医大・医学部受験プロ家庭教師 川崎医科大学 数学の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

川崎医科大学 数学
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)

微分積分が頻出であることは、言うまでもありません。その他の分野では複素数、ベクトル、図形と式、三角比・三角関数、確率などが比較的出題されやすいです。全体的に、図形を絡めた問題が多いと言えます。出題分野にやや偏りがありますが、ほとんど出題されない分野があるわけではないので、各分野ともきちんと学習しておく必要があります。

出題量と時間配分

大問の数は3題ですが、各大問とも設問数が多いです。試験時間にあまり余裕はないので、特定の大問に時間を使いすぎないように注意が必要です。
問題の難易度は、標準的なレベルが中心となっています。大問の序盤は易しめの問題が出題されていることが多いので、このような問題は確実に解くようにしましょう。

出題形式

大問の数は3題とそれほど多くはありませんが、大問ごとの設問数は多いです。誘導形式になっている場合が多いですが、誘導があまり丁寧ではないこともあります。いずれの大問も、序盤は易しめで、途中から手間のかかる設問などが出題される場合が多いです。大問の序盤でのミスは大量失点につながる可能性があるので、易しい問題であったとしても、慌て過ぎないように注意しましょう。

解答形式

センター試験と同様の、マークシート式となっています。空欄の数もセンター試験のように多いです。答えのみが採点対象であり、途中式を丁寧に書く必要はありません。楽に求めるために工夫したいところですが、工夫する余地はそれほど多くはないでしょう。

攻略のポイント

基本の学習
まずは、基本的な定義・定理・公式などをしっかりと理解しておくことです。時間がかかるかもしれませんが、特に定理や公式の証明まで地道なことをしっかりやっておく必要があります。

典型的な問題演習
参考書・問題集の例題にあるいわゆる典型問題は解答を見ずに解けるようにしておきましょう。解き方がわからなければ解答を参考にするのはよいですが、解答を理解して終わりといった連続では、自分の力で問題は解けるようにはなりません。解答を理解したら、一度本を閉じ、自分の力で最後まで答えを出すところまで学習することが重要です。

計算力・処理能力の強化
本校に限らず、医学部全般に共通していることではありますが、計算力・処理能力が非常に重要です。計算だけを取り出して、練習するよりも、問題演習で複雑な計算が出てきても最後まで粘り強く取り組むことが必要です。また、計算をやみくもにやっていくのではなく、常に、「どのようにしたらより素早く計算できるか」を意識して研究を重ねることです。一人の力ではなかなか気がつかないことは多いので、学校の先生や、通っている塾予備校の信頼できる先生に途中経過を逐次チェックしてもらうのは非常に有効です。より、効率の良い、高度な計算テクニックをできるだけ取り入れましょう。また、問題演習をしていると、つまらない計算ミスなどをしてしまうことがあります。その際、ミスを軽視せず、真摯に向き合うことが大切です。自らの手で正解を求められるまで格闘することが、計算力や処理能力の向上につながるため、地道な努力を怠ってはなりません。

頻出分野の対策
本校の頻出分野は、特に力を入れて学習する必要があります。手間のかかる問題は見られますが、難問が出題されることはあまりありませんので、標準的な問題を多めに演習するのがよいでしょう。本校の頻出分野は、学習するのに時間がかかる分野が多いので、計画的に学習を進めるようにしましょう。

過去問演習
過去問なので、同じ問題はもう出題されません。確かにそうなのですが、出題の傾向をつかんでおくことは非常に重要です。過去問10年分をやる必要はありませんが、3~4年取り組み、この大学がどのようなレベルの問題を求めているのかを理解しておきましょう。

本学では難問は出題されにくいため、典型問題を早く解くことが要求されます。本学の過去問の場合、時間がかかる問題と、すぐに解けてしまう問題が混在しているので、順番に解いていくというよりも、簡単に解けるものから順に解いていく練習をしておきましょう。また、時間に余裕がない場合には、空欄に入り得るものが限られることを利用して時間を短縮する方法にも慣れておくと良いでしょう。例えば、二次不等式を解く場合、空欄の形が分数と整数ならば、一方の()内のxの係数は1だと判断できます。また、根号がある場合にはいきなり解の公式で解くことになります。

推奨テキスト

(1)『青チャート』(数研出版)
いわゆる網羅系参考書です。問題量が非常に多いので、すべての問題を解く必要性はありません。例題などを中心に、問題を選んでいけばよいでしょう。ただし、数学Ⅲの極限・微分・積分と数学Ⅱの図形と式については、章末問題も含めて、多くの問題に触れておいた方がよいでしょう(もちろん全問題に取り組まなくてもよい)。

(2)『Z会数学基礎問題集 チェック&リピート』(Z会出版)
学習内容の定着度の確認および苦手分野や弱点の発見に役立つでしょう。この問題集は、教科書レベルから受験基礎レベルへの橋渡しとして使用するのもよいでしょう。様々な使用方法が考えられる問題集なので、早めに手元に置いておきたい一冊です。

(3)『合格る計算 数学Ⅲ』(文英堂)
このテキストは、数学Ⅲの計算力強化にとても役に立ちます。解き方のコツが丁寧に説明されており、計算の上手・下手にまで触れている希少なテキストです。計算力強化を目的としたテキストなので、なるべく早い時期から取り組むことが大切です。

(4)『チョイス新標準問題集』(河合出版)
基本事項がある程度身に着いた段階で取り組んでみるとよいでしょう。このレベルの問題がスラスラ解けるようになっていれば、土台は十分にできているといえます。くりかえし解くことで、土台固めをきちんと行っておきましょう。

(5)『大学への数学 1対1対応の演習』(東京出版)
頻出分野だけでも構わないので、この問題集に取り組んでおくとよいでしょう(特に数学Ⅲ)。良質な問題が多いので、じっくりと取り組むようにしましょう。

(6)『理系数学の良問プラチカ 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B』(河合出版)
良問が多いので、頻出分野を中心に取り組んでみるとよいでしょう。基本事項が理解できていることを前提とした問題集なので、過去問演習に入る前段階あたりから使用するのが望ましいでしょう。同シリーズに数学Ⅲもありますが、こちらはかなり難易度が高いので、数学Ⅲについては無理をしなくてもよいでしょう。

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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