中央大学附属横浜中学校 入試対策
2022年度「中央大学附属横浜中学校の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
大問3つに、地理分野・歴史分野・政治経済分野が割り当てられる形式がここ数年の定型となっている。分野別では政治経済の問題数がやや少なめである。総解答数は35問前後。
選択肢と適語記入の問題が多く、地理・歴史分野で計3問の記述問題が出題されている。
記述問題は40~50字ほどの字数でまとめるようになっている。リード文・資料文・地図・統計グラフ・史料などが多く用いられ、試験全体の分量が多くなっている。
地理分野
日本全体から幅広く訊かれる場合とある地域について詳しく訊かれる場合とがある。
奈良市を訪れる観光客の行動の特徴(2021年度)や日本と外国との関係(2020年度)などの出題があった。地形・地名・産業・貿易や気候など、広い範囲から問題が出されている。地図や統計・グラフなど、資料が多く用いられている。
記述問題では与えられた資料から考えられることを述べる論説タイプの問題がよく出されている。各地の特徴や統計データなどについて、暗記するだけでなくその理由もよく考えながら勉強しよう。
歴史分野
いくつかの時代について説明した文章を読んで、下線部について答えていく形が多い。古代から近・現代まで、広い時代から出題されている。政治・外交や文化など、いろいろな項目の問題が見られる。時代順の並べ替え問題が毎年出されている。また、年度により、図版などの資料が用いられることもある。
記述問題は資料から考えられることを述べる論説タイプも、ある事項の理由を答える説明タイプも、両方みられる。どの時代から出題されても困らないよう、全体に抜けが無いように覚えておこう。また、なぜそのようなことが起こったのか、原因・背景なども合わせて考えるようにしよう。
政治経済分野
前年など、直近に起こった出来事について、またそれを題材として憲法や政治の仕組みなどについて訊かれている。三権の仕組みや選挙、国際関係などの問題が出されている。この分野では記述問題は出題されていない。基本事項の問題が多いが、前年の話題が多く取り上げられるので、重大ニュース集や時事問題集で最新の情報によく目を通しておこう。
記述問題
ここ数年は地理分野と歴史分野で1問ずつ出題されている。統計や資料などを読み取ってそこから考えられることを答える論述タイプも、歴史上の事柄などについて内容や理由を訊かれる説明タイプも両方出されている。論述タイプといっても、与えられた材料をしっかり読み取れば答えられるものなので、臆病になることはない。なぜ統計の数字がそのようになるのか、そのような出来事が起こった背景は何かなど、考えながら資料を見る練習を積んでおこう。
[まとめ]
各分野が混合した一問一答形式の設問に慣れておこう。一問ごとに、分野・内容・時代がさまざまに異なる問題がならんでいる。そのたびに、関連する内容を頭のいろいろな部分から引き出してこなければならない。なお、2022年度は大問ごとに3分野が分けられていた。今後の傾向に注意されたい。
リード文も量が多いので読むスピードは速い方がよい。もっとも、下線部だけ読めば答えられる問題も多いので、読む部分は必要最小限に抑えることもできそうである。
また、資料を使った問題が多いこと、特に写真をもとに判断する問題が見られるので、資料集をよく読みこんで、写真や図版をすぐ見分けられるようにしておけば得点に結びつくだろう。
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2022年度「中央大学附属横浜中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は41問で例年と変わらない。地理分野14問・歴史分野16問・政治経済分野11問という内訳になっている。統計などの資料が多く使われており、リード文や資料文もあるので、全体量が多くなっている。記述2問に7~8分前後を残して、残りの時間で他の問題をこなせるスピードをつけておこう。
【大問1】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:13分
- ★必答問題
日本の農業や各地の特産品について訊かれている。
問1 Bは大麦でグラフはウ、Cはきゅうりでグラフはエである。残るAはジャガイモでイ、Dはレタスでアとなる。
問2 Cは「かつおのたたき」で、一本釣りで知られる高知県(イ)の代表的な料理である。Dは「地鶏の炭火焼」で宮崎(エ)地鶏を炭火で香ばしく焼いたもの。Aは寒天で天草から煮だした汁を固めてできる。諏訪地方(ア)などで冬の寒さを利用して造られている。Bは福岡県(ウ)が発祥とされる料理「水炊き」。
問3 (1) 鉄瓶は南部鉄器で知られる岩手県盛岡市周辺が産地で、輪島は輪島塗という漆器の産地、熊野は熊野筆の産地なので、正しいのは(イ)と(ウ)である。
(2) 輸入品にかける税は関税である。
問4 (イ) 日本で最も多い外国人は中国籍の人である。
