市川高等学校 入試対策
2022年度「市川高等学校の数学」
攻略のための学習方法
[複雑な問題に対応する]
高校受験には、教科書だけでは対応しにくい複雑な問題が登場する。例えば、【大問2】は、関数と図形が融合された複雑な問題、【大問4】は(1)の式の計算の結果を利用した複雑な式の計算の出題があった。このような問題は、学校で学習する基礎知識を基に複雑になったり、単元が融合されたり、推測して解いたりする問題の訓練が必要である。教材については、基礎~標準~応用~難問と段階的に取り組んでいこう。もし不安があれば、家庭教師に相談し、自分に合った教材を推薦してもらうといいだろう。
[記述力の強化]
記述力については、意識して訓練しておきたい。中学の標準カリキュラムにおいては、数学の記述を学ぶ時間は、ほとんどない。図形分野においては、簡単な合同や相似の証明を記述させる時間があるものの、量的に十分とはいいがたい。
例えば、市川高校の数学は、例年、図形分野以外にも、計算分野からも、記述が出題されてきている。過去問を解かせてみて、計算分野の記述にはじめて出会い、戸惑う志望者は、たくさんいる。
記述力の訓練は、集団授業では対応に限界があり、また参考書を見ながら自分で採点してみても、実力がついているのかわかりにくい。生徒と1対1で向き合える家庭教師の長所が、もっとも発揮されるのが記述力の訓練なので、不安があれば声をかけてほしい。
[答案の完成度を上げる]
本番で安定して得点できるように、答案の完成度を上げる訓練を積んでいこう。多くの志望者は、一問一問を解くことに満足しがちで、答案全体の完成度を意識するのは、受験の後半(中学3年の夏休みくらい)からだ。もっと早めに受験生として意識を持ち、答案の完成度を上げる技術を身につければ、有利になる。答案の完成度は、2つの面から確認しておきたい。
1つめは、設問ごとの時間配分だ。時間配分ができていない志望者は、過去問を解いてみると、後半に簡単な設問があっても得点できていない。つまり、前半の設問に時間をかけすぎていて、後半の設問にまで、手をつけられていない状態だ。受験では、答案全体の得点が、評価される。したがって、答案全体の得点を上げるために、それぞれの設問を解くべきか、あるいは解かないべきか、判断力が重要になる。過去問の演習は、そのような判断力を鍛える良い教材になる。
2つめは、見直しの技術だ。まずは答案全体でどれくらい見直しが必要になるのか、目安の時間を決めよう。あらかじめ時間を決めておくと、本番で迷いが生まれにくい。そして、見直しが効率的にできるような工夫をしよう。計算式を再利用したり、図形やグラフを確認しやすいように、丁寧に準備しておこう。
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2022年度「市川高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は50分で、得点は100点満点だ。大問数は5問で、穴埋めではあるが、証明問題の記述が出題されている。大問中の小問は誘導のように順を追って解いていくような構成である。難問はないが、標準問題と応用問題でびっしりと出題されている。大問それぞれ10分以内で次の問題に移ったほうが良い。
【大問1】確率サイコロ
- 時間配分:8分
(1)<確率>1回目にD止まり2回目に5の目が出るとき。
(2)<確率>2回目にD止まり3回目に5の目が出るとき、または、1回目にD止まり2回目と3回目に出る目の和が5の場合のそれぞれを考える。
【大問2】関数
- 時間配分:9分
(1)<座標>点Lからy軸に垂線LMを引くと、OL=OA=6、∠AOL=30°なので△OLMは1:2:√3の直角三角形である。
(2)<座標>図形の対称性を利用して、二次関数の式と直線BJの式を求めて連立させる。
(3)<座標>OQ=ONとなる点Qの座標を求める。
(4)<面積>BJ//DHより、△NQH=△RQHであるから、四角形RQGH=△NGHである。
【大問3】 平面図形
- 時間配分:10分
(1)<作図>円の中心はその円の弦の垂直二等分線上にあり、2つの垂直二等分線の交点となる。
円周角と中心角、弧の比の値により、∠BQA=∠BPAとなる値を求めることで円周角の逆の定理より証明できる。
(2)<長さ>△ABC、△ABDで三平方の定理を利用し与式の文字を減らしABとAEで表し、△AOEは直角二等辺三角形であるのでAE=√2、AB=2を代入する。
直角をはさむ2辺の長さa、2b、斜辺の長さが2の直角三角形を考える。ABを直径とし半円上の点Iとし△IABの面積はabと表すことができる。△IABが最大になるのは、高さが1のときである。
【大問4】数と式
- 時間配分:8分
(1)<式の計算>最初に{ }の中を展開して、aの2乗+2×(bの2乗)=Aとおく。
(2)<数の計算>(1)の結果を利用し約分をする。
【大問5】空間図形
- 時間配分:10分
(1)<面積>四角形QPDEはPQ//DEの等脚台形となる。
(2)<長さ>【四角錐A-QPDE】=【三角錐O-ADE】-【三角錐O-BPQ】-【三角錐A-BPQ】から体積は48である。よって、1/3×8√22×AH1=48となる。
(3)<長さ>面AHGB⊥面QPDEであるので、AH1とGH2は面AHGB上にある。辺OMと辺BGの交点をNとし、長方形AHGBと点Oを平面図で考えると、H1H2=MN-H1M-H2Mとなる。
攻略のポイント
図形の総合的知識を利用して、関数と図形の融合問題、平面図形や空間図形の計量問題でしっかりと得点して、確率や式の計算の応用問題にどれだけ対応できるかが、ポイントとなる。大問中の小問で順を追って正解していく必要があるので小問の初めから慎重に解答していくこと。(1)の結果(2)の結果を利用できるように解答してくことが求められる。このような問題構成に数多く触れておくこと。問題の選択は個別指導の家庭教師に指示してもらうのが最適であろう。