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大宮開成中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「大宮開成中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

大問3つに、漢字や文法・論説文の読解・小説の読解が割り当てられる形が続いている。
素材文は計7000~9000字ほど。総解答数は40~50問程度
設問は字数指定の穴埋め書き抜きと選択肢が多い。記述問題は例年では字数制限が無かったが、2019年度から字数指定ありとなった。「本文中のことばを用いて」「指定された言葉を必ず使って」「説明しなさい」という形で1~2問出題される。2~3行ほど、50~80字程度が想定されている。また、2019年度からグラフから読み取れることを説明する論述タイプの記述問題も出題されており、今後の傾向に注意が必要である。

漢字・文法など

漢字は書き取りと同音異字で10問、文法は5問で助詞・助動詞や係り受けなどが出されている。この部分で20点の配点があるので、疎かにはできない。漢字は初級~中級、文法は品詞を中心に言葉のきまりをひと通り頭に入れておく必要がある。また、慣用句も読解問題と合わせて訊かれている。手を抜かなければ得点できる部分なので、ここで点を稼ぎたい。

論説文の読解

ここ数年は社会科学分野からの出題が多い。科学的な話題なので理科を好きな人には読みやすいだろう。論説文の読解の技を磨いておこう。
まずは段落の整理。形式段落と意味段落をまとめて、各段落のつながりを見ておく。意味段落の内容を小見出しのように書いておくとわかりやすい。
字数指定の書き抜きが多い点からも、要点と細部の区別は重要である。求められる答えが要点の部分にあるのか細部の部分にあるのか、探す際の手掛かりになる。選択肢問題は本文との一致・不一致を見分けるものが多いので、要旨・要約で筆者の意見を正確に理解しておくことが役に立つ。
論説文の読解は答えを文中から探す問題が多いので、傍線などで重要点を目立つようにしておくと解答がスムーズである。

小説の読解

登場人物を中学生・高校生に設定した話が多く、舞台も馴染みのある場面が多いので理解しやすい。文量は6000字程度になる場合があるので読むスピードはつけておこう。
文学的文章の読解の基本を身につけよう。
登場人物の名前・人数・性格・他との関係などをチェックする。人数を訊かれるような問題もあるので、重複しないように初登場時にしるしをつけてしまうと良い。
次に場面分け。時間・場所・人物の入出などで場面の切り変わりを見る。誰の何を描こうとした場面なのかを考えておく。そして最重要の心情の把握。人物の言動・表情や情景などにも注意して気持ちを想像する。同じ気持ちでも性格が違えば行動は真逆であったりする。最後に全体を見渡して物語のテーマを読み取る。主人公の悩み・葛藤や心の成長が描かれる話が多いだろう。
人間の心理に詳しいほうが有利であるのは確かなので、様々な小説を読み、文学だけでなく映画などでも多くの人物の生き方・考え方に触れることで精神的に大人になっておくことが、国語の試験に大きく資するところがある点は指摘しておきたい。

書き抜き問題・記述問題

穴埋め書き抜きは字数が指定されるものが多い。ピンポイントで答えを探さなくてはいけないので、時間がかかる場合がある。問題の多くは、ある意味段落やある場面の内容からまとめたものなので、おなじ意味段落・場面から探せばよいということになる。探すのに手間取らないように過去問でよく慣れておこう。
2019年度から記述問題にも字数制限がつくようになった。また、例年と同じタイプの記述問題に加えて、論述タイプの記述問題も出題されている。今後は論述タイプも出題される可能性があるので、自分なりの考えを自分の言葉でまとめるといった練習をしておこう。文字数は40~50字程度で、従来と変わりはない。

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2022年度「大宮開成中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

素材文は計8200字ほどで総解答数は48問。書き抜き問題は字数が指定されるので、適切な語句を見つけるのに時間がかかる恐れがある。要点などを見つけやすくする工夫をして時間をロスしないようにしたい。選択肢問題を素早く解き、書き抜き・記述問題にあてる時間を確保しよう。

【大問一】漢字・熟語・文法

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

問一 ① 遊覧船 ② 有終 ③ 見識 ④ 雲海 ⑤ 安否 ⑥ 兼任 ⑦ 背(く) ⑧ 断(つ)

問二 ① 歯が立たない ② 手塩に掛けて

問三 ① 毎日――行くのが

   ② 次第に――深まる  

問四 二十年ごとに200万戸ずつ、倍々に増えていき、40年で四倍になっていることなどが見て取れるので、注意事項に従ってそのうち一点を指摘すればよい。

【大問二】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:18分

雑草は実は弱い植物なのであり、逆境を克服する知恵を身につけて自らの居場所をポジショニングしてきたのだと筆者は述べている。

問一 (Ⅰ) 植物界では雑草は「むしろ」弱い植物とされている。

   (Ⅱ) 「もし」適応することさえできれば…。

   (Ⅲ) ビジネスの世界では隙間といった意味で使われる、「つまり」小さな市場である。

問二 「強いものが生き残り、弱いものは滅び去っていく」「生存競争」などがら、「弱肉強食」が考えられる。

問三 10行ほど前に、自然に対する筆者の見方が述べられている。「自然界は、強いものが生き残り、弱いものは滅び去っていく」のであり、植物の世界にもそれは当てはまると傍線①では表現しているのである。

