで答えてしまうといういわゆるケアレスミスだ。平易な分だけ基本で落とすわけにはいかない。最後まで集中力を切らさず持っているエネルギーを出し尽くして解ききるパワーが必要だ。
合格点が取れるようがんばってもらいたい。

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2022年度「立教女学院中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

30分で大問は4、小問は30前後と、問題文が長く問題量は時間に対し多めの分量になっているものの,その大半は基本的な設問になっている。したがって,全問に目をとする余裕は十分にあると思われる。過去問をしっかり対策すればペース配分もつかめる。
2022年度の問題では、合格者平均点が久々に40点を割った(60点満点)ものの、かつての「立教女学院の理科はてごわい」という感触はなく、設問に答えにくいものが少し増えたという印象である。基本的な知識をしっかりと身につけていれば合格点までは十分に得点できる。

【大問1】物理(実験器具の使い方・ものの運動・光の反射)

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

問1のみ「実験器具の使い方」、実験をするときの注意点を選択肢から選ぶもので、「火を使うときは、髪をたばねておく」などは普段指摘がないので間違えるかもしれない。
複数ページに及ぶ問2は「ものの運動」で、ここはほぼすべて基礎的な内容。実験の結果を見て当たり前の結論を選んでいけば良い。計算を必要とする設問もなし。ここは全部正解したい。
問3は「光の反射」についての実験を行い、その結果を選択肢から選ぶものだが、実験の小道具があまり見られないものなので一見わかりにくい。が、聞かれていることは基本的なことである。

【大問2】化学(水溶液の判別)

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

3つから5つのビーカーに入った水溶液をどのような手段で判別していくかを答える問題で、最も頻出の内容だが水溶液の特徴をしっかりと身につけている生徒には楽勝な問題である。ただし、いろのついた水溶液はない。
問1は、砂糖水を選び出すもので、加熱して黒く焦げてしまうというものを選べばよい。
問2はうすい塩酸、うすい水酸化ナトリウム水溶液、食塩水を判別するもので、酸性・中性・アルカリ性と性質の異なる水溶液だけに判別する方法がいくつもありすべて選べないと正解にならない。「紫キャベツ液」は少しマイナーな判別法か?
問3では、金属から発生する気体の名前、実験1・2を経てもまだ決められない水溶液を判別する方法を複数選ぶ問い。複数選ぶ、が今年は目立った。
問4は、5つのビーカーに入った水溶液(ただの水もある)を判別するために実験を行う問題で、「もういいよ」感が出てくるがこれが最後。アルカリ性の3つの水溶液の判別するところがやや難しいか。
問5は実際に実験を行って水酸化ナトリウム水溶液が入ったビンを見ていれば楽勝だがそうでないと盲点を突かれる設問だ。
問6・問7はトイレ用洗剤の出題という生活に密着した問題でいつも見ているものの中にもあまりよくわからないものがある、という面白さをついている。あまり聞かれないので間違えるかもしれない。

【大問3】生物(生物の成長)

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分

前半の動物の成長に関する問題は平易だが、後半の植物の成長についてで足下をすくわれる可能性がある。
問1はヒトの誕生に関する基本的な問い。
問2は鮭(サケ)が自分の生まれた川に戻ってきて産卵する知識があれば易しい。
問3は「ただし」からあとの問題文がヒントになっている。テストに書かれていることは出来るだけ使って考えようという教訓がそこにはある。
問4の植物の成長の方は、まずヒマワリの成長について書かれており、ヒマワリが茎の高さにつれてその直径も大きくなっていく(双子葉類だから)ことが説明される。そのあとで、アサガオとハルジオンの生長の仕方などをグラフから選ぶわけだが、アサガオは双子葉類ながら茎を巻き付けて成長していく、ハルジオンは冬をロゼット葉で生きている、などの説明がある。4点とも正解するのは難しいのではないか…
問5は植物の分類に関する知識がないとさっぱりわからないもので、知識問題の重箱の隅をつついた問題になっている。
よって、本年度はこの【大問3】がもっとも正解を選びにくい問題であると結論づける。

【大問4】地学(月の動き・月食)

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分

本年度は天体からの出題なので難度が高くなるのではないかと懸念されたが、むしろ生徒には解きやすいそこそこの難しさにとどまっている。ことに最近は月食に関する話題が豊富だったので時事問題を集めたテキストなどからも十分な知識があったのではないかと思う。
問1は真夜中の満月がどの方向に動いていくかという基礎的な質問で、素直にオを選べば良い。
問2はこの大問の大半を為す設問で「皆既月食」に関する問題だ。「皆既月食」に限らず月食の時の太陽・月・地球の並び方やその月の色、さらに2021年度5月の満月に関する問いを選択肢から選ぶというもの。満月は大きく見えるときは注目されるが地球から遠いときはあまり話題にならないものだ。(2)では、月食のときの月の形の変化について。「月の左から欠け、左から見えるようになる(月が地球の影の中に入るから)を知っていれば選択肢はしぼることが出来るだろう。また、月に残る地球の影の形にも注目したい。たとえば、のように月の方が地球より大きい、という風になることはない。(3)は満月の1週間後、つまり「下弦の月」に関する知識を問われている。少々ひっかけっぽいが…
問3も月食に関する問いで、本年度では最も難易度が高い設問だ。は正解できるとして、ただしいものすべて選べということなので、一つ一つ吟味していくことになる。また、日食との違いについても勉強しておこう。

攻略のポイント

テスト時間は30分で60点満点。
合格者平均点は「39.3点」で近年では最も低い数値となった。
本年度は計算問題もなく、各大問の設問で、正解が複数あり答えにくい、あまり履修してこなかった内容が増えた、ということが平均点を下げた主な理由であろう。
2015年度以前の過去問を見ていくと「立教女学院の理科はこんなに難しかったんだ」という年度にもつきあたることと思うが、今後問題が突然難化することはないと思われる。基本的知識の定着を重点に置いて勉強を進めれば良い。ただし基本的知識を全分野で身につけていることが最低条件である。

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