埼玉医科大学 数学
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)の特徴
微分積分、ベクトル、場合の数と確率の出題が多いですが、整数問題や数列なども出題され、バランスよく出題されています。問題の難易度としては、教科書に載っているような基本的な解法+αで解くことのできる問題が殆どですが、計算力を要する問題も出題されます。2021年は数Ⅲからの出題が少ないです。
出題量と時間配分
従来は試験時間が60分でしたが、2021年度から50分に変更されました。大問4題は変わりませんが、大問1の小問集合が3問から2問になり、他の問題も計算量は減りました。
出題形式
大問4題の穴埋め方式です。第1問が小問集合、そのほかは一連の流れがある大問であり、設問がいくつか設定されていて、誘導になっているものが多いです。複雑なもの以外は図を載せてくれない傾向にあり、自分で問題文から図を起こしつつ考えられるようになっておく必要があります。
解答形式
全問マーク式です。数字を一つずつ埋めていくタイプですが、選択式も稀に見られます。数式の骨格が見えているケースも多く、それがヒントになります。さらに、本来は場合分けすべき所を、空欄になっていない所を根拠に省略できてしまうこともあります。これらを十分活用すると時間の節約になるでしょう。
攻略のポイント
基本の学習
まずは、基本的な定義・定理・公式などをしっかりと理解しておくことです。時間がかかるかもしれませんが、特に定理や公式の証明まで地道なことをしっかりやっておく必要があります。
典型的な問題演習
参考書・問題集の例題にあるいわゆる典型問題は解答を見ずに解けるようにしておきましょう。解き方がわからなければ解答を参考にするのはよいですが、解答を理解して終わりといった連続では、自分の力で問題は解けるようになりません。解答を理解したら、一度本を閉じ、自分の力で最後まで答えを出すところまで学習するのが重要です。
計算力・処理能力の強化
本校に限らず、医学部全般に共通していることではありますが、計算力・処理能力が非常に重要です。計算だけを取り出して、練習するよりも、問題演習で複雑な計算が出てきても最後まで粘り強く取り組むことが必要です。また、計算をやみくもにやっていくのではなく、常に、「どのようにしたらより素早く計算できるか」を意識して研究を重ねることです。一人の力ではなかなか気がつかないことは多いので、学校の先生や、通っている塾予備校の信頼できる先生に途中経過を逐次チェックしてもらうのは非常に有効です。より、効率の良い、高度な計算テクニックをできるだけ取り入れましょう。また、問題演習をしていると、つまらない計算ミスなどをしてしまうことはります。そのときに、ミスを軽視せず、真摯に向き合うことが大切です。自らの手で正解を求められるまで格闘することが、計算力や処理能力の向上につながります。地道な努力を怠ってはなりません。
過去問演習
過去問なので、もう出題されません。確かにそうなのですが、出題の傾向をつかんでおくことは非常に重要です。過去問を10年分など解くというのは必要ありませんが、3~4年取り組み、この大学がどのようなレベルの問題を求めているのかを理解しておきましょう。
本学では難問は出題されにくいため、典型問題を早く解くことが要求されます。東海大学医学部や私大薬学部(数IIIは出題なし)、少し難しめの問題なら東京理科大あたりが活用できるでしょう。解く際には時間配分を考えて臨みましょう。特に本学の過去問の場合、時間がかかる問題と、すぐに解けてしまう問題が混在しているので、順番に解いていくというよりも、簡単に解けるものから順に解いていく練習をしておきましょう。また、時間に余裕がない場合には、空欄に入り得るものが限られることを利用して時間を短縮する方法にも慣れておくと良いでしょう。例えば、二次不等式を解く場合、空欄の形が分数と整数ならば、一方の()内のxの係数は1だと判断できます。また、根号がある場合にはいきなり解の公式で解くことになります。
推奨テキスト
(1)『チェックアンドリピート』(Z会)
対象:網羅系問題集や教科書傍用問題集をやり終えた方
入試における典型問題の漏れをなくせる問題集で、本問題集の問題を反射でこなせるようにしておきましょう。間違えた問題は何度でも繰り返して、全問すぐに解法が思い浮かぶようにしましょう。
(2)『数学基礎問題精講』(旺文社)
対象:網羅系問題集や教科書傍用問題集をやり終えた方
基礎の定着に最適です。上述のチェックアンドリピートでは少し難しいと感じる場合に使うとよいでしょう。白チャートより少し難しいぐらいから、教科書の章末問題より少し上のレベルまでをカバーしています。
(3)『チョイス新標準問題集』(河合出版)
対象: 典型問題の整理が終わった方
A問題とB問題に分かれており、本学の大部分はA問題で対応できるため、優先的にA問題を完璧にしましょう。数学で高得点を狙いたい場合は本学の難しめの問題がB問題ぐらいなので、B問題までしっかり演習しておきましょう。数学II、数学Bはあまり出来が良くないので、後述の『標準問題精講』や『理系プラチカ』を使う方が良いでしょう。
(4)『標準問題精講』(旺文社)
対象:典型問題の整理が終わった方
難しい問題まで入ってしまいますが、本学の難しめの問題もしっかりとりたい方はこなしておいて損はないでしょう。
(5)『理系数学の良問プラチカ―数学I・A・II・B』(河合出版)
対象:典型問題の整理が終わった方
上述の標準問題精講と同様に難しい問題まで入っています。同シリーズの数学IIIはレベルがはっきりと上の問題集になるので手を出さない方が無難です。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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