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逗子開成中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「逗子開成中学校の社会」
攻略のための学習方法

問題構成

 リード文を読み、下線部について答えていく総合問題である。大問ごとに分野別になっている一般的な形式にはなっていない。総解答数は50問強と多めである。

リード文は3000字ほど。年度によって500字・1000字などのリード文がさらに足されることもある。例えば、和食(2017年度)や金(2018年度)などを話題とした長文に、2018年度ではさらに憲法についての短い文章が加えられた。おおむね、下線部だけ読めば答えられる問題が多いが、本文や追加された短い文章を参考にして答える問題(2017年度・2019年度の記述問題)などもあるので、設問をよく確認すること。

大問は無いが、設問はだいたい分野ごとにまとめて出されている。地理・歴史・政治経済が前部・中部・後部におよそ分かれている年度や、数問~十数問ごとに分野が入れ替わり出される年度もあった。設問は適語記入と選択肢が中心である。記述問題も3~4行ほどの文量で2問ほど出されるのが通例となっている。

地理分野では地形・地名・産業・気候など、幅広い項目から出題されている。地図・統計グラフ・雨温図などの資料が多く用いられている。資料集などで最新のデータに触れておくとともに、地図上での位置を訊かれる問題も出されているので地図・白地図なども手元に置いて、各地の様子を頭に入れておこう。

歴史分野は各時代の人物・出来事・文化など、各項目から出題されている。年代順の並べ替えの問題も毎年見られる。この分野ではあまり資料は用いられていない。選択肢問題では時代・人物・出来事などの各要素が正確に記憶できているかを問われるので、例えば江戸時代の改革や鎌倉時代の仏教など、内容を混同しやすい項目は時に注意して正確に覚えてしまおう。

政治経済分野は、憲法や政治の仕組みに加えて、直近の時事問題や国際関係などの現代社会分野も出題されており、問題数で言えば後者のほうが少し多い印象である。時事問題集・重大ニュース集などで、特に直近1~2年の出来事について詳しくなっておこう。

記述問題

 ここ数年は記述問題が2題出されている。字数指定は無いが、80~100字程度でまとめられる内容である。太平洋戦争期の金の生産量の変化の背景や木材を積極的に生産した方がよい理由(ともに2018年度)やまちづくりの取り組みが目指すところ(2022年度)などの出題があった。資料・データを読み取って考えたり自分の知識で考察したりと、パターンもそれぞれである。2017年度では、本文を参考にまとめることによって解答できる、国語のような記述問題も出されている。どのパターンで出されても既定の字数を書いて部分点だけは逃さないように、過去問や類似問題でよく練習しておきたい

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2022年度「逗子開成中学校の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

