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江戸川学園取手中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「江戸川学園取手中学校の算数」
攻略のための学習方法

江戸川学園取手中学の算数は、昨年度(2021年度)入試より大きく変わった。
テスト時間が10分短縮され50分、大問数も1問減り6問、小問数も20問台前半に収まった。これらの数字は他校と比べても標準的なものであり、これまであった「テスト時間60分」・「大分量」というもっとも大きな特徴を失ったと言える。したがって、分野ごとの対策は必要だとしても、時間・問題数を気にすることはなくなった。

問題の質について触れると、過去問を数年間見ると、出題されているのは、参考書や問題集で見かけたことがあるようなものが多い。レベルとしては上・中・下の「中」・「下」あたりの問題である。多くの生徒は、分らなかったとしても、その解き方を知れば、「ああなるほど」と説明に納得し、理解できた問題として処理されるだろう。設問もシンプルなものが多く、テスト中盤までは設問を読めば「解き方→解答」までが見通せるものが多い。解きやすい、教えやすいという印象だ。

しかし、ここで引っかかってはいけない。
なぜ「江戸川取手」が難関校なのかと言われれば、上記のような「わかりやすい」問題を合格者はことごとく解いてしまっているからである

つまり、これら中盤の解きやすい問題は、ほぼ正解できていないと合格はなく、出来なかったときの「さわやか感」「喪失感」など味わってはいられないからだ。

一見とっつきやすいけれども、ミスの許されないこわさ、それが「江戸取」をして難関校と言わしめている由縁なのである。

[基本問題と応用問題]

また問題のレベルは年々易化の傾向にあり、難易度が高く手を出せないような問題は数問にとどまっている。しかしながら当校に受かるためには、基本問題だけではなくて、もう一つの上のレベルでの対策を厚く行う必要がある。
夏休みか、遅くとも9月頃までには、「四科のまとめ」や「ベストチェック」あたり(つまり、基礎とかベーシックと呼ばれる一行問題レベル)の水準までは克服しておきたい

江戸川取手で言えば、【大問1】~【大問4】にあたる内容である。迅速に正確に解けるようスキルを磨いて先に進みたい。

受験の成否を分ける、【大問5】・【大問6】の対策は、秋~初冬にかけて時間を十分とって多くの問題にあたりたい。
江戸川取手の問題において、「出来るか出来ないか」の分岐点にある、具体的な公式・解き方は以下のものを参考にするとよい。

[代数]

「一定の量がない倍数算」⇒一方の比を○で囲い、比例式で解く求め方。
「売買損益」⇒「利益=総売上−仕入れ値の合計」
平均算や食塩水の面積図による解き方
割合のつるかめ算とその解き方
「1」からN番目までの奇数の和=N×N

[図形]

・外角を使って多角形の和を求める解き方
・30度、60度、90度の直角三角形の辺の比(2:1)
・3:4:5、5:12:13などの辺比を持つ直角三角形
・高さが等しい三角形において、底辺の比=面積の比
・半径の値が分らない円の面積の求め方
・おうぎ形の面積の公式=弧×半径÷2
・円すいの側面積=母線×半径×円周率
・斜めに切断した直方体の体積の求め方
・特殊な三角すいの展開図は正方形にまとめられる
・円すいをころがしたときの回転数=母線÷底面の半径
・その他、時計算・N進法などあまり触れる機会がない問題の解き方

これらの公式や解き方を身につけてからは、ランダムに中程度の問題に多くあたりたい。江戸川取手の問題には奇問はないので、同レベルの学校の過去問よりは、精選された問題集などで良問をたくさん解く方がよい

必ず解いたことのある問題に本番でも出会うはずだ。それは大きなアドバンテージをうむ。

[最後に]

本番にあたっては、気力・体力を充実させて当日を迎えたい。コンディションが大切なことはスポーツなどでもおなじみのことだ。
同じ学力があっても力を発揮できるかどうかはひとえに当日の調子にかかっている。

