早稲田大学本庄高等学院 入試対策
2022年度「早稲田大学本庄高等学院の英語」
攻略のための学習方法
難関校の受験生に限らず、よく耳にすることは「英文が読めない」、「下線部訳において使用されている英単語は見慣れたものであるが文章全体の日本語訳ができない」、「時間が足りなくて最後まで問題を解くことができなかった」などである。このような思いをした経験のある受験生は少なくないのではないだろうか。いま、この文章を読んでいるあなたも、その一人かも知れない。
そのような「もやもや」した気持ちを解消するために、何をどのように行えばよいのかを一緒に考えてみたい。ぜひ、今後の自身の受験英語学習において参考にしてもらいたい。
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①「英文が読めない」を克服しよう
「英文が読めない」ということを考えた場合、なぜ読めないかを考えてみるといくつかの点が見えてくる。主たる原因としては、
ⅰ)単語・イディオムが分からない、ということである。
難関校の英語問題においては、求められる単語・イディオム力は、高校1年レベル以上のレベルである。英検準2級レベルは大前提で、できれば3000~3500単語は欲しいところである。
ⅱ)英文の構造がよく分からない、ということである。
英文が長くなると「何が書いているのか分からない」、「使われている英単語の意味は全てわかるが英文全体としての日本語訳がうまくまとまらない」という悩みに直面した経験はないであろうか。逆に、なぜ英文が長くなるのかを考えてみよう。英文が長くなる最大の要因は関係詞であろう。これに関しては、次項に譲るとして、「使用されている英単語の意味は分かるのに英文全体の日本語訳がうまく出ない」、ということを考えてみると「日本語訳がうまく出ない」ということは、「使用されている英単語の意味」が本当は正確に理解できていないのである。正確に理解できていれば、正しく日本語訳が出ないことはないのである。単純な見慣れた英単語ほど、その単語が持つ意味の幅は拡張される。その拡張された意味の中から迅速にかつ的確な意味を抽出するノウハウを身に付けることである。そのために必要なことは、英語を外国語としてではなく「英語」として理解するスキルを高めることに尽きる。具体的には「英英辞典」の使用をお勧めする。
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②長文を読み解くための最低限の文法知識とは
前項でも述べたように、なぜ英文は長くなるのか。以下に文法的観点から、なぜ英文が長くなるかを考えてみよう
ⅰ)関係代名詞・関係副詞の正確な理解が大事
関係詞代名詞・関係副詞が使用されると、英文は長くできる。そして、長くなると英単語どうしのつながりや文の関連性が曖昧になってしまう。そのような課題を克服するために、関係詞に関する文法事項をしっかり習得することである。関係代名詞の制限用法や非制限用法の仕組みとそのような文法的手法を用いて、書き手は読み手に何を一番に伝えたいのかを考える「習慣」を身に付けることが重要である。
ⅱ)カンマやコロン(:)・セミコロン(;)に慣れること。
,や:、;も英文が長くなる一つの要因である。それらのマークは、その直前まで抽象的・結論的記述が行われ、そのマークの後に前述内容をより具体的にかつ例示的に示すことによって、英文内容の理解をより深める、という目的のために使用されるのである。そのような事情を理解できていれば、「…である。つまり、~であるのだ」という具合に英文をつなぐことが可能となり、比較的長い英文も帰り読みすることなく、左から右に流れるように英文を読み込むことが可能となる。
最後に、最も重要な事項は「毎日必ず英文を目にする」ということである。日々、継続して行うことこそすべての学習に共通する学習法である。「継続は力なり」とはまさに受験生が肝に銘じることである。
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2022年度「早稲田大学本庄高等学院の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は適語選択問題<8分>。基本的構文知識、語句の用法、基本イディオムの知識が必要である。完答を目指して欲しい。
大問2はエッセーの長文総合問題<22分>。本文の内容を確実に把握したうえで、文法知識、イディオム、構文、発音、整序、和文英訳に関する標準演習問題をしっかり行っておくこと。
大問3は対話文の長文総合問題<20分>。基本的な会話表現を確実に習得し、会話の流れを明確に把握すること。最後の自由英作問題も標準レベルであるので確実に正解したい。
【大問1】適語選択問題
- 時間配分:8分
基本的なイディオムの知識と文法知識、語法に関する知識があれば完答できる。
[1]give upは「諦める」の意味であり、up(前置詞)の後のには名詞(~ing)が入る。
[2]catch+目的語+~ingで「(目的語が)~しているのを見つける」の受動態の形である。
[3]条件を表す副詞節の中では、たとえ未来(将来)のことを表していても時制は現在形または現在完了形で表す。
[4]「その場所(=ロンドン)は、私が予期したほど寒くはなかった」という文意にしたい。場所を表す関係副詞whereを用いるが、その場合は完全文が続く。
[5]英文の意味は「老人は話しかけられない限り、めったに話をしない」としたいので、「老人が話しかけられる」という受動態の形にする。したがって、spokenが適切である。
[6]newsは不可算名詞(数えられない名詞)であり、「その歌手のスキャンダルについてあまりにもたくさんのニュースを聞いたので…」としたいので、muchを選択する。
[7]「10年以上日本に住んでいる外国人が全員日本語を読んだり書いたりできるわけではない」という部分否定にしたいので、not allが適切である。
[8]make progress「進歩する」というイディオムを考える。
[9]ほぼすべての点で異なっている2つの植物において、唯一「共通の」特徴は乾いた土を必要とすることである、としたいのでin commonを選択する。
[10]「~を表す、~象徴する」というイディオムはstand forである。
【大問2】エッセーに関する長文読解総合問題
- 時間配分:22分
- 問1.適語選択問題<4分>。
