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法政大学中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「法政大学中学校の理科」
攻略のための学習方法

法政大学中の問題は、科目に関わらず全体にテスト問題が易しめに作成されているという傾向がある。
理科においてもそれは顕著であり、平均点も70点、高ければ80点以上になることもある。受験者の質から見ると問題はもう少し難しくても良いくらいだ(平均点が60点くらいになる程度)。
が、この傾向は以前から長く続いているものであり、今後もそれは変わらないという前提で対策を進めていかなくてはならない。

その場合、理科において特に大切なのはやはり「基本的知識の定着」ということになる。問題文と設問が平易であり、多くの受験生が正解できる問題を落とすことは出来ない。また、計算がからむ問題(てこ・滑車・ばねまたは中和など)が得意な生徒はその手の問題を出す学校ではないだけに力を発揮するところがない。あくまでも地道な暗記作業の成果を反映するテストになっている。そういう意味では、努力がそのまま実を結ぶ問題なのでふだんの勉強にも張り合いが出る。

しかしその一方で、理科特有の「難問・奇問」もないわけではない。
たとえば2018年度【大問1】のような、あるせまい分野に偏った出題である。「絶滅危惧種」を塾などで習うことはあってもここまで詳しくは指導されないだろう。指導があっても、ここに並べられている生物の半分もカバーできていればかなりいい方で、この手の大問が出題された場合ははっきり言うと手の施しようがない。この年度の問題をやったあとで新しい知識として覚えたところで法政大学中の問題にも出されることはないだろうし、ましてや併願校の対策にもならない。「絶滅危惧種」もたいがいではあるが、次の「自然科学書の作者」は教養としては素晴らしいものの受験理科の王道では全くない。2019年度ただ、さいわいなことに2020年度の問題にはそういった「時事問題」風な大問は見られなかった。今後もその傾向が続けばより学力を反映したテスト結果をもたらす問題となるだろう。

また、2019年度【大問2】・【大問5】、2018年度では【大問2】も通常とは少し変わったアプローチの仕方をされている。これもあまり解いたことのないタイプの問題ではなかろうか。【大問1】に比べればはるかに理科の力を問う問題ではあるけれどもとまどうことは間違いない。
この2つ、基本的知識問題と難問・奇問を併せ持つテスト形式になっているが勉強のメインはやはり「基本的知識の定着」にある。前半のような問題は誰にでも出来るではない、と割り切って後半の基本問題で全問正解を目指す方が賢明である。
かといって、そのどちらでもない、先ほど少し触れた計算分野も軽視すべきではない。2017年度【大問2】「浮力」の問題は本格的な計算問題であり、設問数も多く合否の行方を決定づける問題になっている。しかし、聞かれていることは「浮力」の問題としては至極普通レベルの問いである。水よりも軽いもの・重いものそれぞれの基本問題がしっかり身についていれば他の暗記分野と同じように高い点数が期待できる問題になっている。要するに、計算分野に関しても基本的解法は身につけておくべきであると言うことだ。ただし、そこでの差もあまり期待できないので、計算が得意だからと言って大きなアドバンテージを得ることは出来ない。
残された時間、まずは基本的知識の確認から始めてみよう。その上で過去問を解きながら、時間配分や奇問とのつきあい方をマスターできれば合格ラインをこえることが出来るだろう。

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2022年度「法政大学中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

テスト時間は35分と標準的ながら小問数が60問以上あり単純計算で1問あたり30秒ほどで解いていかなくてはならない。速読即解型のテストであり問題文をすばやく読んで解答用紙に正しい記号をテキパキと書いていきたい。分野によって「易」問題が中心の大問があるので(本年度だと【大問2】【大問3】【大問5】)、スピードに少し不安がある生徒はそちらの大問から手をつけると時間がうまく使える。

