医大・医学部受験プロ家庭教師 久留米大学 化学の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

久留米大学 化学
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)

大問4題です。2021年度では合成高分子の部分が除かれた出題でした。以前にはアミノ酸や糖類、合成高分子も出題されています。年によってさまざまな分野が出題されるので、満遍なく基本をおさえておく必要があります。計算問題の他、論述問題が頻繁に出されているのも特徴です。

出題量と時間配分

理科2科目で120分です。計算問題は結果のみを答えさせるので、途中の部分点が加わりません。計算ミスには気をつけたいところです。計算問題と論述問題が多いことを考えると、時間は決して十分ではありません。時間配分に気を付けて出来る問題から順に進めましょう。

出題形式

2021年度は大問4題で計算問題が中心でした。また、論述問題も出題されています。特に計算問題では、有効数字2桁や3桁で答えさせる問題、論述では溶融塩電解で製造された理由を説明させる問題も出題されています。穴埋め問題は選択ではなく記述させることも特徴です。

解答形式

2021年度はマーク式ではなく記述形式でした。したがって、マーク式と違い曖昧な知識では正解が出せないのも特徴です。記述で60分を考えると、かなりスピードをあげて解いていかないと間に合いません。計算問題は見直す時間もあまりないので、一回で計算できるように普段から練習をしていきましょう。

 

攻略のポイント

2021年度は合成高分子化合物の部分が除去されました。計算問題や論述問題が多いのが目立ちます。また、マーク方式ではなく記述形式なため、知識は正確に覚えておきたいところです。本学では難易度の高い問題、計算問題、論述問題が多いため、60分の時間を考えればかなり時間が不足しているように感じるでしょう。計算問題、論述問題は2015年度から毎年出題されています。このように、今後も論述と計算問題の出題は続いていくものと予想されます。しかし、大部分は標準的、典型的問題が多いので、初めは難問を解くよりも、どの分野も穴がないよう全体的に学習を進めましょう。
 
理論分野は、教科書傍用問題集(『セミナー化学基礎・化学』(第一学習社)、『リードα化学基礎・化学』(数研出版)など)を用いて基本事項から丁寧に学習しましょう。特に、本学で必要な基本計算問題、論述問題は教科書傍用問題集を用いて何回も復習しましょう。発展問題もあるので、論述対策として、どうしてそのようになるかをしっかり学習してもらいたいです。

ここ数年では凝固点降下、電気分解、金属結晶、反応速度、化学平衡が出題されています。まずはここから学習を始めましょう。次に、無機化学では工業的製法が多いので、ここを中心に学習します。そして、資料集を用いて無機化学の反応や性質を確認しましょう。その際、実験操作も確認することを忘れずに。有機化学分野では構造決定、脂肪族炭化水素、芳香族、糖類、アミノ酸とタンパク質に注意して整理しておくことが大切です。化学史も出題されるので確認しておきましょう。

暗記分野の知識問題は絶対に落としてはいけません。まずは典型問題を取りこぼさないことが必須です。そして、ここまでをこなせたら『化学重要問題集』(数研出版)をやって総合力をつけていきましょう。有機化学の構造決定の問題は、このタイミングで再度学習するとよいでしょう。後は、過去問を解いて時間配分のチェックと、難易度の確認をしていきましょう。

推奨テキスト

(1)『セミナー化学基礎・化学』(第一学習社)
基本から標準まで幅広く扱われています。本学を目指すなら、基本から発展問題までを完璧にしましょう。総合問題に同じ問題があります。プロセスや基本問題、例題を徹底的にやりこみ、その後で発展問題や総合問題に取り組みましょう。セミナーにはセルフチェックページがあります。このセルフチェックを利用して、自分ができない部分を集中的に学習することが出来ます。参考までに、推薦などの対策として英文読解、論述問題もついています。とにかくおすすめの本です。

(2)『リードα化学基礎・化学』(数研出版)
基礎から入試までの範囲で構成されており、思考力・判断力・表現力を養う問題が掲載されています。大学入学共通テストや将来の入試を意識した演習が行えます。リードAとリードBで基礎学習の整理、基礎的な問題の演習ができます。少し慣れたら、リードCやリードDを学習して応用力を養うようにしましょう。こちらは計算問題が充実しているので、本学の計算対策としても活用できます。

(3)『化学の新研究』(三省堂)
(4)『化学の新演習』(三省堂)
本学合格を目指す化学受験者にとって大変役に立ちます。これを上回る参考書はないでしょう。この本を最初から最後まで読み通す人もいますが、わからない部分や発展的な内容を確認したりするときにポイントで利用するのもよいでしょう。『化学の新演習』は、化学を苦手としている人にとっては少し難しいかもしれません。その場合は、無理にその問題集を使わなくてもよいでしょう。『セミナー化学』『リードα』問題演習でひととおりの問題を終了した場合に、このレベルの問題集にチャレンジする程度で考えましょう。

(5)『化学重要問題集』(数研出版)
こちらは一通りの学習を終了して、問題演習を通じてさらに力をつけたい人が取り組む問題集です。初心者がこの問題集をはじめに解くと、時間がたくさんかかるため効率はよくありません。これが理解できていない人は、教科書や参考書の内容が身についていないので、必ず基本に戻るようにしましょう。

(6)『スタディサプリ』(リクルート) ※動画視聴 
動画は、化学の学習内容の流れなど紙面ではわからない部分を効果的に理解できます。特に、図や音声を用いて化学のタイトルごとに整理ができ、紙面からではわかりにくい部分をイメージで理解できます。予備校で講義を聞くだけなら、この方が値段的にも安くて効率的です。

 

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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