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立教池袋中学校 入試対策

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2022年度「立教池袋中学校の算数」
攻略のための学習方法

立教大学の付属中学であり、中学受験の老舗として2月2日に存在感を誇る立教池袋中学。AO入試の実施など話題も振りまきながら、安定した人気を維持しており、当然のごとく難易度の高い学校である。

さて、その算数は、やはり「老舗の味」で昔から変わらぬ形式を貫いている。時代によって問題の難易に多少の変動はあるものの、そこから受ける印象は変わらない。それは「簡単そうで、簡単ではない」という印象である。ここ何年かの問題を見ても、それは変わらない。

テスト時間は50分で、大問10、小問は20。
問題文はあまり長くないし、図も見たことがあるものが多い。受験勉強をしっかりとやっていればいるほど既視感も強く、問題を始めるにあたっても「この問題は○○と似ている」「これは○○算の考え方を使って」など、迷いなく問題に入り込める。これなら十分解いていける。80点くらいは取れるかな…で、結果は45点だったりする。それが立教池袋の算数である。

点数が取れそうで取れない理由としては、まず「計算が意外と複雑である」点が挙げられる。
計算問題はもちろんのこと、速さや割合・図形の問題でもあえて計算しにくい数値が与えられたりする。考え方はあっているけれども、答えを間違えてしまうという流れだ。ところが、誤答ではあっても、生徒(および保護者)は、「考え方は分っているのだから、今度は計算間違いしないようにすればいいや」と、あまり反省せずに流してしまうことが多い。中には「ここは計算ミスなんだから、できたものとして~」などと、正解の方にちゃっかりカウントしていたりする人も…。しかし、そこが学校側の狙いであるとしたら…。考え方がさっぱり分らなくても、単純な計算ミスでも、×は×であり、不正解に違いない。計算までしっかり出来ていて、はじめて○なのだ。この認識を強く持っておかないと、この手の問題はいつまでたっても正しく答えられないだろう。

また、類似問題を解いた経験があるだけに、解く心に隙が生じるのではないか、という点も挙げておく。
それが集中力を欠くことにつながり、不正解を生む。そのあとに模範解答を見ても「ああ、ここをこうすればよかったのか。ただそれだけのことでいいのか。簡単だ」というあまり反省しない態度のまま通過し、結果的に問題を解いたことが勉強の肥やしになっていかない。

物理的な問題としては、時間不足が挙げられるだろう。
大問を1問5分で解けば間に合うけれども、その場合、見直している時間は皆無である。全体に平易とは言え、設問の(2)には時間がかかるものもある。ときには問題への入り方を誤り、やり直すこともあるだろう。1問を4分30秒程度で解いていくことを考えると、やはりスピードが要求されることになる。解く速さは自覚的に直していかない限り速くなることはない。

テストを終えた後も、「なんとなく出来たような、出来なかったような、でも、わからないということはなかった」という半端な感想を抱く。
これが、1月校の立教新座であれば「なんと手強い問題群だろう…でも、がんばってきた甲斐があった。結構できてるぞ!」と手応え十分だ。もちろんその逆の場合もあろう。どちらにせよ、出来たか出来ないかがテストを受けた側にはっきりと印象づけられるところがある。
ところが、立教池袋の場合、戦って「負けた気はしない」のだ。しかし、数字を見ると点数は上がっておらず、結果もよくない。入試は失敗に終る…。
これが「簡単そうで簡単ではない」という由縁である。

難度の高い問題に挑戦していくより、むしろ対策を立てにくいかもしれない。
出題される内容は、塾や自宅のテキストにあるような問題ばかりだから普段の勉強がそのまま対策につながっている。とりたてて新しいテキストに取り組む必要はない。
過去問を解いていくうちに、時間配分も出来てくる。

