兵庫医科大学 物理
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
最新年度では原子物理以外の力学・電磁気・熱力学・波動から万遍なく出題されています。特に力学、電磁気は確実に出題されるので、この分野は特に念入りに、そして今後原子物理から出題されうるので原子物理の学習もしておきましょう。
出題量と時間配分
理科2科目120分です。分量は標準的で問題も標準的なレベルが中心です。時間的にはあまりゆとりはないでしょう。記述の計算問題では計算過程を解答欄に書かなければならないので、問題用紙の余白などで計算を終わらせた後に、必要な部分だけを簡潔にまとめて答案を作成していきましょう。ひとつの大問中では小問は全て連続しているので、序盤で間違えると時間を大量にロスすることになるので注意が必要です。
出題形式
例年大問5題で最新年度では、第1問は力学、第2問は電磁気、第3問は波動、第4問は熱、そして第5問は電磁気という構成でした。文字計算によって数式を書かせる問題が多いですが、語句を選択させる問題や、定性的問題、グラフを書かせる問題も出題されます。
解答形式
記述がメインですが選択式の回答もあります。数式および数値を求める記述の問題では、解答欄に計算過程を書くための空白が設けられています。グラフを書く問題では解答欄に座標軸がとってあり、目盛りを記入することになります。解答欄に単位を書くことを要求される問題もあるので注意しましょう。計算過程を書く欄は比較的狭いので、必要な式だけを簡潔に書くよう心がけましょう。
攻略のポイント
まずは基礎を固めることである
そのためには、まずは定義や公式を理解した上でしっかりと覚えることです。これがなかなか難しいです。理解するというのは、「自分の言葉で説明する」、「図で表す」、「他の公式同士のつながりを考える」など、様々な方法で公式を「考える」ということです。公式を覚えて、問題をただただ解きまくるといった学習では、なかなか物理の点数を上げることは難しいでしょう。一見、面倒だと思う作業を地道にやっておくことが、物理攻略の重要な出発点となります。
次に問題演習
物理で登場する公式や概念はそれほど膨大ではありません。それらを完全に理解したら、次は問題演習に入ります。問題を解くことで、基礎が理解できているどうかが確認できるからです。基礎の新たな面の発見につながることもあります。そういった意味で、問題演習も重要な作業となります。問題演習はただただ多くの問題を解くのではなく、1冊の問題に絞り1つの問題を解いたら、他の方法で解いてみる、問題の現れる現象を深く調べてみるなど、多角的に検討します。その作業が新たな問題を解くためのカギとなっていきます。問題を見たときにどのようなプロセスで解いていくか、いわゆる問題解決能力を身につけないと、いつまでたっても新たな問題が解けるようになりません。何度も強調しますが、ともかく1冊の問題集に絞ることです。それを徹底的にやりこむことが物理の得点力を伸ばすのに非常に重要となります。
計算力がないと時間制限内に自分で正解にたどり着けない
立式だけを行い、解き方がわかったら細かな計算を最後までしないといった受験生を多く見かけます。必ず最後まで答えを出すことです。そうしないと、あっという間に計算力が落ち、試験になったとき、一向に点数がとれなくなります。どのように工夫すれば、より効率よく計算できるかを自分なりに研究することも大切です。しかし、自分ではなかなか効率よい計算にたどりつかないこともあるでしょう。その際は、いつも習っている先生に自分の解き方を客観的に見てもらい、アドバイスをもらうのが一番の方法だと思います。
過去問演習
標準レベルの単元別の問題集を解き終えた後は過去問演習を行います。ペース配分や回答形式に慣れることが重要です。本学の問題では解答の過程も書かなければならない問題が多いので、答えの正否だけではなく、解答を書く練習も忘れてはなりません。
推奨テキスト
(1)『セミナー物理基礎+物理』(第一学習社)
定番の教科書傍用の問題集です。基礎事項の定着に向いているので、はじめにやるテキストとしては最適です。まずは基本問題をしっかり解いていきましょう。基本問題をきっちり解けるようになったら、発展問題に進みましょう。指導者がついている方向きです。市販されていないので手に入らない人はインターネットで落札するか、『リードα』などの学校で配られる問題集でもよいでしょう。
(2)『物理のエッセンス(力学・波動)』(河合出版)
(3)『物理のエッセンス(熱・電磁気・原子)』(河合出版)
こちらも基礎事項の定着に用いる問題集です。問題を解く前の説明が詳しいので、読み物として読みながら問題を解いていきましょう。物理的なものの見方・思考法を身に着けるのにとてもよいでしょう。独学の方はセミナーよりもこっちが使いやすいかもしれません。最低でも2~3周は解いてみましょう。
(4)『良門の風』(河合出版)
一通りの基礎が定着したら、この問題集に進みましょう。問題数が比較的少なく典型問題が網羅されているので、使いやすく達成感を得られます。問題編と回答編が分かれているので一気に解いていくのによいでしょう。最低2周は解くと良いでしょう。
余力のある人は同じ出版社の『名門の森』(河合出版)に進むとよいでしょう。
こちらは手ごたえのある難問がそろっています。じっくり考えながら解いていきましょう。
(5)『物理重要問題集−物理基礎・物理』(数研出版)
基本から難問まで幅広く扱われている定番問題集です。典型的な問題はすべて入っていると考えてよいでしょう。この問題集の最大の特徴は、初見ならば絶対引っかかるトラップ問題がすべて網羅されているところです。一度引っかかっておけば、本番で引っかかることがないので安心です。問題演習の仕上げとして使ってきましょう。まずはA問題だけを1~2周やり、B問題に進むと良いでしょう。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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