算数においては、前半から中盤にかけてスムーズに問題解法が進むと、後半余裕が生まれてくる。
そのためには当然の帰結となるが、普段の勉強量の豊富さ、内容の質の高さが肝心である。
時間や問題数は減ったとは言え、学校自体が易しくなったわけではない。しっかりと態勢を整えて本番に臨みたい。

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2022年度「江戸川学園取手中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が6,小問が21(100点満点)。
【大問1】は簡単な計算問題と基本的な一行問題で、【大問2】以降は「易」・「標準」または「やや難」の文章題から成り立っている。本年度の【大問6】は「難」設定で、1問も解けなくても仕方あるまい。
本校テスト問題の難易度は長い目で見ると易しくなる傾向にあり、昨年度は特にそれが顕著であったが本年度はやや先祖返りした感じで、平均点も急落した。それでもテストの前半、3分の2くらいは平易な問題なので合格点をとるためにはこの部分の基本問題はほぼ完璧におさえておきたいところだ。
大問1つあたり6分~10分の時間はかけられるので時間不足に陥ることはないだろう。ただし、設問によっては比較的難度が高いもの(【大問5】(2)(3)、【大問6】全般)も含まれているのでそのときは取捨選択を思い切って行おう。難問に時間をかけず、出来る問題を確実に正解することが合格への最低条件となる。

【大問1】計算問題・平均算・平面図形の角度・体積

  • 難度:
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

(1)は例年通り基本的な計算問題で、煩雑な小数や分数も逆算もなく、学校のドリルレベルの本当に容易なものであるだけに間違えるわけにはいかない。
(2)は平均算とは書いたものの、面積図などこの分野に必要な技術も必要ない。6回のテストの和から5回のテストの和をひけばよいだけで、「平均の基礎」で学べる段階である。
(3)は正五角形の中に対角線が2本引いてあって、真ん中に出来た二等辺三角形ACDの1つの角の大きさを求めれば良い。まさか冬の寒い朝に正五角形の内角の和やその一つの大きさを求められない受験生が江戸川取手の校門に集まるわけもなく、まだテストは始まったばかり、いや、始まってもいない?
しかし(4)もその調子でいると足下をすくわれるかもしれない…もちろん三角すいの体積が求められれば済む問題なのだが、求める体積は三角すいを取り除いた方の図形なのだ。100%できたつもりでも間違えることもあるもの。ふと我に返った生徒はここから気持ちを入れ替えて進もう。

【大問2】速さ(旅人算)

  • 難度:
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

いわゆる典型的な旅人算ではあるが【大問2】だけのことはあって、先行した弟がさらに休憩をとっている。しかも弟はその休憩の後に兄に向かれているのでやや条件が複雑である。また、兄に追い抜かれた弟が学校へ到着したのは兄の5分後のことなので、(2)を解くには「速さの逆比」「速さの差集め算」など解き方が要求される。6年生なら速さの逆比(かかった時間の比)を求めて、スマートに解いて先に進みたい。

【大問3】図形の平行移動

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

直角二等辺三角形と長方形が動き始めてから重なる面積を求める、また決まった面積になるのにかかる時間を求めるという頻出する問題である。三角形または長方形を移動させて正確な図を得るという技術が必要だが、形がよりシンプルである長方形を移動させるかそれとも三角形の最も先の頂点に目をつけて図を構築するなど一つ書き方を決めておくと良いだろう。
(3)で重なった面積が5cm2になるのが左右対称な位置で重なるのは動いている三角形が直角二等辺三角形だからでその分だけ救われている。
もちろん全問正解で。

【大問4】回転体

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

正方形ABCDを辺CDを軸として1回転させたときにできるすい形の体積や表面積を求める問題。
ところが(2)が面白く辺CDを軸には変わらないものの、回転させるのは四角形PBQDでありちょっとびっくり。このテストでつまずきがあるとすればこの設問からかもしれない。辺CDを軸として、DPの回転する軌跡は円すいを描くが、PBは辺CDと平行なのでPBを高さとする円柱を描くことになる。さらにDQを回転させた円すいもあるので、「半径5cm,高さ3cmの円すい+半径5cm、高さ2cmの円柱-半径3cm、高さ4cmの円すい」をくりぬいた形となる。しかも求めるのは表面積だから気をつけて解きたい。この問題はなかなか解きがいがある
ここは(2)の失点もやむなしか。