では、立教池袋の算数で合格点が確実に取れるようになるには、なにをすればよいのか。
標準的な問題は、「100%確実に解ける力」をつけることだ。
例年の問題を分析してみると、いわゆる「標準的」(いつも勉強中に解いている問題と同レベルの問題)はほぼ解けていることが合格最低点への必要条件になっている。テストの前半、50点分くらいは確実にあてておきたい。そのためには、先ほど注意した計算ミス・考え方のイージーミスなども真剣に反省すること。
計算ミスには、必ず原因がある。計算する字が汚い、解き方に工夫がないなど、たいていの場合はテクニック不足と計算慣れしていないことが主な原因だ。
「12000+1250」のたし算と、「12000×1250」のかけ算をやってみるとよい。たし算の方はあまり問題ないはずだ。

かけ算では、筆算で、「125×12」をまず計算し、あとから「0を4個つけている」生徒は合格。
ノート(計算用紙)を見ると、「1の位をそろえて計算し、やたらと0ばかりたくさん書いている」ようでは不合格だ。かけ算のときは「有効数字」の末尾をそろえて計算するからである。後者の場合、計算ミスが多発するか、またはできていても時間が非常にかかってしまう。こう言った部分で点差または時間差が生じてしまうのだ。

この機会に、改めて四則計算の筆算、単位(面積・体積など)の確認、分配法則など計算の工夫に関する見直しをしておくとよい。
小さな差が最終的に大きな差、取り返しがつかないほどの差になっていくことになる。

各単元の解き方も、しっかりと見直しを図ろう。
「だいたい解ける」、ではなく「確実に解ける」ようにしておくためには、自分勝手なやり方ではなく、堅実な解き方を身につける必要がある。
標準的な問題では、粗雑なやり方でも解けてしまう場合が往々にしてあり、それが危うい実力を過大評価しかねない。

角度を求める問題などで、持っている武器(解く手立て)が「三角形の内角の和」しかないために、角度をすべて求めて答えまでたどり着き正解を得る、という生徒がいたとしよう。その問題はできたものと処理されてしまい、あとで顧みなくなるか、同じような解き方でしか対応できないだろう。基礎的な知識だけでは解き方に限界が来てしまう。立教池袋レベルの学校を真剣に受けて受かりたいと望むならば、他のもっとよい、しかも応用の利く解き方も身につけていってもらいたい。その努力によって、点差はつかないかもしれないが、時間差を有利に作り出すことが出来る。

分野別で見たときに、ここを強化すべきというものは特になく、まんべんなく手を出せるようにしておきたい。
あえて言えば「平面図形」「立体図形」「割合と比」「速さ」「規則性の問題」「数の性質」などは優先的に時間をかけてもいいだろう。例年出題されている分野である。また、この学校特有の出題(図形のまわりの長さなど)にも過去問を通して慣れておきたい。
残された時間を有効的に使い、合格するに十分な「60点以上」を目指して、日々がんばっていこう。

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2022年度「立教池袋中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

例年通り試験時間は50分。問題数も大問が10,小問が20と例年通り。大問1問あたり5分で解いていくことを考えると時間的には余裕がない。

受験者平均が約6割。昨年度よりも若干下がっているが、難易度に大きな変化はない。際立った難問は見られないが、時間的余裕はあまりもてないので、問題文をしっかり読んで素早く取りかかり、できる問題から解答欄を埋めていくという姿勢がつねに必要である。