【大問1】日本の米

  • 難度:やや難
  • 時間配分:7分

日本人の主食である「米」についての質問は珍しいものではないが、ここまで徹底して設問が相次いだことはあまりないものと思われる。通常「米(イネ)」について問われる内容(有胚乳種子・単子葉植物・水中でも発芽する)などではなくて、また、品種改良についても「寒さに強い」「病虫害に強い」といったありきたりのものではないので、普段の理科の知識問題から逸脱した分だけ難易度は高いものと感じる。(2)ではさらに精米から発する「江戸わずらい」まで言及されており、「脚気」の原因なども問われている。時事問題ではないが、内容として大変面白いものとなった。

【大問2】熱の伝わり方

  • 難度:
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

特色のある【大問1】に比べると「易」~「標準」でしかも見慣れたことのある設問が多いのが【大問2】だった。こちらはとりたてて解説するものがないほど典型的な設問ばかりで、逆にここは失点できないところである。(4)ぐらいだろうか、多少でも迷うのは。

【大問3】水溶液の判別

  • 難度:
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

続く【大問3】も入試問題では最も頻度が高い内容とされる「水溶液の判別」で、与えられている無色透明の水溶液AGにもなじみがうすいものはない。「水酸化カルシウム水溶液」は「石灰水」のことで溶質は「消石灰」とも呼ばれるがそれを「水酸化カルシウム」と長い名前でちゃんと覚えてさえすればなんのことはない。あと「エタノール」の性質くらいだろうか、迷うところは。水溶液を判別するための操作はどれも平易なものだが、設問(2)(4)は間違いたくないところだ。

【大問4】生物の冬越し

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分

小学4年生の理科あたりで扱いそうな内容だが、かえって難しく感じるかもしれない。
(1)(3)(4)はいずれも純粋な暗記物だけに、「植物の花びらの数」とか「おしべの数」のようにこの内容を避けてきた生徒も少なくなかったろう。また(5)のグラフの選択では、冬眠するけものが秋ごろに食べ物の食いだめをして冬は活動をしないので徐々にその貯金(?)を減らしていく。アが最もそのスタイルを表している。最後の(6)も言葉を答える問いとしては簡単ではない。鳥ならば「渡り鳥」「漂鳥」でよいが、魚類の場合はなんと答えるか?「回遊(魚)」が正解だがこれもまた純粋な知識の問題なので知らなければそれまでだ。基礎の基礎を突かれると案外答えられないものである。

【大問5】月の運動

  • 難度:
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

最後の「地学」は月の運動に関する問題だったがこちらは答えやすい内容になっている。

(1)は三日月が見える方角と翌日の月の形を問うもの。

(2)は南のさらに半月だから「上弦の月」に関するもの。ここからおよそ1週間後には満月となる。

(3)はその満月に関する問題。満月は夕方東の空から出て真夜中に南中するのでその間の方角を採れば良い。その3日後の月は右から少し欠けている形をしていて、より東の空から出るのが遅くなる。そのまま下弦の月(真夜中に東の空に出る)まで設問が続いている。

(4)最近は満月のことをスーパームーンとかストロベリームーンとかいろいろな名前をつけて紹介されることが多いが、ここで質問されているスーパームーンとブルームーン(1ヶ月に2回満月が現れることで、その2回目の方)は覚えておいた方が良い。

(5)は夏至と冬至では、太陽と月の高さが逆になると覚えておくと良い、がこの大問中では最も難しい問いになっている。

攻略のポイント

本年度は【大問1】【大問4】に手こずった生徒も多かったろうが他の大問が平易だったため(計算問題もなかった)、受験者平均・合格者平均は昨年並みに高めで、受験者平均は64.9点、合格者平均は75.1点となり、2年続けて最低でも70点、できれば75点以上の得点が必要となった。

そのためには、本年度であれば【大問2】【大問3】【大問5】のオーソドックスな問題はできるだけ正解しておきたい。その上で【大問1】の常識的な知識、【大問4】では選択肢をうまく選ぶなどして得点を重ねたい。

本校の理科で合格点をとるためにはまずは知識を正確に増やすことが大切で、その上で基本的な問題に多くあたり、問題を解くスピードも身につけておくとよい。時事問題対策も怠らぬようくれぐれも心がけたい。

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