- 「~とき」を表す単語を選択する。asは、接続詞として①とき(~のとき)、②理由(~なので)、③譲歩(~だけれども)、④様態(~のように)、⑤比例(~するにつれ)をしっかり覚えておくこと。
- 「誰も連絡ができない」としたいので、nobodyが最適である。
- those things could demand anything of me.とある。those thingsはmy computer と my phoneのことであるので、英文の意味としては「この2つのどちらも~しない」としたいのでneither ofが適切である。
- 本文は「5分ほどWi-Fiの電源を切っていなかったのである。電源を切るという表現はturn offである。
- 問2.英問英答問題<3分>。英文の質問内容を確実に理解すること。
[1]質問内容は「筆者はインターネットと接続しないでその日を過ごした後、どう感じたか」である。
[2]質問内容は「筆者に関してわかることは何か」である。
[3]質問内容は「この文章が主に伝えたいことは何か」である。
- 問3.総合問題<15分>。
[1]指示語問題である。this momentとは、本問段落の冒頭にThe moment I reached down and disconnected the Internet from my computerとあるので、この文を参考に考える。
[2]指示語問題である。They が指し示す複数名詞を前の文章から探してくる。
[3]the secondhand informationとは「間接的な情報」という意味である。選択肢の中では(b)が適切である。
[4]下線部訳は「(最新の電子機器や最新の車についての情報は)日々購読している新聞の次回号で探すつもりでいる」という内容である。この内容に合致する選択肢はない。
[5]下線部訳は「私はまだ慣れてはいない」という意味になるので、not become familiar with~「~に慣れていない」を使用している選択肢が適切である。
[6]整序問題である。整序問題の取り組みは“与えられた語群の中で部分的に組み立てててみる”ことが基本である。例えば、本問でもcatching up with がつながり、そのあとには目的語としてのa friendが続く。残りの語も同様につなげることが可能である。
[7]missとは「(大切なものを失って)寂しくてたまらない、残念である」という意味である。したがって、「筆者がとても大切にしているものを失った」という趣旨の内容の後が適切である。筆者にとって大切なものは、In fact, I’ve been keeping my Internet-reliant applications in a folder on my tablet, so I deleted all of those.を参考にする。
[8]単語の発音問題である。発音に関しては日頃の学習において、気になる単語については都度調べるような習慣をつけよう。また、使用している単語集にも留意するべき発音が列挙されているはずであるのでそのような資料を十分活用すること。
[9]和文英訳問題である。与えられた日本文を「自宅においてあるパソコンを取るために、私はタクシーを使った」と考えると英訳し易いであろう。
[10]空欄Xは、タクシーの運転手の質問に対する答えである。文脈を捉えて適切な文を考える。
【大問3】対話文の長文読解総合問題
- 時間配分:20分
- 問1.適語選択問題<3分>。
(1)「(大学を)卒業する」という意味のイディオムであるgraduate fromを考える。
(2)次の文にあるbutとの関係でyetが適切である。
(3)文脈から「新しい環境に慣れることは非常に難しい」としたいので、difficultとなる。
(4)本問の場面は、貴重な「時間」を割いてくれたことに対する感謝の気持ちを表しているのでtimeが適切である。
- 問2.英問英答問題<4分>。
[1]英文の質問内容は「なぜスミスさんは生徒たちに同時に英語と料理を教えたのか」である。
[2]英文の質問内容は「レストラン『Flying Sushi』に関して正しくないものはどれか」である。
[3]英文の質問内容は「CVとは何か」である。
[4]英文の質問内容は「この仕事に就くために、スミスさんはあと何回面接を通過しなければならないか」である。
- 問3.総合問題<6分>。
[1]適文選択問題である。(A)は前の文でスミスさんが「8年前に大学を卒業して英語額と心理学の学位を持っている」に対する内容であるのでboth?(3)が最適である。結果、選択肢は(c)か(d)となる。(D)は帰国した理由を聞いている場面であるのでwhat brought you back?「何があなたを戻らせた(=帰国する)のか」という意味の(4)が適切である。
[2]指示語問題である。本文よりan unusual combinationに該当する事項を考える。teaching English and cooking skillsである。
[3]適語選択問題である。一つ目は「~ための」を表す前置詞。二つ目は「~に応募する」というイディオム。三つ目は「そういうわけで」というイディオム。したがって、共通するのはforである。
[4]指示語問題である。直前に書かれている内容である。
[5]内容一致問題である。本文より「スミスさんは日本語より英語の方がうまく話すことができる」となるので(b)が適切である。
問4.条件英作文問題<3分>。
文脈から「何語を話すのか」という質問の文にしたい。
問5.和文英訳問題<4分>。
「~について教えてください」はplease tell me ~となる。「あなたがこの仕事にふさわしい」はthe suitable person for this jobとなる。
攻略のポイント
全体的に見れば、レベル的には標準的な問題である。使用されている英単語・イディオムの難易度も英検準2級レベルを若干超える程度である。
押さえておきたい事項も文法的には、不定詞・分詞(過去分詞・現在分詞)の形容詞的用法・関係代名詞・関係副詞・仮定法・比較・時制・話法などであり、高校入試における頻出事項である。これらに関する演習をしっかり行うことで、合格点は確実に獲得できる。レベル的には手も出ないような難問ではないので、自信をもって挑戦して欲しい。英語の感覚に慣れておくように。そのためにも、毎日、500~600単語の難関校における長文演習を継続的に行うことが重要である。