獨協埼玉中学校 入試対策
2022年度「獨協埼玉中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成の特徴
大問3つにそれぞれ、漢字の読み書きとことばの知識・小説の読解・論説文の読解が割り当てられる構成が定型となっている。
素材文は計6000~8000字ほど、小説が4000~5000字ほど・論説文が3000字ほどと、小説の方が長い場合が多い。解答数は計30~40問前後。設問形式は選択肢・書き抜き・適語補充が多く、数問の短文記述が混じる。記述は書き抜きを利用できるものと自分で考えて書くものとがある。論説文では段落分けの問題がよく出されているのでしっかりマスターしておこう。
全体としては、難易度も適切なオーソドックスな試験である。
長文読解
・小説
文量が4000~5000字と多めなので、普段から速読を意識して文章を読むようにしよう。小学生や若者を主人公にした物語が多く、主人公の設定次第では小学校6年生にはやや難しい内容になるかもしれない。中・高生向けくらいの物語を多く読んでおくと良い。問題の難易度自体はそれほど高くはない。年齢に見合った理解力があれば答えられる問題なので、長文読解の基本的な実力を養おう。
登場人物の把握――主人公とその他の人物の性格・関係性を見る。
場面分け――時間・場所・人物の出入りなどで場面の変わり目を見分け、その場面の大まかな内容をまとめておく。
心情把握――人物の言動・表情、また情景などにも注意し、なぜそんなことをするのか・どのような気持ちなのかを想像する。
本をたくさん読み、様々な登場人物に触れておくことは、人間の心理を理解するのに大いに役立つ。勉強以外でも、多くの物語に触れることを強く推奨したい。
・論説文
こちらは3000字前後と少なめな文章量になっている。
社会科学的な内容のものが多く、社会人なら理解しやすい事柄も受験生には難しく感じる場合もあると思われ、小説よりも難易度は高めである。しかし文量は少ないので考える時間もあるし、本文から答えやヒントを探すのも手間が少ないので、論説文が得意でない人も臆せずに取り組んでいただきたい。
段落分け――本校では段落分けの問題がよく出されている。形式段落を意味段落にまとめる練習を積んでおこう。意味段落に分けたら、内容を簡単にまとめて小見出しをつけておくと後でわかりやすい。
要点と細部――その段落で一番大事な文をチェックする。傍線を引いてしまうと良い。要点をつなげれば意味段落のまとめができる。
要旨と要約――全体を見渡して筆者の意見を読み取る。普段から、説明的文章を短くまとめる練習をしておくと、論理的な文章の読解力がつくので、実践してほしい。
知識問題
漢字と言葉の知識も必ず出題がある。標準レベルの教材でいいので、1冊しっかり仕上げておくこと。
注意点
自分で考えて答える適語補充の問題などで、字数を限定される場合が多い。求められる内容を少ない字数で的確にまとめられるように慣れておくこととともに、他の字数の言葉で言い換えられると有利なので語彙も増やしておくことを意識していただきたい。
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2022年度「獨協埼玉中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
2022年度は41問の問題数であった。おおむね35問から45問ほどの問題数で、年度により多少のばらつきがある。文量は計10000字ほどと多めであり、書く問題も多いので、なるべく早く読み終えて問題に取り掛かりたい。問題の難易度自体は適切に設定されているので、悩んで時間が足りなくなるようなことはないだろう。
【大問一】漢字の読み書き・対義語
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
Ⅰ ① 採算 ② 晩年 ③ 仕(える) ④ ばいやく ⑤ 浮沈 ⑥ ゆえ
Ⅱ ① 欠点――短所 ② 方法――手段 ③ 関心――興味 ④ 瞬時――即座
【大問二】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:27分
- ★必答問題
主人公が子どもの頃に祖母からたくさんの話をしてもらった思い出の中から、特に祖母の死生観が語られた場面が描かれている。
