岩手医科大学 英語
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
2016年にすべて選択式の問題となり、2018年から大問7題の出題が続いています。中文読解(空欄補充)・発音アクセント・知識系の短文空所補充・対話文完成・不要文選択・語句整序・長文読解の形式での出題となっています。取り組みやすい問題で、旧センター試験のレベル程度の問題であり、不要文選択が出題されているなど、形式にも重なっているものが多いです。
出題量と時間配分
試験時間は、2021年より数学と合わせて120分となりました(2020年までは独立して60分)。英数間の時間配分は、各科目の得手不得手によりますが、それでも60分に±5分程度の幅で納めておかないと厳しいでしょう。英語に60分割り振る場合の時間配分としては、大問1中文読解問題10分、大問2発音アクセント2分、大問3短文空所補充3分、大問4会話文6分、大問5不要文選択10分、大問6語句整序3分、大問7長文読解25分というのがおよその目安となります。
出題形式
すべて選択式の出題となって以降、英文量が格段に増え、以前よりも速読能力が問われる出題となっています。前述のとおり、旧センター試験にレベル感だけでなく形式も似ているものがあるため、不要文選択や発音アクセント、語句整序など設問によってはその過去問を使うことで対策しやすいでしょう。
解答形式
全て選択式の出題となりました。前述したとおり、設問処理の負担が減った分、英文量は増えており時間管理が厳しくなったといえます。時間効率を高める手順を確立しておきましょう。たとえば、本学では、長文に単語に注釈がついていても、本文の当該単語にはアスタリスクなどのマークがついていないため、必ず本文を読む前にそちらに目を通しておくことで読みの負担が減ります。不要文選択もパラグラフのつくりを知っていることで素早く解き終えられます。
攻略のポイント
読解問題
読解問題の出題が増えたことにより、読解力向上に向けた取り組みに時間をかけましょう。かけられる時間がおよそ60分であることを併せて考えれば、速読能力の向上も必須です。意味のかたまりごとに前から意味をとっていく事ができなければ時間内に設問処理まで含めて解答を終わらせることは出来ないでしょう。句・節ごとに意味をとらえ、ニュアンスの分かるものは日本語に訳さず読み進める力を身につけましょう。
一定レベル以上の英文解釈能力を身につけたら、句・節ごとにスラッシュを入れながら前から訳読み下すトレーニングをしましょう(スラッシュ・リーディング)。最初のうちはやや多めにスラッシュを入れることになるでしょうが、慣れてくればそれほど入れずに前から読み下していくことができるようになります。併せて行いたいのが音読です。一度解き、しっかり復習した英文を用いて、必ず英文音読の時間を設けるようにしましょう。音読することで、強制的に前から読み下す習慣を身に付けることが出来ますし、日本語を介在させなくとも内容が頭に入ってくるようになる英文が増えてくることになります。その際には必ず意味のかたまりごとに内容を把握する意識を持つようにしましょう。漫然と読んでいては効果が半減してしまいます。音源付きの長文問題集であれば、それを利用することでさらに効果を高めることが出来ます。
文法・語句整序・発音
問われる事項は標準的なものであるため、後述のようなインプット系の問題集を一冊完成させれば完答を目指せます。最もかなり短い時間で解き切ることが要求されることになるため、高い精度で完成させましょう。語句整序も出題されるため、こちらもしっかり対策が必要です。場当たり的な解き方ではなく、他動詞の性質や節の個数を意識した英文の骨組みから組み上げる手順をしっかり確立しておきましょう。
単語・イディオム・会話表現
単語レベルは標準的で、英文の素材に医療系のものが出題されることもありますが、医歯薬系の単語を覚えなくてはならないほどの出題はありません。オーソドックな受験用単語帳を1冊完成させれば十分です。会話表現については、口語表現の基本知識があると素早く解ける問題があるため、標準的なものは覚えておきましょう。苦手意識があるのであれば後述の問題集をやっておくと良いでしょう。
推奨テキスト
英文解釈
(1)『入門英文解釈の技術70』(桐原書店)
英文構造の把握を身につけるための良書です。この1冊を7~8割程度消化したら、あとは速読のトレーニングをすることに注力しましょう。
(2)『ポレポレ英文読解プロセス50』(代々木ライブラリー)
講義仕立てで読みやすく、量も絞ってある分、時間をかけずに終えることが出来ます。(1)をこなす時間がない人はこちらでも良いでしょう。
長文読解
(1)『パラグラフリーディングのストラテジー1・2』(河合出版)
ある程度の英文解釈力が身についたら取りくむべきシリーズで、速読するためのエッセンスが詰まっています。パラグラフリーディングの基本を1で身につけ、2でトレーニングする形です。3もありますが難関国公立向けであるため、こちらについては国公立と併願する生徒向けです。
(2)『全レベル問題集:英語長文4』(旺文社)
(3)『イチから鍛える英語長文300・500』(Gakken)
(4)『英語長文PREMIUM問題集:Standard/Advanced』(東進ブックス)
いずれも音源付きであり、出版も新しいため最新のトピックを知る上でも役に立ちます。ある程度の長さと難易度に慣れるために夏には取り組み始めたい一冊です。
(5)『私立医大の英語(長文読解編)』(教学社)
医療系のテーマに絞った長文問題集です。最新医療の時事問題、医学・生物学など医学部で出題されること多いテーマをバランスよく扱っています。また、イラストを用いて背景知識を説明してくれているページは読み物としても面白いです。長文のレベルにややムラがありますが、医学部受験生はぜひ取り組んで欲しい一冊です。
(6)『過去問』
当然ながら、最高の実践的トレーニングとして最も重要なものです。近年の1年分については、レベル・形式を把握するために早い時期に解いておきましょう。
文法・語法
(1)『頻出英文法・語法問題1000』(桐原書店)
文法・語法系のインプット教材としてはややボリュームがありますが、比較的説明が厚めなので自分で進めやすいです。もっとも、学校などでNEXTSTAGEやVINTAGEなどを利用していれば、これらのテキストもよくまとまっているため、学校の進行に合わせてそれらを使った方が効率はよいでしょう。
(2)『英文法ファイナル問題集[標準編]』(桐原書店)
全10回のテスト形式です。範囲指定のない形で問題が作られているため、知識の定着度を図るのに良いでしょう。語句整序も各回に出題されているため、苦手な設問形式をピックアップして取り組むという使い方も可能です。
単語・イディオム
(1)『速読英単語[必修編]』(Z会出版)
学校使用の単語帳を用いるのが効率的ではありますが、使いづらかったり相性が悪かったりするのであれば、CD音源付きで速読の練習も兼ねられるこちらを利用すると良いでしょう。上級まで回せれば単語力に不足はないでしょう。
(2)『解体英熟語』(Z会)
ボリュームはありますが、テキストの後ろにある前置詞・副詞の整理ノートがよくまとまっており、効率的に覚えられるだけではなく、未知のイディオムもニュアンスを類推することができるようになります。
(3)『システム英単語Premium(語源編)』(駿台文庫)
語源ごとに編集された単語帳です。単語としてはやや難易度の高いものが多いですが、語源については分かりやくまとまっているため、自分の使っている単語帳では覚えにくい単語があるときに参考程度に利用するとよいでしょう。
会話問題
(1)『英会話問題のトレーニング』(Z会出版)
会話問題に苦手意識がある場合に取り組むべき一冊です。ボリュームが多いため、時間がない場合には第3章の会話形式の長文読解25題を解くとよいでしょう。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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