問5 Aは山梨県、Bは静岡県である。富士山や周辺の山から流れてくる豊富な地下水でミネラルウォ-ターが製造される。
問6 長引く低成長により、デパートで扱われる高額な商品は売れにくい時代になっている。一方、コンビニは商品開発に力を入れ多くのヒット商品を生み出し、売り上げを伸ばしている。
問7 米は水田で育てられるので砂地では栽培できない。
問8 (イ) 目標9は経済成長と社会の基盤となるインフラの整備を目指すものである。ダムの建設には洪水を防ぐなどの役割はあるが、一方で森林などの伐採につながる場合もあり、自然環境を守る取り組みとは言えない部分もある。
問9 (エ) 中東地域で信者が多いイスラム教では、聖典であるコーランが豚肉を食べることや飲酒を禁じているため、豚肉や酒は口にしてはいけないことになっている。
問10 米はもともと日本人の主食であり生産量も多い。国も米農家を保護するため輸入米に関税をかけている。鶏卵は日本では生で食べる習慣があり鮮度が重視されること、割れやすいことなどから輸入には向かない食材である。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:14分
5つの時代について、人物や出来事について訊かれている。
問1 1. 高床倉庫 2. 承久の乱 3. 和紙 4. 享保の改革 5. 石油
問2 (ウ) 一部、弥生土器の説明が混じっている。
問3 佐賀県で発見された弥生時代の遺跡、吉野ケ里遺跡。
問4 承久の乱の後、西国の監視・統治を目的として京都に六波羅探題が設けられた。
問5 座に加わると、商品の独占販売や税の免除などの優遇措置が受けられた。
問6 Y. 守護大名を都に集めることなどはなかった。
問7 琉球王国は日本と中国・朝鮮・東南アジアの間に位置し、各地域の商品を他の地域に運び、中継貿易で大きな利益をあげた。
問8 (1)・(2) 1782~88年にかけて起こった天明の大飢饉。天候の不順で凶作が続いていたところに岩木山・浅間山が立て続けに噴火し、不作に拍車をかけた。田沼意次の農業を軽視した政策も飢饉の遠因となった可能性がある。
問9・問10 享保の改革では、大名の参勤交代の負担を軽くする代わりに米を納めさせる上米の制を行った。また、町奉行である大岡忠相(おおおかただすけ)は飢饉対策となる作物の研究を青木昆陽に命じ、さつまいもの栽培が推奨された。忠相は公事方御定書の制定にも関わっており、名奉行大岡越前の名でも知られている人物である。
問11 当時のソビエト社会主義連邦共和国(ソ連)。現在はロシアを中心としたいくつかの国に分裂している。
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
憲法や政治のしくみについて訊かれている。
問1 国の歳出の内訳は、社会保障関係費・国債費・地方交付税交付金等の順で多い(2022年度)。
問2 (ア) 過半数ではなく、3分の2以上である。
(ウ) 30日以内ではなく、10日以内である。
(エ) 国政調査権は、衆・参両議院に等しく与えられている。
問3 (エ) 国や地方公共団体への訴えは行政裁判で扱われる。
問4 (ア) 公布は天皇の国事行為である。
(イ) 予算案は内閣が作成して国会に提出する。
(エ) 条約は内閣総理大臣や国務大臣が結ぶが、国会の承認が無ければ無効となる。
問5 (1) 政府が国会に対して連帯して責任を負う制度を、議院内閣制という。
(2) Aは国会が内閣に対して行使できる力であるから「内閣総理大臣の指名」、Bについては、日本は大統領制ではないので国民が内閣に直接行使できる力はないのだが、世論で政策に影響をあたえたり、辞職に追い込んだりはできる。
問6 (イ) 派遣するのは国連平和維持軍(PKF)である。
問7 EUは欧州連合、ASEANは東南アジア諸国連合、NAFTAは北米自由協定の略でいずれも
日本は参加していない。
問8 (1) 衆議院議員選挙は小選挙区比例代表並立制で行われる。
(2) F. 総人口に対する割合が他の世代より高いとは言えないので、誤り。
G. 人口が少ない地域では1票の格差は小さいので、不利益が大きいとは言えない。
問9 中国は人口も多く産業が急激に発達し、石炭の使用も多いことなどもあり、CO2排出
量は1位となっている。第2位は世界最大の経済大国とあるのでアメリカとなる。
攻略のポイント
選択肢問題中心だが、やや細かい知識を訊かれる問題もある。特に前年の国内・国外での出来事はよく出されているので、今年度の社会情勢の動きや大きな災害などについてはよく調べて詳しくなっておこう。
また、資料集は常に手元に置いて、テキストで得た知識をグラフや写真などで確認し、知識に厚みを持たせよう。資料がいつの時代のどんな人物・出来事に関係のあるものか、すぐ思い浮かべられるようになっておくと安心である。
設問がいろいろな時代・分野に飛ぶので、過去問でよく慣れておくこと。
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