医大・医学部受験プロ家庭教師 金沢医科大学 化学の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

金沢医科大学 化学
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)

2021年度は総合問題として理論分野小問3問、有機分野4問、無機分野1問でした。総合的な問題として考えてよいでしょう。2019年度では有効数字、探求活動、実験に関する問題がありました。計算問題は毎年出題されています。特に理論分野、有機分野にもだされています。

出題量と時間配分

理科2科目で90分です。1科目あたり45分と短いです。問題量は多いので時間的な余裕はほとんどありません。以前と比べると試験時間が短くなったことも考えると、計算ミスのないように正確に解いていかなくてはなりません。また出題形式も独特なので、時間的にきつく感じられることもあるでしょう。

出題形式

小問集合形式で10問ほど出題されます。ほとんどが基本的、標準的な問題が多く、難しい問題はありません。しかし、2021年度では正しいものを全て選ぶなど、きちんと知っていないとマークできないような形式があるので適当な解答はできません。

解答形式

全問マーク式です。マーク式なので部分点がないため計算ミスのないように心がけましょう。2021年度では解答番号は1~35です。複数選択の指示がある場合は同一の解答欄に複数マークするように指示がされています。また、数値解答は指定されている桁数に従い解答するように指示されています。

攻略のポイント

2021年度をみてみると、短時間で総合的な問題を解かせています。難しい問題は他大学と比べて出題されていないので、まずは教科書を完全にマスターしましょう。実験的な内容の問題(メスシリンダーの見方)も過去に出題されていますので、問題集だけの演習だけでなく、資料集を利用した方がいいでしょう。そのため、全体的に細かく内容を分析して学習をすすめていく計画をたてましょう。

まずは、典型問題を取りこぼさないことが求められています。レベルはほとんどが共通試験レベルですが、ミスなく高得点するためには、問題に慣れていく練習が必要とされます。正誤の組み合わせを求める問題や計算問題で実際に計算して有効数字に気を付けながら計算結果を記入する問題があります。過去の計算では最も近い数値を選ばせる問題が出題されていましたが、2021年度では数値を記入する問題が出願されました。

理論分野では全範囲にわたっていくつか出題されています。従って、よく出題されている問題は分析できないので基本的な問題を多くこなすことが大切です。難しい総合的な問題が出題されていないことからも教科書傍用問題集を徹底的に学習しましょう。

無機分野では金属元素の性質や反応が出題されています。各物質の理解と考察力が必要です。2021年度では酸化剤の強弱の問題が出題されていますので、物質前後の関連性を資料集を通して確認しましょう。

有機化学分野では構造決定、元素分析などが出題されています。また、天然高分子化合物である糖類やアミノ酸も出題されています。特に、反応系統図は資料集を通して、前後の流れを確認しておくことが大切です。

多くの受験生が手を出している『化学の新演習』(三省堂)や『化学の新研究』(三省堂)をやらなければ解けない問題は本学の場合ほとんど必要ありません。他大学と併願する場合には一緒にこなしていくことになりますが、本学を専願で受験するときは、標準的な問題演習を徹底的にやりこなすようにしましょう。

本学対策として『セミナー化学基礎+化学』(第一学習社)や『リードα化学基礎+化学』(数研出版)といった教科書傍用問題集を徹底的に学習しましょう。何回も解くことが必要で化学用語の正確な意味や理解や細かい知識と理解が必要です。また、化学の資料集にも目を通しましょう。大学の入学後の実験などの基本操作が理解しているのかを調べています。ここまでの学習ができれば化学に関してはだいたい心配はありません。時間的にゆとりのある受験生は『化学重要問題集』(数研出版)で知識の総復習をしておけばよいでしょう。

推奨テキスト

(1)『セミナー化学基礎+化学』(第一学習社)
基本から標準まで幅広く扱われています。本学を目指すなら、基本から発展問題までを完璧にします。総合問題に同じ問題があります。プロセスや基本問題、例題を徹底的にやり、発展問題や総合問題をやればよいでしょう。セミナーにはセルフチェックページがあります。このセルフチェックを利用して自分ができない部分を学習するのにはいいでしょう。推薦などの対策として英文読解、論述問題もついています。とにかくおすすめの本です。

(2)『リードα化学基礎+化学』(数研出版)
基礎から入試までの範囲で構成されています。思考力・判断力・表現力を養う問題が掲載されています。大学入学共通テストや将来の入試を意識した演習が行えます。リードAとリードBで基礎学習の整理、基礎的な問題の演習ができます。少し慣れたら、リードCやリードDを学習して応用力を養うようにできています。これは計算問題が充実していますので、本学の計算対策としては活用できます。

(3)『化学の新研究』(三省堂)、
(4)『化学の新演習』(三省堂)
金沢医科大学合格を目指す化学受験者にとって役に立ちます。そして、それを上回る参考書はありません。この本を、最初から最後まで読み通す人もいますが、わからなかったり、発展的な内容を確認したりするときに利用しましょう。『化学の新演習』の問題集は化学を苦手としている人にとっては難しいでしょう。その場合は無理にその問題集を使わなくてもよいでしょう。『セミナー化学』『リードα』問題演習でひととおりの問題を終了した場合に、このレベルの『化学の新演習』の問題集にチャレンジする程度でよいでしょう。

(5)『化学重要問題集』(数研出版)
これは一通りの学習を終了して、問題演習を通じてさらに力をつけたい人が取り組む問題集です。初心者がこの問題集をはじめに解くと時間がたくさんかかるため効率はよくないでしょう。これが理解できていない人は、教科書や参考書の内容が身についていないので基本に戻るようにしましょう。

(6)『スタディサプリ』(リクルート) ※動画視聴 
動画は化学の学習内容の流れなど紙面ではわからない部分を理解できます。特に、図や音声を用いて化学のそれぞれタイトルごとに整理ができ、紙面からではわかりにくい部分が理解できるのはよいでしょう。予備校で講義を聞くだけならこの方が値段的に安くて効率的です。

 

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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