【大問5】周期算

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

初めに与えられた①~③のルールをよく読んで、最初は要領を得にくいが、③まで理解した上ではじめのうちは調べていくしかない。つまり、どんな周期になっているかをつかむことが肝心なのである。「500円以下」「2000円をこえたら」という言葉遣いにも注意したい。ここから問題は一気に難化しはじめる。
(1)はじめは50円ずつ貯めるので最初の11日間で550円になり、12日目からは100円ずつ貯めていく。と、15日間で1500円がたまりはじめの500円とで2050円になるので11+15の26日間で2050円が貯金箱に貯まることになり、その次つまり27日にはじめて銀行に1000円を預けることになる。まあ、ここはまだいい。
(2)1月27日のお金は2050-1000+100=1150円となり、28日は1150-1000+100=250円になる。と貯金額が500円以下になるので、再度毎日の貯金は50円に変わり、6日間貯めてまた500円をこえることになる。そしてその後の15日間でまたも2050円になり、その後の2日間でこれもまた250円にもどる。これで周期は見つかったもののかなりやっかいなことは間違いない。2022年は平年なので、1月1日から3月31日までは90日間あるので回数を調べていくと6回になる。
(3)1月1日から28日までに2250円貯金し、その後は23日間で2000円ずつ貯金することが分かるので、あとは周期算の商とあまりを使っていれば良い。
(2)(3)は「やや難」の設問と言って良い。

【大問6】場合の数

  • 難度:
  • 時間配分:8分

この問題は読んでみてすぐ分かる。一度も経験をしたことがないと、いや、一度や二度あっても「場合の数」の難問である。0,2,2,4,4,6,6,6と重複した8枚のカード(しかも「0」もあり)。で作るのが8けたの整数、3けたの整数(カードが余る方が難しい)、4けたの4の倍数である。
はじめの8けたの整数は、積の法則だけで答えを出すことは出来る。まず「0」は一番左(一千万の位)におくことが出来ないから7通りの置き方がある。次に「2」は空いている7つのけたのどこか2つなので「7×6÷2」、「4」は0と2をうめたあとに残った5けたのうちどこか2つなので「5×4÷2」、残った「6」はあまった3けたのところに入れるから1通り。7×(7×6÷2)×(5×4÷2)×1=1470通りとなる。
残った2つの問いに関してはまずカードの場合分けをしてから並べ方を調べるので作業が大変この上ない。時間に余裕がある限りは手を出してみるのも悪くないが「捨て問」とするのが得策だろう。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
昨年度よりテスト時間・問題とも減少したので取り組む側としてはやりやすくなった。ただ、昨年度は異なり、【大問5】以降の難易度が上がったことでテストの不安定な傾向には驚いたことだろう。特に【大問6】は難問だった。
ただ合格点をとるにはそれらをすべてクリアする必要はなく、本年度だと【大問5】(2)(3)と【大問6】ア~ウが難しく思われ、この5問は回避してもよかったかもしれない。しかし、他の問題はすべて得点できるくらいには力をつけておきたい。
「江戸川取手中学」の算数において、合格点を取るためには以下の点に注意して進めていこう。
・手元にある教材の中から過去問と同程度の問題を多くこなし、必要な解き方や公式などを身につけること。
・分野において大きな偏りはない。最も出題されやすいとされる典型題の類、さらには「図形」「速さ」「場合の数」など、「中学受験一般に出やすい分野」に合わせて勉強していけばよい。
・過去問にあたる時の注意としては、時間と問題数である。昨年度から時間が変更になったので、過去問の時間数60分や問題数の多さはあまり気にせず解いておきたい。ただし、分量の負担が減ったからといって、学校の難易度が変わったわけではない。基本的な問題でつまずかないようにしっかりと腕を磨いて本番に臨みたい。

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