【大問1】計算問題

  • 難度:
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

(1)小数・分数の混合四則計算

(2)整数・小数・分数の混合四則演算

例年同様大問1は計算問題2題。確実に正答したい。

【大問2】平面図形 多角形の求角

  • 難度:
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

(1)(2)ともに、正五角形の中に対角線が2本引かれた図形における求角問題。これも易問。確実に正答したい。

【大問3】速さに関する問題

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

(1)速さの計算。秒速と時速の変換を忘れずに。

(2)追いかけの旅人算。あゆむ君が125m前のゆうと君に追いつくと考えればよい。2人の秒速が分数値になるので、計算を丁寧に行うこと。

分数計算が必要になるが、考え方は標準的なものである。

【大問4】割合と比の文章題

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

(1)1セットの定価を①とすると、㉚+⑩×0.8=㊳=25460円

(2)サンドイッチ:ケーキ=10:9  ジュース:サンドイッチ=1:3 より連比を取る。㉚+㉗+⑩=760円 

2問とも同様の手法で①を求めることができればよい。逆比や連比など比の基本的な手法も確実に行いたい。

【大問5】割合と比の文章題・円グラフ

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

(1)円グラフにおけるおうぎ形の中心角の比=金額の比 となる。

(2)昨年の漫画は360度のうち154度、今年は全体が1.4倍、漫画が1.5倍。これを比にすると504:231=360:165 となる。

円グラフを使って考える割合と比の文章題。全体の金額:各項目の金額=360:おうぎ形の中心角となることがポイント。

【大問6】図形の移動

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

(1)円の中心の通った長さを求める問題。正確な作図がポイント。特に、角を曲がる部分の作図を丁寧に。

(2)円が通らない部分があることに注意。

円の回転移動に関する出題。丁寧な作図と3.14の計算を正確に行うことを心がけて欲しい。

【大問7】立体図形

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

(1)水面が正方形になるまで水を入れる⇒1辺が5cmの正方形になる。正面から見ると、上底2cm下底7cmの中に上底・下底と平行な5cmの線が描かれることになる。上底の右端(頂点C)から下底に垂直に線を引くことにより、その線の右側にできる相似な1組の三角形を利用すればよい。

(2)底面を変えても水の体積は変わらないことを利用。

水の体積に関する立体図形の出題。(1)における相似な三角形についての処理ができるかどうかが最大のポイント。

【大問8】平均に関する問題(表の読み取り)

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

(1)2か所ある「あ」はそれぞれ算数90点国語70点・算数70点国語90点で同じ人数が入るので、合計点の差には影響しない。「あ」以外で計算すると、国語の合計点は2300点、算数の合計点は2420点、その差は120点。

(2)平均点の差が3点であることから、クラスの人数は120÷3で求まる。

表の読み取りと平均に関する出題。(1)において、合計点の差は「あ」の人数に影響されないことに気づけば、難なく正答できるはずである。

【大問9】数の性質

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

(1)アに入るのは2でも3でも割り切れない数である。ベン図を描いて考えればよい。

2の倍数は200÷2より100個。3の倍数は200÷3より66個、2と3の公倍数

(6の倍数)は200÷6より33個、2または3の倍数は、100+66-33より、133個。従って、2でも3でも割切れない数は、200-133より67個。

(2)ベン図を利用して考えることが(1)以上に大切になる。ウに入る数は、「2と5の公倍数および3と5の公倍数」である。2と5の公倍数の個数は20個、3と5の公倍数の個数は13個、2と3と5の公倍数の個数は6個。20+13-6 より、27個となる。 

倍数の個数をテーマとした数の性質の出題。示された図の理解と日頃の練習量がポイントとなるであろう。

【大問10】立体図形(影に関する問題)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:7分

(1)電球から板までの高さ:電球から床までの高さ=1:2 であることから、板の面積:影の面積=1×1:2×2=1:4 となる。板の面積=3×3×3.14÷2+6×3÷2=23.13 23.13×4=92.52 となる。

(2)電球と影を結んでできる錐体の体積と板によって光が当たらない部分の体積の比を求めると、 2×2×2:2×2×2-1×1×1=8:7 となる。92.52×12÷3÷8×7 より、323.82㎤ となる。

板の上方から光を当てたときの影について考えさせる問題。影の問題を考える上で大切になるのは、相似な図形について考える力となるが、この出題では、光が当たらない空間を考える必要があり、レベルが一段高くなっている。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。

受験者平均点が58.3点(昨年度は63.5点)と、多少難化はしているが、ここ数年60点前後で推移しており、一定の問題レベルを保っている。合格するレベルとしては、70点以上を目標としたい。

大問1と大問2は易問、大問3から大問9までは標準レベルの問題が並んでおり、時間的にも50分というテスト時間内で十分処理できる分量と思われる。

立教池袋の算数攻略のポイントとしては、決して新傾向の問題や難度の極めて高い問題が出題されるわけではないので,ふだん塾で使用している教材や問題集を用いて問題演習を積み重ねて欲しい。典型題が確実に解けるということが大切になる。特に、頻繁に出題されている「速さ」「平面図形」「立体図形」の学習には力を入れること

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