自治医科大学 物理
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
力学及び電磁気を中心に、波動、熱力学を含めた全分野が出題されます。原子物理もしっかり出題されます。25題の小問がならびますが、最後の2問は大問でその中に小問が入っています。多年度の過去問演習を行ってどの単元の問題がよく出るのかをしっかり把握しておきましょう。
出題量と時間配分
理科2科目80分です。合計50題を1問あたり1分半で解いていくことになります。とにかく手早く解いていかねばなりません。少しでも詰まったら飛ばして次の問題を解いていきましょう。一通り解き終わったら、飛ばした問題をもう一度やるとよいでしょう。見直しをする時間はおそらくありませんので、一問ごとに確実に解いていくことを心がけましょう。
出題形式
25題の小問が並びます。大問2題以外、各問が独立した問いになっており、力学、熱力学、波動、電磁気、原子の各分野がばらばらに混在して出題されます。内容も定性問題、簡単な計算問題、かなり重い計算問題が混在しています。どのタイプの問題なのかをすばやく見極め、定性問題や、わかっていればすぐ解けるタイプの計算問題は手早く片付けていきましょう。
解答形式
すべて5択の選択問題です。計算問題では選択肢の次元はすべて同じなので、次元解析で選択肢を絞ることはできないでしょう。素直に最初から計算したほうがよいでしょう。数字や符号のみが異なる紛らわしい選択肢が並ぶことが多いので、マークミスに気をつけましょう。定性問題の選択肢も順列組み合わせですべての可能性が列挙されているだけなので、こちらも解いてから選択肢を見たほうが早いでしょう。
攻略のポイント
1、まずは基礎を固めることである
そのためには、まずは定義や公式を理解した上で、しっかりと覚えましょう。これがなかなか難しいでしょう。理解するというのは、「自分の言葉で説明する」、「図で表す」、「他の公式同士のつながりを考える」など、様々な方法で公式を考えるということです。公式を覚えて、問題をただただ解きまくるといった学習ではなかなか物理の点数を上げることは難しいでしょう。一見、面倒だと思う作業を地道にやっておくことが、物理攻略の重要な出発点となるでしょう。
2、次に問題演習
物理で登場する公式や概念はそれほど膨大ではありません。それらを、完全に理解したら、次は、問題演習に入ります。問題をこなすことで、基礎が理解できているかが確認できるからです。基礎の新たな面の発見につながることもあります。そういった意味で、問題演習も重要な作業となります。問題演習はただただ多くの問題を解くのではなく、1冊の問題に絞り、1つの問題を解いたら、他の方法で解いてみる、問題の現れる現象を深く調べてみるなど、多角的に検討しましょう。その作業が、新たな問題を解くためのカギになります。問題を見たときにどのようなプロセスで解いていくか、いわゆる、問題解決能力を身につけないと、いつまでたっても新たな問題が解けるようになりません。何度も強調しますが、ともかく1冊の問題集に絞りましょう。それを徹底的にやりこむことが物理の得点力を伸ばすのに非常に重要となるでしょう。
3、計算力がないと時間制限内に自分で正解にたどり着けない
立式だけを行い、解き方がわかったら細かな計算を最後までやらないといった受験生を多く見かけます。必ず最後まで答えを出しましょう。そうしないと、あっという間に計算力が落ち、試験になったとき、一向に点数がとれなくなるでしょう。どのように工夫すれば、より効率よく計算できるかを自分なりに研究することも大切です。しかし、自分ではなかなか効率よい計算にたどりつかないこともあるでしょう。そのときは、いつも習っている先生に、自分の解き方を客観的に見てもらい、アドバイスをもらうのが一番の方法です。
4、過去問演習
標準レベルの単元別の問題集を解き終えた後は過去問演習を行います。ペース配分や回答形式に慣れることが重要です。本学の問題では前述のように択一式の小問が出題されます。しかし、択一だからといって侮ってはいけません。定性問題にしても通常とは違った角度から問われるので、物理的な性質や公式の意味をしっかり理解していれば解けますが、公式を覚えて適用しているだけでは手も足も出ない問題が多いです。計算問題でも通常の問題ではたいてい設定されている質量mや距離L,磁束密度Bなどが問題文で設定されていないことがあります。これらは解答に際しては必ず消えますが、計算の課程では自分で設定する必要があります。
この学校は独特の出題形式と設問形式を備えているので、この学校自身の過去問を5~6年、できれば10年、解いていくのがよいでしょう。解いていく中で、この学校独自の出題の癖(ばねはたいてい両端に物体がついている、磁束の上にコイルを通す問題はほぼ毎年出る、など)を体に刻み付けていきましょう。2周目は早解きにチャレンジしてみましょう。30分で全問解くのを目標に手早く処理する練習を積んでいきましょう。
推奨テキスト
(1)『セミナー物理基礎+物理』(第一学習社)
定番の教科書傍用の問題集です。基礎事項の定着に向いているので、はじめにやるテキストとして最適です。まずは基本問題をしっかり解いていきましょう。基本問題をきっちり解けるようになったら、発展問題に進みましょう。指導者がついている人向きです。市販されていないので手に入らない人はインターネットで落札するか、『リードα』などの学校で配られる問題集でもよいでしょう。
(2)『物理のエッセンス(力学・波動)』
(3)『物理のエッセンス(熱・電磁気・原子)』(共に河合出版)
こちらも基礎事項の定着に用いる問題集です。問題を解く前の説明が詳しいので、読み物として読みながら問題を解いていきましょう。物理的なものの見方・思考法を身に着けるのにとてもよいでしょう。独学の人はセミナーよりもこっちが使いやすいかもしれません。
(4)『名門の森』(河合出版)
手ごたえのある難問がそろっています。じっくり考えながら解いていきましょう。センスを問われる問題が多く、解法を間違えると計算不能になる問題が多いです。最適解を短時間で見つける練習になるので、この学校の受験者はこれをメインテキストにするといいでしょう。最低でも2~3周は解いてみましょう。
難しいと感じる人はまず同じ出版社の『良門の風』(河合出版)からはじめるといいかもしれません。こちらは問題数が比較的少なく典型問題が網羅されています。
(5)『物理重要問題集−物理基礎・物理』(数研出版)
基本から難問まで幅広く扱われている定番問題集です。おそらく一番売れている問題集でしょう。典型的な問題はすべて入っていると考えてよいでしょう。この問題集の最大の特徴は、初見ならば絶対引っかかるトラップ問題がすべて網羅されていることです。一度引っかかっておけば本番で引っかかることがないので安心です。AB両方の問題を2周程度はこなしておきましょう。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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