医大・医学部受験プロ家庭教師 埼玉医科大学 生物の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

埼玉医科大学 生物
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)

全分野からバランスよく出題されます。特に大きく取り扱われる分野としては、動物の反応、遺伝子、代謝と医学に関わる分野です。設問は教科書に載っているような基本的な問題が多く、高校生が見たことのない事象はあまり出題されません。化学のようなモル計算も出題されます。

出題量と時間配分

理科2科目90分で大問5つです(ただし2020年度は100分で大問6つ)。出題量に対しての時間は少ないです。時間のかかる問題とすぐ終わる問題の落差が激しいので、実験考察問題など時間がかかる問題は飛ばし、小問集合を優先的に解く戦略が必要かもしれません。

出題形式

大問5題です(ただし過去の出題を見ていると安定しているとは言い難い)。一つのテーマに沿った大問と、小問集合の大問が混在します。空欄補充、計算問題、実験考察問題と幅広い出題がなされます。特に実験考察問題では図表の読み取り問題も出題されます。実験考察問題以外では、リード文は無視しても構わない問題も多く、上手い流し読みは時間短縮の要になるでしょう。

解答形式

全問マーク式です。数値計算は穴埋め式も選択式も出題されています。用語や記述の選択問題では、1つ選ぶ問題だけではなく、複数選ぶ問題も出題されており(4つ選ばせる問題も出題されたことがある)、限られた時間の中でも設問をしっかりと読まなければなりません。

攻略のポイント

典型問題が多く、特殊な学習は必要としません。教科書や基礎固めの問題集を徹底的にこなして漏れをなくしていく事が最優先だと考えられます。本学において出題されない分野はないと考え、苦手分野を作らないように学習していきましょう。

典型的な知識は、教科書と教科書傍用問題集で整理していきますが、まずは基本用語と全体の流れを把握し、一通りの概要がつかめてから細かいタンパク質名などを押さえていくとよいでしょう。

教科書傍用問題集では、間違えた問題に印をつけておき、時間を置いて再度解き直すようにしましょう。具体的には、解いた一週間後(自分で回しやすい期間でよい)などと決めてしまった方がリズムを作りやすいでしょう。今週は「第4章を新規に進め、先週分の間違えた問題を再度解き直す」といった感じです。

教科書傍用問題集が最低2周分終わったら、別の教科書傍用問題集に取り組み、典型問題の漏れをなくしていくとよいでしょう。難しい問題に臨むよりも、このレベルの問題を大量に解くことが合格につながります。また、有名どころの実験や図は押さえておきたいので、資料集で見たことのない実験や図表があれば読みこんでおくとさらに高得点が狙えるでしょう。選ぶ資料集もあまり詳しすぎるものではなく、取り組みやすいものでよいでしょう。

単元別の学習のみではどうしても忘れが出てしまうので、基礎固めが終わったら全範囲を出すもの、つまり、他大学の過去問を用いて総合演習に取り組みましょう。

過去問演習は、時間的な厳しさがある大学なので不可欠です。解く順番や各大問間の時間配分について、自身の解くスピードと相談の上で戦略を練っていきましょう。お勧めは“出題量と時間配分”のところで触れたように、時間当たりの得点と選択数を考慮して、実験考察問題を飛ばして、時間のかからない小問集合を先に片付けることです。

推奨テキスト

(1)『リードLightノート生物基礎』(数研出版)
(2)『リードLightノート生物』(数研出版)
対象:教科書を読み終わった初学者、基礎の漏れをチェックしたい方
教科書に載っている知識や、典型問題が中心の問題集です。分からない場合にはすぐに答えを見てもよいので、間違えた問題はチェックしておいて、写経のごとく無心で何度も何度も繰り返し取り組んでほしい一冊です。

(3)『生物(生物基礎・生物)入門問題精講』(旺文社)
対象:リードLight+αレベル
問題数は少ないですが、解説が丁寧であり、レベルも『リードLight』+α程度です。少しばかり難しい問題も入っていますが、基礎の強化に役立ちます。『リードLight』の解説で分かりにくい場合に、こちらの解説を当たってみるのも良いでしょう。

(4)『生物(生物基礎・生物)基礎問題精講』(旺文社)
対象:少し難しめの問題にも触れておきたい方向け
問題数は少ないですが、解説が丁寧であり、問題が解けていても解説は流し読みすることをお勧めします。教科書範囲外となるような実験考察問題は飛ばして構いません。記述問題についてはしっかり書き起こす必要はなく、解答と方向性が一致していればよいのであまり悩まずサクサク進めましょう。

(5)『大森徹の生物 計算・グラフ問題の解法』(旺文社)
対象:計算や図表の読み取りを強化したい方
扱っている図表は資料集に比べれば少ないですが、典型的な図表は押さえられていて、本学ではこのレベルで十分です。計算や図表の出題率を考えると、用語などを固めてからでもよいでしょう。

(6)『生物の良問問題集[生物基礎・生物]』(旺文社)
対象:必修レベルの演習を行いたい方、考察問題の練習を行いたい方
確認、必須、レベルアップの3段階で頻出の問題が幅広く掲載されており、単元だけでなく問題形式など様々な切り口で問題を検索できる良書です。必修事項の網羅的な復習に役立つほか、考察問題を索引から探して重点的に練習することもできます。なお、本学の入試問題の難易度を考えると、必須問題まで仕上げておけば十分でしょう。

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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