問四 最悪のコンディションで野球をすることが、慣れていない選手にとってどれだけ大変かが描かれているはずだから、選択肢イが最も合う。

問五 安定した環境では強い植物に勝てないので、「予測不能な」環境で「知恵」を使って生き抜いたのだと述べられている。

問六 もっとも安定した時代として恐竜のいた時代を取り上げ、温暖な気候・地殻変動がないことを挙げている。また、後半では深い森も強い植物にとっての安定した場所に挙げられているので、選択肢ウが合う。

問七 人間の影響が書かれているのは(イ)以降であるから、ここに戻せば文意がつながる。

問八 (ⅰ) ア. 生物学では「生態的地位」という意味で、ある生物種が「生息する環境(六文字)」を意味する、とある。

   イとウ. 都会という「過酷な環境」「厳しい環境」に適応できれば、「ライバルとなる植物」は存在しない。

   エ. 雑草は厳しい環境を克服し、自分の「居場所」を獲得した。

   (ⅱ) 強いものが生きられない場所に居場所を見つけるという弱いものの戦略を、筆者は「自然界のおもしろいところ」と評している→(b)が合う。

問九 人類が登場し植物にとって予測不能な環境が作り出されるのに合わせて雑草は繁栄してきたと説明されている→選択肢アが一致する。

【大問三】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:22分
  • ★必答問題

転校した地方の小学校で、同級生と関係が悪くなってしまった主人公だったが、飛ばされたこいのぼりをひろったことがきっかけになり、リーダー格のヨッちゃんと友だちになれたと感じた。

問一 こいのぼりを届けた先の家でおばさんと話すうちに、気まずくなっているヨッちゃんの名前が出てきたので、予想外のことにドキッとしている。

問二 亡くなった自分の息子タケシと仲が良かったヨッちゃん。そのヨッちゃんと主人公が友達であると(勘違いで)思い込んで、息子とヨッちゃんが遊んでいたころのことを思い出している→選択肢エがよい。

問三 ア. おばさんは、ヨッちゃんはいろいろ「面倒」みてくれるでしょ、と質問した。

   イとウとエ. 主人公が「すぐに友だちになれたでしょ」の部分にうなずいたのだと「勘違い」して、「うれしそう」に微笑んだ。

   オ. ヨッちゃんと友だちなら「タケシとも友だち」だと考え、おかあさんはさらに喜んだ。

問四 おかあさんの勘違いとはいえ、ヨッちゃんと実際には気まずくなっているのに友だちであると思われていること、そんな状態でタケシくんの写真の前にいることが悪く思えてしまって、長居するつもりはなかったのである。

問五 ア. 息子が遊んでいたテレビゲームで、二人の友だちが遊んでいる光景を見て喜んでいる→「うれしそうに」。

   イ. ヨッちゃんが走り出したので「あわてて」追いかけた。

   ウ. タケシのおかあさんから「もう来るな」「新しい友だちを作れ」と突き放すようなことを言われて「悔しそうに」こいのぼりを振り回した。

問六 ゲームをしている最中に「話しかけてくれる(ア)」ようにはなったが、まだしっかり「仲直り(イ)」したわけではなかったので、心残りだった。 

問七 その川はヨッちゃんとタケシがいつも「遊んでた(ア)」川だった。タケシの家からは「川が見えない(イ)」からこいのぼりを連れてきてあげた。この時のこいのぼりは「タケシくん(ウ)」の象徴であったと考えられる。

問八 ヨッちゃんが自然な笑顔を見せてくれたと感じた主人公は嬉しかったが、同時にタケシくんのことが頭をよぎっており、ヨッちゃんの心中も察している→選択肢イが合う。

問九 ヨッちゃんがみせてくれた自然な笑顔や、「(こいのぼりを)拾ってくれてサンキュー」などの言葉を通じて、主人公はヨッちゃんと友だちになれたと感じており、そのことは最後の「少年(主人公)は友だち(ヨッちゃん)を追いかける」の一文で表されている。そんな二人であるから、いまさら細かな言葉のやり取りは不要だと、主人公は感じたのであろう。

問十 今、こいのぼりは主人公の手に握られている。それは自分の友だちである「ヨッちゃん」の友だち、つまり「友だちの友だち」なのである。

攻略のポイント

漢字・文法・慣用句などの言語事項もしっかり出される。地味と言えば地味な分野だが、国語力の基礎になる部分でもあるので、地道に覚えていこう。

字数指定の穴埋め書き抜き問題は本校の特色ともいえるので、できるだけ多くの過去問をこなして十分に慣れておきたい。最新年度では記述問題にも字数制限がついている。論述タイプの記述問題も出された。今後の傾向に注意が必要である

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