暁星中学校 入試対策
2022年度「暁星中学校の社会」
攻略のための学習方法
傾向
試験時間40分、大問は3~4だが、総解答数は50~60にも及ぶ。
本文・資料も含めると、目を通す分量がかなり多い試験である。
解答形式は、記号選択と用語記入がほとんどであるが、正解を選ぶのに手順や多くの知識が必要になる問題が多く、かなり手ごわい。
2014年度では無くなっていた記述問題がその後は復活している。また、2015年度以降に高まった難易度も徐々に下がってきているようである。
今後の動向について、学校説明会などに参加し、情報があれば確認しておきたい。
地理分野
日本地理全般の問題がまんべんなく出題されていて、偏りは無い。
地図や資料が多く示され、地形図の読み取りも出されている。
ここ数年は特に統計・グラフから数値を読み取って答える問題が多くなっている印象である。
また、一つの事項について集中して詳しく訊く問題が地理分野で出題されることがある。副教材などで「世界遺産」や「国際紛争の起こった地域」などをまとめたページでテーマごとに覚えておくと良い。
問題自体はテキストや参考書で勉強できる内容なので、幅広くこなしておく。
地図を使った問題は頻出なので、常に近くに置いて場所などのチェックを怠らないこと。
また、世界地理の問題も出されているので、主だった国や地域は知っておこう。
さらに、2018年度では北海道の発電所や都内のある市の夜間人口と昼夜間人口比率の比較など、他校ではあまり見られない問題もみられた。
歴史分野
古代から近代、現代の時事的要素を含む問題まで、幅広い範囲から出題される。
歴史上の出来事があった場所や関係の深い都道府県など、「歴史地理」といった問題も見られる。
単発の知識よりも歴史の流れを問われる設問が目立つ。
事項を時代順に並べ替えたり、本文自体で文章を時代順に並べて穴埋めさせたりという問題が出されている。
2015年度から著しく難易度が上がり、とくに歴史分野でその傾向が顕著であった。橘諸江や恵美押勝など他校ではあまり問われない人物名や、近江大津宮の場所など、答えられなかった人も多かったであろう。しかし、ここ数年で合格者平均点も上がってきており、難易度が抑えられているようである。
2017年度は地理分野に重点が置かれ、歴史分野でも地理分野が混合された問題が見られたが、2018年度~2020年度では歴史分野の方で問題数が多くなっている。両分野とも油断なく準備したい。
政治分野
日本国憲法・政治の仕組み・国際関係などからの出題。
特に憲法と三権の仕組みはよく訊かれるので、しっかり覚えておくこと。
政治分野も細かく突っ込んだ内容は問われないので、テキストを中心に丁寧に学習しておけばよい。
この分野で時事的問題が合わせて聞かれることが多いので、地理・歴史と比べると、政治自体の問題数は少な目である傾向が見られる。
2017年度は歴代総理大臣の名前と、関係する知識を問う政治史とも言える問題が出された。年度により傾向が変わる可能性があるので、慌てないように幅広く学習しておきたい。
知識
2014年度まではテキストに書かれているレベルの基本をしっかり押さえた学習で対処できたが、2015年度から難易度が急上昇し、合格者平均点を見るとここ数年でまた元に戻りつつある。
来年度の動向に注意しつつ、テキストレベルにおいて可能な限り高度な学習を目指し、極端な難問以外は確実に得点できる実力を身につけたい。
◆テキスト・問題集で基礎をしっかり固めた上で、地図・白地図・資料集等で場所や関連事項を詳しく調べておく。
◆年表で時代の流れに沿って知識をまとめておく。地図で場所も確認する。
◆「必要と思われる解答は全て漢字で」という指定がつくので、特に人名・地名や法律の文言などは漢字で書けるようにしておく。
難しい問題で時間を取られ過ぎてもよくない。できる問題から着実に答えることである。
さらに注意点として、本文と設問でかなりの文章量になる年が多いため読むスピードは必要であるということを付け加えておく。
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2022年度「暁星中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
本校の試験問題は、全体の文章量が多く、資料もたくさんあり、読み取りに時間がかかる。
解答数も多い上、答えを選ぶのに手順が必要な問題があり、時間的にはきついかも知れない。
総解答数50で2021年度と同様であるが、やはり読むのにあまり時間がかかるようではうまくない。文章を読むスピードをつけるよう練習すること。