問一 台所わきの四畳半の祖母の部屋で、おとぎ話や実在の人物の昔話などをたくさんしてくれた、「そうした時間」ということであるから、選択肢エが合う。
問二 「年をとればみんな死ぬ」「牛も人も同じ」「自分にももうすぐお迎えが来る」など、祖母は「死ぬこと」について毎日主人公に話していたと書かれている。
問三 眉唾――騙されないように用心をするべきこと。
問四 A. ぶらんこの勢いで、下腹部が「きゅーんと」縮むような感覚。
B. 「ぐっと」尻を落として足を上げる。
C. ぶらんこを漕ぎ出すときに「ぱっと」足を上げる。
D. 「ぐいぐいと」力強く漕ぐ。
問五 「もう先が長くないのだから、好きにさせてもらう」と悠然とぶらんこを漕いだ。小さい子が順番を待っていても、自分の好きに漕いですぐには譲ってやらなかった。
問六 直前の発言「死んだらそれっきりだ」が字数ぴったりである。
問七 「マサオが死んでからも帰りたいと思っているとしたらかわいそう」「生きてるうちにさんざんつらいことがあったのだから、あの世では楽にならないと理屈に合わない」という二点を挙げて、だから人は死んだらぱっと消えるはずだと祖母は考えている。
問八 直接には胸を指して「心」を意味していると取れるが、十字であれば「生きている者の中」が抜き出せる。
問九 ア. 後で調べて初めて意味が分かった言葉もあるので、×。
ウ. マサオのことをこの時初めて聞いて、祖母に詳しく訊いているので×。
オ. かぎかっこがついている箇所とついていない箇所、両方あるので×。
【大問三】論説的随筆文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:20分
スクールカウンセラー(以下、SC)である筆者が、実例を交えながら生徒との向き合い方や仕事についての考えを述べている。
問一 「(相談できる相手は)家族・先生だけではなくSCもいるのだということを、(生徒のみなさんに)おぼえておいてほしい」と言っているので、選択肢エはおかしい。
問二 「勉強を教えてくれる先生ではない」「相談する人」という受けとめ方であるから、「サポーター(支援者)」がぴったりくる。
問三 無理やり聞き出さず、話したくないことは「話さなくてよい」と尊重することが大切なのである。
問四 Ⅰ. 生徒が相談に来たらしっかりじっくり聴く。「ただし」自らすすんで相談に来る生徒は多くない。
Ⅱ. 「なぜなら」~持ち主だからです。
Ⅲ. 事実の場合もあります。「たとえば」~。
Ⅳ. 「もちろん」解決方法が見つかれば素敵ですが、見つからなくても落胆する必要はないのです。
問五 直前の段落から、「ためらう気持ちがある」「あまり乗り気がしない」がそれぞれ十字で抜き出せる。
問六 「解決方法という答えと出会えなかったとしても」「相談することによって、新しい自分(感情・発想・視点など)との出会い」があり、それが「自分づくりのプロセスになる」のだと筆者は考えている→選択肢エがよい。
問七 「思春期を迎え、論理的思考で自己主張するようになった子ども」と「中年期という人生の折り返し地点で、人生観が揺さぶられている親」とで家庭内が心理的に不安定になっている状態を「揺れる家族」と表現している。
問八 「気持ちの両面」「混ざり合っているさまざまな気持ち」その一つひとつを「子供と一緒に見つけていく」ことが自分づくりにつながる、と考えれば筆者の意見に合うので、(イ)の位置に入れると意味が通じる。
問九 段落最初の「光にも影にも寄りそう」の部分が、傍線部の「気持ちの表と裏」といった内容と同じ意味で使われている。
問十 ウ. 最後の段落の、「感じ、考え、かかわりあう力」を発揮させる助けになるのが「共感すること」であり、「秘められた力が共感と出会う時、子どもたちは、自らを癒し、想像していく」と述べていることと合う。
攻略のポイント
文章量の多い小説の読解と難易度がやや高い論説文の読解と、どちらかで大量失点していると合格はおぼつかない。両分野で一定の得点を狙えるよう、文学的文章・説明的文章どちらも手を抜かず訓練しておこう。
漢字やことばの知識は得点の計算できる部分なので、地道に努力して確実に答えられるようにしよう。
適語補充の字数指定は、適切な言葉を思いつかないと苦労するので、いろいろな言い回しができるように少しでも語彙を増やしておこう。
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