学習院女子中等科 入試対策
2022年度「学習院女子中等科の理科」
攻略のための学習方法
本校入試で例年出題される記述問題に意識を取られがちになるが、各単元の基礎的な内容を理解できていないのに記述問題対策を重点的に行うのは感心しない。むしろ、各単元の基礎的な内容(現象の理屈や生物やものの構造など)を理解することにこだわって学習したい。基礎的な内容を理解し、演習問題をこなしていく中で、徐々に記述問題にも着手していくと良いだろう。難易度としては受験テキストの標準~応用程度の問題を完璧にこなせるようにおけば合格点に手が届く。
以下、問題種別に対策を述べる。
【計算・思考型問題】
物理、化学、地学分野において頻出の問題である。解き方自体は算数のときに使うものより易しいと言えるが、「なぜそのような計算をする必要があるのか」という理屈が分かっていないと何をして良いのかさっぱり分からないのがこの分野の怖いところだ。したがって、これからこの分野を強化しようという人は、各単元において基本となる法則を丁寧に理解することから始めて欲しい。全ての計算は基本法則が根拠となって行われるものだからだ。また、基本法則を理解しようとする場合、「図」を大切にして欲しい。テキストに掲載されている図を見るのはもちろん、自分で図を描けるようにするとなお良い。
今持っているテキストの説明だけでは理解しづらい場合は、異なるテキストを開いたり、先生に分かるまで解説してもらったりしよう。基本法則が理解できたら、1日に1問ずつ問題を解いたり、週に2回程度理科の計算練習をしたりするなど、算数の問題演習と同じように、理科の計算問題の学習を習慣化していくとさらに定着が良くなるだろう。
【知識・時事問題】
本校の入試問題で意外と厄介なのが知識問題だ。厄介な理由は少しマニアックな知識を要求する問題が少し含まれているためである。しかし、マニアックな問題は、基本的な問題を全て完璧に解けるようになった人向けの問題と捉えてもらって良い。受験テキストで紹介される基本的な知識さえ覚えていれば合格点に手が届くのだ。したがって、基本的な知識を正確に覚えることに注力すると良い。一問一答形式の問題で基本的な言葉を覚えたり、テキストの演習問題や過去問を解いたりする中で知識を定着させていくと良い。一方、時事問題については受験年の前年の話題が題材になりやすく、対策が立てやすい。ニュースや本、インターネット等から情報を収集し、基本的な内容について学習しておきたい。
【記述問題】
上述の通り、受験テキストの演習を通じて基本的な事柄がある程度定着し、各単元の基礎的な知識が十分に身についてからで良いだろう。記述練習をする際は、自分の手で書いてみること、お手本となる解答をよく読むことを心掛けたい。また、テキストや過去問の模範解答のみが正解では無いため、書いたものを先生に見てもらうとなお良い。基礎が定着したのであれば、記述問題に積極的に取り組むことは、さらに理解を深める上でとても有益であるから、楽しみながら取り組んで欲しい。
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2022年度「学習院女子中等科の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
物理、化学、地学、生物からそれぞれ1題ずつの計4題で問題数は計28問だった。内訳は選択問題が10問、適語記入が6問、数値記入が8問、記述が4問だった。制限時間は30分であるから、1問にかけられる時間は1分程度だ。
【大問1】太陽、地球、月/地学
- 難度:やや難
- 時間配分:7分
- ★必答問題
天体の種類、太陽・地球・月の見え方や動き方についての問題。基本的な知識が備わっていることを前提とした上で、思考させる内容が含まれていた。合格を目指す以上、そのような問題で得点しておきたい。
問2 月の満ち欠け及び月面の地形の名称に関する問題。基本的な知識確認といったところだろう。
問3 月から見た地球の形についての問題。月の満ち欠けの仕組みを理解できていることを前提とした問題と言える。
問4 月から見た、太陽及び地球の大きさに関する問題。選択肢の内容がやや分かりづらいが、解答欄を見れば、考えている天体について、大きさについての記述部分が正しいものを選べば良いという解釈ができる。
問5 月から見た地球の位置の時間変化に関する問題。知識として身につけている人は良いが、そうでない人は注意深く考える必要がある。
【大問2】ものの溶け方/化学
- 難度:標準
- 時間配分:8分
定番の内容であるため、是非、高得点を取りたい。数値の取り扱いには注意を払って取り組みたい。溶質、溶媒、溶液の違いにも十分注意する。
問1,2 確実に正解したい。問われているものが何であるか、しっかり確認しながら回答することを心がけたい。
問3〜5 同温・同溶質の飽和水溶液同士であれば、溶質、溶媒、溶液の比が一致することを用いると良い。
【大問3】音/物理
- 難度:標準
- 時間配分:8分
音の高さ・大きさ・振動数に関する、弦を用いた実験に関する文を読み考察させる問題。文がやや長いが、参考書においては定番の内容であるため、こちらも高得点を取りたい。問われているものが何とどのような関係にあるのか、確認しながら解き進めたい。
問1文を読めば分かるため、確実に得点したい。
問2 こちらも確実に得点したい。線の描き方を問題文の指示通りに行う。
問3〜5 数値計算を行い、確認しながら解き進めたい。
【大問4】パンダ/生物
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
パンダに関する文を題材に、関連する様々な事柄を考えさせる問題。記述が主体。
問1,2 知識問題。漢字指定は無いので、漢字が心配な人はひらがなで良い。
問3 どのような保護のされ方をしているのかを書く。与えられた文で述べられていることも材料として用いると書き易いだろう。
問4 「クマが雑食性であるのに対し・・・」とあるので、雑食性の動物との比較を行うと良い。
攻略のポイント
最も重要なことは標準的な問題でミスをしないことである。そのためにも、悩む時間を極力減らし、解きやすい問題から解くのは必須だろう。一通り解き終えた後に見直しの時間をとれるとなお良い。一見難しそうと思われる問題は、問題文や資料にヒントが書かれている場合があるため、丁寧に読みたい。また、頭の中だけで考えづらい問題では、面倒くさがらずに式を書くこと図を描くことを徹底したい。初見の記述問題では、完全には理解していない内容だったとしても、言えそうなことや関連しそうなことを書きたい。
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