長短合わせて2500字ほどのリード文が使われている。総解答数も48問と多い。適語記入も多いので書く量も多くなる。その分、時間が40分と長めではある。

大問が無いのでペース配分が難しいが、本文を素早く読み終えて知識問題を手際よくこなせば、記述問題に余力を残せるだろう。

【大問】総合問題

  • 難度:やや難
  • 時間配分:40分
  • ★必答問題

鉄道の歴史を題材とした総合問題。

問1 (1) イギリス  (2) 夏目漱石  (3) 国家総動員法  (4) 青函

問2 新井白石による長崎新令は1715年、ノルマントン号事件は1886年、出島への移転は1641年の出来事である。

問3 日米和親条約調印の際に、ペリーからは蒸気機関車の模型のほかに海底ケーブル、ニューヨーク州の法典など多種多様なものが寄贈された。

問4 Ⅰ. 都には中央に右京と左京を分ける大きな通りが設けられた。平安京でも平城京でもこの通りは朱雀大路(すざくおおじ)と呼ばれる。

   Ⅱ. アは安土桃山時代、イは江戸時代、ウは鎌倉時代、エは奈良時代のことである。

問5 地形図の桑畑の記号でわかるように、当時埼玉県や群馬県などでカイコの養殖が盛んで生糸の生産が日本の重要な輸出産業の一つとなっていた。

問6 Ⅰ. 松山付近は瀬戸内気候に属し、温暖少雨の傾向がみられるのでウのグラフが合っている。

   Ⅱ. 愛媛県西部の宇和海では真珠や鯛の養殖が盛んである。

問7 平将門は関東で勢力を持っていた豪族。みずからを新皇と名乗って反乱を起こし、中央はこれに危機感を覚え、制圧した。

問8 浄土宗の開祖は法然。浄土真宗の親鸞と混同しないようにしよう。

問9 Ⅰ. ロシア・ドイツ・フランスによる三国干渉。

   Ⅱ. 米騒動の混乱の責任を取って辞任したのは寺内正毅(てらうちまさたけ)。

問10 Ⅰ. 樺太の南側や南満州鉄道の権利を譲り受けた。

   Ⅱ. 現在は「環境省」である。

問11 東北地方には、奥羽山脈をはさんで西に出羽山地、東に北上山地(高地)がある。

問12 ア. 関東大震災が発生した1923年では、翌年の旅客輸送量は増えている。

問13 ア. リットン調査団は南満州鉄道爆破事件の調査のために派遣された。

   ウ. 二・二六事件が起こったのは1936年である。

   エ. 日本の国際連盟脱退は1933年。 

問14 都市部は空襲の標的になるため、子供たちは農村部などに避難した。これを疎開という。

問15 1950年には朝鮮戦争が勃発し、アメリカから軍需物資などの注文が入って日本は好景気となり、朝鮮特需が起こった。

問16 Ⅰ. 愛知県→岐阜県→滋賀県→京都府と通っている。

   Ⅱ. 現在の総出荷額の順位は、中京・阪神・京浜となっている。

問17 イ. 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)とは現在に至るまで国交は回復していない。

問18 a. 燕はナイフなど洋食器の生産で有名である。

   b.小千谷ちぢみは麻織物である。

   c.東にある小国は山形県の町。

   d.有機水銀による第二水俣病が発生したのは阿賀野川流域。

問19 ア. 小泉純一郎内閣のもとで郵政事業の民営化が進められた。

問20 経済の実態以上に株価が高騰(バブル景気)し、それ以上投機で支え切れなくなってバブル経済が破綻し、日本は一気に不景気になった。それまで売れていた高額な商品が売れなくなり、一般の商店より高級品を多く扱う百貨店の売り上げは大きく落ちこんだ。

問21 イ. 火砕流は火山の噴火が原因である。

問22 茨城・千葉・鳥取などではなしが多く栽培されている。

問23 資料1で見ると北海道は北陸地方などと比べれば雪はそれほど多くないと言える。しかし、気温の低い日が長く続き一度積もった雪が長く解けないため、除雪や線路の保守点検に多くの経費がかかってしまうのである。

問24 Ⅰ. 法案はまず両院のそれぞれの専門の委員会で審議・採決され、その後本会議で決が採られる。

    Ⅱ. 離島のような人口が少ないと考えられる地域でも、「社会生活に必要不可欠な移動」を確保するという趣旨であるから、選択肢イの生存権の規定に当てはまる。

問25 近年の歳出では、社会保障関係費・国債費・地方交付税交付金・公共事業関係費の順で多く、防衛関係費は文教及び科学振興費より少なくなっている。

問26 Ⅰ. エ. 裁判所は国の機関である。

   Ⅱ. 都道府県や市町村の中だけで効力を発揮する決まりは条例である。

問27 Ⅰ. 人口が増えているわけではないので、住宅地が広がって面積は拡大したが人口密度は低くなったということである。行政としては、住人が一定の範囲に集まってくれたほうが効率よくサービスを提供できるわけで、住んでいる人がばらけてしまうと費用がかさむことになってしまうのである。

   Ⅱ. 高齢人口が増えて免許を返納したり自動車の運転に不安があったりという人が多くなってくると、地方においては日常生活に不便が生じてしまう事態となってしまう。

   Ⅲ. 住民にバスや鉄道など公共交通機関を利用しやすい地域に住むことを促す政策と言える。行政側からすればサービスを効率よく提供でき費用の抑制につながり、住民側としては自動車に乗れなくなっても生活がしやすいというメリットがある。

攻略のポイント

大問の無いテスト形式なので問題ごとに分野が異なる場合がある。さまざまな項目が順不同で出されることがあるので、過去問でよく慣れておこう

記述問題は論述タイプ・説明タイプ・国語タイプとパターンがあるので、いろいろな記述問題をこなしてまとめ方を練習しておこう。もっとも、配点は他の問題と大きくは違わないので、難しいと思ったら他の問題に時間をまわすのも手である。

適語記入は原則漢字なので、難しい人名などもしっかり覚えておきたい。

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