日本大学 物理
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
2021年も全問マークシート方式となっています。ここ数年間、マークシート方式で定着しています。2019年、2017年は大問4題で「力学」、「熱力学」、「波動」、「電磁気」と定番の範囲が出題されています。その他は大問5題で「原子」も出題されています。ほとんどの年では大問5題なので「原子」の分野もでています。熱力学では気体の状態変化、波動では「音波」、力学では「物体の運動」に関する出題が目立ちます。
出題量と時間配分
理科2科目で120分です。物理は60分です。2021年では5題の大問に各5問の小問があり、合計25問でした。多くは基本から標準レベルを出題していますが、計算に時間がかかる問題もあるため、計算のスピードが要求されます。このレベルの問題演習は普段から多くの問題に計算できるように演習すべきでしょう。過去に大問4から5題で小問が20前後であったときにくらべて計算力を要求される傾向にあります。
出題形式
計算させて数値を求めるのと違い、文字式で表された選択肢やグラフを選ぶため、要領がつかめば時間内で十分解くことができるでしょう。大問ごとに見やすい図がついているので問題が解きやすいでしょう。2021年度では各大問の設問は5問、選択肢は6つであり、多くありません。共通試験の物理のようなイメージでしょう。
解答形式
全問マークシート方式であり、文字式による計算と数値計算で選択肢を選ぶ形です。穴埋め形式や記述がありませんので、共通試験と同様に順番に問題に答える必要があります。つまり、問題の流れにのらないと次の問題で回答できなくなるため、問題をしっかり読んで順番に確実に答える演習が求められています。
攻略のポイント
1、「教科書 物理基礎、物理(数研出版)」などをマスターする
教科書にある公式を確認しながらしっかりマスターしましょう。学校によっては教科書を使用しないでプリントで授業をすることがあります。本校の問題には教科書を利用して学習した方がよいでしょう。入試の出題の基本枠・原点の確認、実験などが書いているので図を見たらイメージがつきやすいでしょう。
試験時間が60分であることを考えると、教科書の章末問題や例題を見たら解法が浮かび、時間をかけずに解けるようにしましょう。教科書の内容の演習するための問題集として『セミナー物理基礎・物理』、『リードα物理基礎・物理』などの基本例題とその類題を短時間で解くように練習しましょう。
2、入試物理のレベルの問題集を一冊マスターする
『セミナー物理基礎・物理』、『物理重要問題集』の基礎から発展問題を練習しましょう。最低でも一冊を3回以上学習します。それだけで標準レベルくらいまでは対応する力がつけられるでしょう。同時に、よくでてくる公式も何度も反復して自力でどうしてそのような公式がでたのかを導きだせるようにしましょう。例えば、単振動、万有引力とケプラーの法則、力積と運動量保存則・エネルギー保存則、ドップラー効果、光波の干渉、気体状態方程式、熱運動とボルツマン定数などの近似計算があるものは繰り返しましょう。また数学Ⅲの公式の活用もすすめます。円運動などは微積を利用したりする方がわかりやすいでしょう。また物理でよくでてくる近似計算も数学Ⅲの知識を利用すれば理解が早まるでしょう。
3、過去問演習は大学の傾向と対策で重要
標準レベルの問題集で繰り返し演習して計算力を鍛えましょう。教科書や基本レベルの問題集から標準レベルの問題集を一通り学習すれば、図を見ただけで問題集にあった問題が多いことに気が付くでしょう。教科書にある公式の導出も含めてマスターしていれば、各小問の計算量も流れの中で予想できます。その「計算量の予測」は穴埋め形式の行間に面倒な計算が潜んでいる場合に的確な判断につながります。普段から問題にはどれくらいで時間内に終わるかを意識しましょう。また、過去問だけこなしても同じ問題はでないでしょう。過去に似た問題はでる可能性はありますが、初見の問題が多いでしょう。そのために常に、全体を漫勉なく学習することを心がけましょう。
推奨テキスト
(1)『教科書』(各出版社)
物理基礎・物理(数研出版)がおすすめです。教科書が入試の出典の原点です。入試の基準としての教科書は、手の届くところにキープしましょう。各種公式・法則の導出過程やさまざまなカラーの図式・写真などだけでも相当の価値があるでしょう。
(2)副教材『セミナー物理基礎・物理』(第一学習社)
(3)『リードα物理基礎・物理』(数研出版)
(4)『物理重要問題集2022-物理基礎・物理』(数研出版)
『セミナー物理基礎・物理』は、定番の教科書傍用の問題集です。教科書の例題とともにこの基本問題、発展問題を理解することが重要です。総合問題もあるので入試問題を演習するにはまずここから始めるようにすればよいでしょう。購入は自分でもできますが、解答解説の別冊が販売されていません。学校でしか販売されていないのですが、大きな書店の一部、インターネットなどで使わなくなった人から購入できるでしょう。『重要問題集』は市販問題集なので誰でも購入が可能です。
(5)『物理のエッセンス(力学・波動および熱・電磁気・原子)』(河合出版)
(6)『良問の風』(河合出版)
(7)『漆原の物理(物理基礎・物理)明快解法講座』(旺文社)
教科書と上記の二つの問題集を理解するために必要な物理的なものの見方、思考回路を磨くための参考書兼問題集が物理のエッセンスで受験生の間でわかりやすい解法と言われています。しかし、これらは基本が理解している人にはわかりますが、省略している解説もあるため自分の力でできない場合もあります。そのため指導者がいて質問が聞ける方が良いかもしれません。『漆原の物理』は教科書の内容をかみくだき、解法をわかりやすくパターン化してくれるタイプです。
(8)『医学部の物理[物理基礎・物理]』 (旺文社) 駿台予備学校人気講師著
医学部の物理合格に向け、物理特有の考え方やポイントをつかむことができる問題集です。 本大学レベルでは、基本的な知識の習得と解くスピード力をつける問題と、じっくり考えて解く問題がわけてあります。別冊解答解説は、考え方や論理的でわかりやすい解説がまとめてあり、難問に挑戦する本学での最終はこの問題集で十分でしょう。医学部受験の物理をまとめこなしたいと思う人がいるかと思うのでこれをこなし終えると、医学部受験の物理をやりこなしたという実感がわくかもしれません。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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