獨協医科大学 生物
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
遺伝子や動物の反応といった医学部頻出の単元だけではなく、生態系や植物の反応といった分野も大問レベルで出題されます。そのため、全分野の学習が必須となります。難易度としては、知識問題、実験考察問題ともに基本レベルだけでは対応が難しいでしょう。
出題量と時間配分
理科2科目120分(2021年度入試。2020年度以前は100分)で大問5つです。各大問は解答箇所が6~10程度で構成され、総数40程度です。簡単な知識問題だけではなく、考察・計算問題といった時間を要する設問も少なくないため、時間に対する分量ははっきりと多いです。そのため、時間内でいかに点を取るかの立ち回りが求められます。
出題形式
大問ごとに分野を掲げ、大問内が分野内の小テーマに分かれて出題されます(例:大問は体内環境、小テーマは免疫)。リード文を与えて解かせる問題も多いです。空所補充、一問一答、記述文の選択など多様な形式で知識問題が作成されています。計算問題は定番のものが比較的多いですが、実験問題ではリード文および図表の読み込みと理解を要求されます。
解答形式
マーク式解答です。空所補充や複数正答を含む記述文選択では解答の組み合わせが示された選択肢から1つを選ぶ形式になっており、正確な知識を有していないと点が伸び悩む作りになっています。計算問題は選択式であり、概算での計算も可能な作りとなっています。
攻略のポイント
やや細かい内容まで問われ得るものの、求められる知識のレベル自体は標準的です。計算や考察の問題についてもリード文が長かったり煩雑な図表が示されたりすることから一見難しそうに思われますが、丁寧に取り組めば答えの見当をつけられます。
むしろ、最大の困難は時間的制約にあります。用語に関する知識問題は比較的容易に答えを特定できますが、計算・考察問題にはある程度時間を費やす必要があるほか、記述文選択の問題も易しいものばかりではありません。正確な理解に基づいて知識問題を即答し、計算・考察問題の要点を即座に把握することができない限り、完答すること自体が難しいでしょう。したがって、即座に答えの見当がつかないような問題は一旦保留し、確実に解けるものから解いていく割り切りが求められます。その上で、残りの時間を生物に充てるか化学に充てるかを、問題の難度や自身の得手不得手に応じて判断するのが良いでしょう。
いずれにせよ、決して難度が高いとは言えない知識問題で失点しないだけでなく、即答できる程度の理解を定着させておくことが合格の必須条件であると考えましょう。第一段階として必修レベルの問題集を仕上げることになりますが、特に選択肢問題では正解以外の用語や記述に対しても誤りである理由を指摘できるようにしながら学習を進めると良いでしょう。
考察・計算問題については「よく目にする定番の問題」と「初見の図表の理解と解釈を求める問題」が存在しており、特に落とせないのが前者です。まず、必修レベルの問題を「速く正確に」解けるようになるまで練習を繰り返しましょう。後者への対応まで考えるなら、発展レベルの問題集にも触れておくことが望ましいでしょう。
なお、過去問演習に際してはペース配分の把握が肝要です。可能な限り、化学とセットで時間を計りながら取り組みましょう。1か月程度の演習期間を設け、課題点と改善策を検証しては次の演習で実践する、というサイクルを回していきましょう。
推奨テキスト
(1)『リードLightノート生物』(数研出版)
対象:初学者、教科書に沿った学習を行なう方
ワークノート形式の教材です。単元ごとに空所補充、一問一答、基本問題、発展問題の順で演習を進められ、知識を定着させやすいでしょう。本学の入試において特に重視すべきなのが空所補充と基本問題です。正解できることは当然として、説明の文脈や頻出の図表から瞬間的に答えが分かるようになるまで演習を繰り返しておくと、実戦で選択肢を判断するスピードを向上させることができます。
(2)『生物(生物基礎・生物)基礎問題精講』(旺文社)
対象:教科書の学習を終えた方、必修レベルの演習を行いたい方
実戦問題を通じて必修知識の確認と応用練習が行えます。各例題の直後には関連知識をまとめた精講と解説・解答が記されており、わざわざ巻末や別冊との間を行きつ戻りつしなくても良いため、抵抗感無く不十分であった知識を再確認しやすいでしょう。知識問題・計算問題に関しては、本書のレベルまで仕上げておけば十分でしょう。
(3)『生物の良問問題集[生物基礎・生物]』(旺文社)
対象:実験考察・計算問題の練習を行いたい方
出題頻度の高い重要問題で構成された問題集です。難易度が確認・必須・レベルアップの3段階に区分されており、実力や志望校のレベルに応じた演習に幅広く使用できます。問題の検索機能も優れており、用語や出題形式による索引まで備えられているため、重点的な強化や苦手克服にも便利です。実験問題や考察問題などから設問を適宜検索し、練習に用いると良いでしょう。
(4)『大森徹の生物 計算・グラフ問題の解法』(旺文社)
対象:計算・グラフ問題の強化を行いたい方
代表的な計算・グラフ問題とその解法が丁寧に解説されており、ポイントが掴みやすいでしょう。本学の計算問題は定番のものが多い一方、慣れていなければ手間取る可能性が高いため、本書に記された問題をマスターしておくことで少しでも得点や余剰時間の創出に繋げましょう。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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