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早稲田大学高等学院中学部 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「早稲田大学高等学院中学部の国語」
攻略のための学習方法

例年、説明的文章1題・文学的文章1題の計2問で構成されている。
文章量は7000~9000字ほどで総解答数は30問弱。漢字の書き取りが6~7問とその他の知識問題が数問見られる以外は、長文読解が大半を占める読解中心の試験となっている。
設問形式は記号選択が11~12問、記述問題が2~3問、残りが書き抜き問題といった割合で、年度により整序問題なども出題されている。

[長文読解]

素材文は、説明的文章が2500~3000字程度、文学的文章が5000~6000字程度と、文学的文章の方が文量が多くなっているが、設定やストーリーが受験生にもわかりやすい話が多い。一方、論説文は難しい用語や概念も登場し、難易度がやや高い印象を受ける。

選択肢問題は、字数も少ないシンプルな選択肢が多く、内容も無理に迷わせるような複雑なものではないので、得点源としたいところである。

それと比べて書き抜き問題と記述問題はやや難しいものが多い。字数指定はあるが、答えを探す範囲の指定は無く、「本文全体をふまえて」といった条件がつく場合もある。傍線部の近くに答えが無いことも多いので、要領が悪いと時間切れの危険がある。本文のどこに何が書いてあるかを素早く的確に把握する必要がある。

・説明的文章
形式段落と意味段落の整理。意味段落の内容を小見出しのようにつけておくと後でわかりやすい。2016年度ではまさにそのような問題が出されている。
要点と要旨。各段落の最初と最後に注意しながら、傍線などで要点を目立つようにしておき、細部と区別する。要点をまとめて全体の要旨を読み取る。書き抜き問題や記述問題の答えは要点や要旨から見つかることが多い。

・文学的文章
場面の整理。時間・場所・登場人物の移動などから、場面の変わり目を見つけて印をつけておく。解答をどこから探すかの大きな目安になる。
人物の心情を考える。言動や情景などから、特に気持ちが変化した場面に注目して心情を把握する。自分ならばこう考える・・・といった予断は禁物である。あくまで、文中に書かれていること・暗示されていることを手がかりに考える。

以上のような、長文読解の基本的な手順を素早くこなし、解答する際に無駄に答えを探し回らないように練習しておくことが重要である。

[漢字・その他]

毎年、6~7問出題される漢字の書き取りは本校の偏差値からすると易しい問題が多く、標準レベルである。塾などの漢字教材を一冊しっかりこなしておけば心配ないだろう。

言語事項や文法では、品詞・三字四字熟語・慣用句などが数問出されている。本校を受験するレベルの生徒であれば難しくはないだろうが、漢字と合わせて知識問題も油断なく勉強しておきたい。

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2022年度「早稲田大学高等学院中学部の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

長文2題合わせて12000字ほどと、例年よりやや多かった。総解答数は30問。漢字と数問の知識問題は3~4分で終え、残りは長文読解に充てることになる。

記述問題は20字のものが1問に45字のものが2問、書き抜き問題が3問。その他は選択肢問題という割合であった。記号選択問題は比較的易しい問題が多いので、できるところからさっさと進め、難しい書き抜き問題と記述問題に少しでも多くの余力を残したい。

【大問一】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:23分
  • ★必答問題

現代において野生動物とどう向き合っていくか、猟師である筆者の考えが語られている。

問一 a. 栄養  b. 専門  c. じゅひ  d. 輸入

問二 牛飲馬食――牛馬のように大量に飲食をすること。

金科玉条――黄金などのように善美を尽くした、守るべき規則や法律。

問三 害獣を減らすために助けることはしないのであるから、選択肢イが合う。

問四 ウ. 「林業が非難されている」とは書かれていない。

問五 ア. 書かれているのは設問が求めている「原因」ではなく、「結果」のほうである。ウ. 人口増加に伴い野生動物たちは数も減って山奥に追いやられた、とあるので合わない。

問六 イ. 「住み分け」にはなっていたかもしれないが、「共存」ではなかった。

問七 「有害捕獲を担うのは、多くが猟師である」と書かれているように、猟師である筆者は野生動物を害獣として捕殺・廃棄しているのである。

問八 「人間と動物が住み分け・共存していた」とされる昭和の里山が「理想郷」であったかのように語られることがある、と述べられているのでここが使える。

問九 直前に「場当たり的な対応で乗り切ろうとしている」とある。選択肢アの「無計画」が当てはまり、根本的な解決になっていないという点で「真剣に議論」しなければならないのである。

問十 筆者は「自然界の共存」について「食う食われるの関係を持ちながら、同じ森で暮らす」ことだと考えている。明日にはその命を奪うことになるかもしれないが、今日怪我している動物を見殺しにはしたくないと、筆者は考えているのである。

【大問二】小説の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:27分

毎度の親の取り越し苦労で損な目に合っている主人公。遊びに行ったきり帰ってこない弟を探しに行かされた日の顛末が描かれる。

問一 a. 列挙  b. 好都合  c. 裁(かれて)  d. 縦横

問二 X. 合点がいく――納得できる・理解できる。

   Y. かたみ(片身)に――互いに。

問三 飯を用意してまで弟たちを探しに行かせようとする母親に、飯も食わずにでかけることで多少の罪悪感を抱かせ、自分の不満を強く表そうとした。

問四 空腹を我慢して先に弟たちを探して来いという父親の理不尽な強権に反発し、ぜひとも飯を食って口答えの一つも言ってやろうと思い、その通りにできたのであるから選択肢ウがよい。

問五 ア. 母親について「精神的な成長を期待している」といった様子は描かれていない。

問六 エ. 三郎が「両親相手にむじゃきにふるまえない性格」かどうかは示されていない。 

問七 ここにきてようやく三郎の張りつめた気持ちも緩み、四郎と同じように「永い間の心配からの解放の気持ち」が起こってきたのであろう。

問八 (1) 「夕餉の後の満足したおどけ心から」「一つには三郎に与えられた不公平なと思われる叱責などに対するバランスとして」四郎を脅かしてやろうと考えたことが述べられている。

(2)・(3) 遊び半分でやっていたことがいつの間にか「病的な興味」を覚えてやりすぎてしまい、後で考えて自分でも怖くなってしまったのである。

(4) すぐに四郎に今のは演技だったと真相を明かしていることから、あのままやりすぎて心底怖がらせてしまったら、自分を本当に嫌がって今まで通りの兄弟でいられなくなってしまうところだったと、反省しているのである。

攻略のポイント

選択肢の問題は、比較的答えやすい問題が多い。書抜き問題も探す範囲が広い点は手間がかかるが、読解がしっかり出来ていれば答えられる。漢字と合わせてこの範囲の問題でしっかり得点を積み上げよう。その上で記述問題でもなるべく高い得点になるよう、過去問・類似問題で記述によく慣れておこう。

高偏差値の学校としては国語の試験は難易度が抑えられている。高得点での戦いが予想されるので、全体をしっかり考えられるスピードと不注意なミスを犯さない慎重さとを身につけておかれたい。

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