【大問1】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
いろいろな時代の文献を題材に、各時代の人物や出来事について訊かれている。
問1・問2 この金印は後漢の光武帝から奴国の使いに送られたもので、「漢委奴国王」と刻印されている。福岡県志賀島で土中から発見された。
問3 生口とは、捕虜・奴隷を表す中国や朝鮮半島の古い言い方である。当時は貢物として奴隷が送られることがあった。
問4 ヴェネツィアはイタリアの都市で、水の都として知られる観光名所で世界遺産にもなっている。
問5 戦国時代に商業都市として栄えていた大阪の堺。南蛮貿易で外国人も多く訪れていた。
問6 茶道を大成した千利休。のちに秀吉により切腹させられた。
問7・問8 博多は勘合貿易などで栄え、明に近いこともあり中国船が多く訪れた。
問9~問11 文章は第一次世界大戦についての記述である。イギリスと日英同盟を結んでいた日本は敵国であるドイツの山東半島の拠点を攻撃・占領した。
問12 第一次世界大戦の反省をふまえ、国際連盟が設立された。
問13 第一次世界大戦で日本は初めて飛行機を使用した。
【大問2】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:13分
- ★必答問題
戦後の衆議院議員選挙の結果を題材に、政治のしくみや世界情勢について訊かれている。
問1 A. 日本社会党 B. 公明党 C. 民主党
問2 (1) 池田勇人 (2) 田中角栄 (3) 中曽根康弘 (4) 細川護熙
(5) 小泉純一郎 (6) 鳩山由紀夫
問3 ① ベルリンの壁崩壊(1989年)・東西ドイツ統一(1990年)→ウ
② 中国の経済特区の設置(1979年)→イ
③ リーマンショック (2008年)→オ
④ アメリカ同時多発テロ(2001年)→エ
⑤ 日韓基本条約(1965年)→ア
⑥ 香港返還(1997年)→エ
⑦ ソ連の解体(1991年)→ウ
問4 イ. 戸別訪問は認められていない。
問5 ① 国会議員 ② 行政 ③ 議院内閣 ④ 内閣不信任 ⑤ 総辞職 ⑥ 7
【大問3】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:16分
- ★必答問題
各県の都道府県民歌を題材に、各地の特徴や産業などについて訊かれている。
問1 原子力発電のことであるから、地図イが合っている。アは地熱、ウは水力、エは風力発電所の場所である。
問2 名古屋市のある愛知県では機械工業が盛んなので、Aが機械。福井県は伝統的な織物が盛んであることから、Cが繊維。残るBが化学となる。
問3 エ. 介護・通院が必要な高齢者が大都市へ流出するというのは、理屈としておかしい。
問4 イ. 伊賀市は忍者の里や伊勢神宮への参詣など、歴史的資産で観光を盛り上げているので、合わない。
問5 ①は和歌山・奈良・三重にまたがる「紀伊山地の霊場・参詣道」のことでB(奈良県)、②は群馬県の富岡製糸場の説明でA、③は北海道・青森・岩手・秋田周辺の「縄文遺跡群」のことでC(岩手県)である。
問6 Bは石川県で、農業としては米の生産が多いのでエ。Cは長野県で高冷地農業の野菜や盆地での果樹栽培が多いことからイ。Dは鹿児島県で畜産が盛んであるからア、Aは埼玉県でウとなる。
問7 Aは徳島県でオ、Bは山口県でア、Cは香川県でウである。
問8 両県の間には筑後川によって形成された筑紫平野が広がっている。
問9 半導体は軽くて小さいが高価であり、飛行機で輸送するのに適している。水や空気がきれいな環境での生産が適しているので、都市から離れた山間部などにも工場が多い。
問10 沖縄県は太平洋戦争において唯一地上戦が行われた地域で、多くの人が犠牲になった(試練の歴史)。その後はGHQの支配下に置かれ、1972年に返還され本土に復帰した(いま栄光の朝に立つ)。
攻略のポイント
2015年度からの難易度上昇が、ここ数年では抑えられ元に戻ってきたようである。
いずれにしてもテキストの基本的事項を徹底的にマスターし、難問を除いた他の問題を確実に得点していけば合格最低点には達すると考え、あまり身構えずに堅実な実力アップを図って欲しい。復活した記述問題にも抜かりなく対策をしておく必要がある。
また、地理分野で狭い範囲に限定して細かく問う問題が見られ、その範囲の勉強をおろそかにしていると大量失点につながるので、各分野で大きな穴を作らないようにすることも大切である。
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