東北医科薬科大学 化学
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
2021年度は大問4題の出題です。2018年から毎年、大問4題の出題で変化はありません。2021年度は理論、無機、有機分野の出題でした。この年は、理論から理想気体と実在気体、クロムの酸化物とモール法、有機からは炭化水素に関する出題でした。毎年、計算問題が多く出題されています。大問ごとに出るので、化学の事象の丁寧な理解が必要です。
出題量と時間配分
理科2科目で120分の試験時間です。大問3題すべてがマーク式です。教科書の全範囲から万遍なく出題されています。1科目で60分と考えると、マーク式ではあるものの計算問題が多いため、計算のスピードが遅い人にしてみれば時間は厳しいでしょう。効率よくこなしていかないと時間が不足するので、時間配分を間違わないようにしなくてはなりません。
出題形式
大問4題です。そのうち最初の1題は小問集合問題です。残りの3題は無機、理論、有機分野のテーマ別問題となります。理論分野を含めて大問4題すべてに計算問題が含まれているのが特徴です。全範囲から万遍なく出題されていますが、特に化学法則、工業化学、生化学、高分子に関する出題が多くなっています。
解答形式
全問マークシート方式です。マーク式といっても、正しいものの組み合わせを選ばせたり、計算問題の答えの選択肢が10個であったりします。つまり、きちんと理解していないと選択肢を選べないといった形式です。自分できちんと整理をして、計算ミスのないように進めていかないと、最終的に最後の問題にマークの数値が埋められないということになりかねません。
攻略のポイント
本学は全体的に標準レベルの問題です。しかし、2021年度では理想気体と実在気体の問題に関して、ファンデルワールスの実在気体の方程式が出題されました。教科書には記載されているものの、ここまで詳しく問題にされてはいません。教科書傍用問題集だけでなく、『化学の新研究』(三省堂)または『化学重要問題集』(数研出版)で対応したいところです。このように、一部、難易度が高い問題やきめ細かい知識も必要とされます。教科書や資料集、教科書傍用問題集をしっかりやりこなした上で演習をこなし、さらに発展的な学習をしていきましょう。
本学の理論分野では、過去に反応速度、活性化エネルギー、平衡、熱化学、酸と塩基、酸化還元、溶液について出題されてきました。計算問題は必ず多く出題されています。そこで、まずは教科書傍用問題集で標準問題レベルを十分演習してもらいたいです。数値計算も間違いなく速く解けるように練習をしましょう。無機化学分野では、過去にクロムの酸化物、オキソ酸、工業的製法が出題されています。対策として、化学反応式をしっかりと書けるようにしてもらいたいです。そして、定性分析の問題をしっかり整理しましょう。次に有機化学分野ですが、過去に芳香族のアニリン、炭化水素、有機構造決定、油脂と石鹸について出題されました。高分子化合物では、合成高分子、高分子化合物の分子量、フェノール樹脂、油脂と石鹸が出題されました。これらは、官能基、有機化合物の名称を中心に、少しずつ覚えていってほしいです。今後は、有機混合物の分離が未出題なので、教科書傍用問題集で学習するか、または動画で視聴して対策をしておくのもよいでしょう。
本学は文章を読ませる問題もあるので、教科書の文章と資料集を丁寧に見ながら学習をはじめてもらいたいです。難しい問題はあるものの大部分ではないので、教科書傍用問題集を活用し何回も問題をやることです。計算問題は必ず出題されるのでスピードをあげて問題を解く訓練も必要です。そして、最後に少し難しい問題が1題だされることがあるので、『化学の新研究』(三省堂)または『化学重要問題集』(数研出版)を活用して更なる学習を進めましょう。
推奨テキスト
(1)『セミナー化学基礎・化学』(第一学習社)
基本から標準まで幅広く扱われています。本学を目指すなら、基本から発展問題までを完璧にしましょう。総合問題に同じ問題があります。プロセスや基本問題、例題を徹底的にやりこみ、その後で発展問題や総合問題に取り組みましょう。セミナーにはセルフチェックページがあります。このセルフチェックを利用して、自分ができない部分を集中的に学習できます。参考までに、推薦などの対策として英文読解、論述問題もついています。とにかくおすすめの本です。
(2)『リードα化学基礎・化学』(数研出版)
基礎から入試までの範囲で構成されており、思考力・判断力・表現力を養う問題が満遍なく掲載されています。大学入学共通テストや将来の入試を意識した演習が行えるでしょう。リードAとリードBで基礎学習の整理、基礎的な問題の演習ができます。少し慣れたら、リードCやリードDを学習して応用力を養うようにしましょう。こちらは計算問題が充実しているので、本学の計算対策としても活用できます。
(3)『化学の新研究』(三省堂)
(4)『化学の新演習』(三省堂)
本学の合格を目指す化学受験者にとって大変役に立ちます。これを上回る参考書はないでしょう。この本を最初から最後まで読み通す人もいますが、わからなかったり、発展的な内容を確認したりするときにポイントで利用するのもよいでしょう。『化学の新演習』は、化学を苦手としている人にとっては少し難しいかもしれません。その場合は、無理にこちらを使わなくてもよいでしょう。『セミナー化学』や『リードα』問題演習でひととおりの問題を終了した場合に、このレベルの問題集にチャレンジする程度で考えましょう。
(5)『化学重要問題集』(数研出版)
こちらは一通りの学習を終了して、問題演習を通じてさらに力をつけたい人が取り組む問題集です。初心者がこの問題集をはじめに解くと時間がたくさんかかるため、効率はよくありません。これが理解できていない人は、教科書や参考書の内容が身についていないので、必ず基本に戻るようにしましょう。
(6)『スタディサプリ』(リクルート) ※動画視聴
動画は、化学の学習内容の流れなど紙面ではわからない部分を理解するのに効果的です。特に、図や音声を用いて化学のそれぞれタイトルを整理ができ、紙面からではわかりにくい部分をイメージで理解できるでしょう。予備校で講義を聞くだけなら、この方が値段的にも安くて効率的です。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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