医大・医学部受験プロ家庭教師 大阪医科薬科大学 数学の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

大阪医科薬科大学 数学
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)

最新の出題範囲として、大問5問の大まかな内訳は、数列、ベクトル、微分、積分、確率、の各分野となっています。医学部数学の範囲としては、よく見られる構成です。この点において、本校に、他校と大きく異なる特長はないといえるでしょう。また、本校は、かなり偏差値は高いですが、後述するように、試験問題自体は、難問が多いということはなく、標準レベルが中心、という印象です。過去問分析・演習を通して、まずは、標準レベル重視した学習をしっかり行うことです。

出題量と時間配分

時間配分は、100分です。大問は5問ありますので、大問1問当たり20分となります。大問当たりの時間としては、標準的といえるでしょう。後述するように、各大問の下には、複数の小問があるので、各小問に対して、さらに、時間配分することになります。もっとも、試験というものは、難易度やボリュームの異なる問題の特長を、素早く把握し、比較的解きやすいと判断した問題から解いていき、解くたびに、残りの問題に対して、残りの時間を再配分しながら、解き進めていくものです。また、出題する方も、その辺りのことを十分に考慮の上で、難易度の異なる問題を、複数出題しています。受験生としては、過去問演習を通して、比較的解きやすい問題を素早く見つける練習もすべきでしょう。

出題形式

最新の出題形式は、大問5問構成です。そして、第1問は小問2問構成、第2問は小問4問構成、第3問は小問3問構成、第4問は小問2問構成、第5問は小問5問構成です。すべての大問が、小問構成を採用しています。したがって、前の小問の結果を順に次の小問で利用する、といった数学の問題においてよく用いられる手法に注意しておく必要があります。

解答形式

まず、本校の試験の回答形式は記述式です。本校の問題においても、証明問題が目立ちます。また、ある関数のグラフを描かせる問題もあります。記述式ならではの回答形式に注意すべきです。もっとも、本校の問題は、記述式としては、通常の問題集等で、よく見られる回答形式であるといえるでしょう。

攻略のポイント

本校の入試では、やや考えさせる問題も出題されていますが、難易度としては標準的な問題が中心です。ただし、計算処理量は多めです。

基本の定着
まずは、数学の問題を解くための基本をしっかりと学習しましょう。これができていないと、問題を解くことはできないですし、ましてや、スピーディに処理することもできないでしょう。

数学の学習は教科書からです。教科書に書かれている基本項目が抜けているならば、まずは教科書に書かれている定義はきちんと覚え、公式・定理などは自分の手でしっかりと証明できるようにしておきましょう。証明を行うことで、公式、定理がしっかり理解できると同時に問題を解くための発想力、計算力が同時に養われます。公式、定理を覚え、問題をただただ解くという学習ではいつまでたっても基礎がグラグラなため、なかなか正答を出す力は身につきません。焦らずにじっくりとこの基礎を固めるという作業を行いましょう。

計算力・処理能力の強化
計算力・処理能力の強化は、私大医学部全般に共通していることではありますが、本校では、計算力・処理能力が特に重要です。計算力の強化は日常的に取り組んでおきましょう。そのためには、常に「どうやったらより効率よく計算できるか」や「計算ミスをしないか」に意識を向けることです。受験数学では、計算を工夫すれば段違いに早く処理できるといったこと非常に多いです。まずは、自分でいろいろと研究することですが、なかなか一人では気づかないことも多いでしょう。自分で計算した結果を、普段教わっている指導者に見てもらうのが非常に有効です。より、工夫を行った計算方法を教えてくれるでしょう。これはすぐには身につかないでしょう。少し長い目で見て、地道に計算力を養っていきましょう。

問題演習
前述の通り、標準レベルの問題を確実に解けるようにするのが最優先です。1冊でよいので、しっかりと取り組むことです。しかし、しっかりと取り組むのはなかなか労力がいります。一つの問題に対して、答えを出すだけではなく、いろいろな解き方で解き直すなどの研究を行いましょう。労力がかかるほど、それに比例して数学は伸び、簡単にすまそうとすると、それに比例して時間だけが過ぎていくということを覚えておきましょう。

推奨テキスト

 

(1)『チェック&リピート 数Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ』(Z会)
学んだ内容の定着度を確認するのによいです。また、苦手分野の確認・復習にもよいでしょう。この問題集を、あまり時間をかけずに解けるように練習しておくとよいでしょう。

(2)『理系数学の良問プラチカ 数Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ』(河合出版)
標準レベルの良問が多いので、この問題集を前述したとおりの正しい学習法で取り組めば、飛躍的に数学の力は伸びていくでしょう。解答が詳しいので、すぐに参照したくなりますが、あまり見ずに自分の力で解くことがポイントで、解答は解き終えてからの研究に使うのです。

(3)『合格る計算 数学Ⅲ』(文英堂)
「合格る」と書いて「うかる」と読みます。このテキストは、数学Ⅲの計算力強化にとても役に立ちます。解き方のコツが丁寧に説明されており、計算の上手・下手にまで触れている希少なテキストです。計算力強化を目的としたテキストなので、なるべく早い時期から取り組むことが大切です。

(4)『チョイス新標準問題集 数Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ』(河合出版)
これも標準レベルの良問が多いので、実力を向上させるのに最適です。(2) とともに仕上げれば、本学を攻略するための実力が十分に身につくでしょう。

(5)『大学への数学 一対一対応の演習 数Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ』(東京出版)
量が多いので、補充用問題集として取り組むのによいです。なお、各分野を学び始めたばかりの段階では、この本に取り組むのは厳しいので注意が必要です。

 

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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