法政大学第二中学校 入試対策
2022年度「法政大学第二中学校の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
大問は4問~11問と年度により異なる。大問ごとに、あるいはいくつかの大問をまとめて各分野に分かれている。総解答数は50問前後。地理・歴史・政治経済と、ほぼ同じ問題数になっている。
あるテーマに沿った短文・長文の資料やリード文を読み、答えていく形が多い。1つの資料に付き複数の答えを求められるパターンもよく見られる。
記号選択が多く、適語記入が数問と2行程度の記述問題が1問出されるのが通例である。問題数の多さには注意が必要である。
地理分野
地形図の読み取り・各地の農産物など(2020年度)や緯度・経度と日本の農林水産業(2021年度)など、一つのテーマに沿ってやや詳しく訊くパターンが多い。テーマそのものについても、また関連する地形・地名や産業などについても問題が出されている。
地図を用いた問題が多いので、各地の地名・地形と位置をしっかり覚えておくこと。2018年度では地形図の読み取りも出題されている。また、ここ数年は雨温図がよく使われているので、日本の6つの気候区を確実に見分けられるようにしておいたほうが良いだろう。なお、2019年度では地図などの資料が全く使われなかった。過去問もよく見て違いを確認しておきたい。
歴史分野
あるテーマに沿って詳しく訊く問題や、幅広い範囲からある項目について答えさせる問題などのパターンがある。旧石器時代~第二次世界大戦後のいろいろな出来事(2020年度)や平安~大正時代の歴史(2021年度)などのテーマが取り上げられた。また、ここ数年は古代の歴史書が史料としてよく使われている。
古代から現代まで広い時代から出題がある。時代順の並べ替えの問題も毎年出されている。各時代、各項目に大きな抜けが無いよう、丁寧に学習しておこう。
政治経済分野
日本国憲法と政治の仕組みを中心に問題が出されている。そこに、時事問題や国際関係の話題も織り交ぜられている。記述問題はこの分野で出されることが多く、衆議院の優越がある理由(2020年度)や核兵器禁止条約の内容と日本の立場(2021年度)などのテーマで1~3行ほどの記述問題が出題されている。
憲法や政治について基本事項をしっかり覚えたうえで、時事問題集などで最新の国内外の出来事・情勢に詳しくなっておこう。
注意点
全体的には基本事項の問題が多いのだが、一部にやや細かい知識を問われる問題がある。憲法の婚姻についての条文や各地の祭り(ともに2017年度)など、詳しく覚えていない人も多かったのではないだろうか。答えられれば差がつくところであるが、問題数の多さを考えるとわからない問題に時間を取られるのは得策ではない。自信のない問題は素通りしてとにかく最後まで一通り終わらせ、答えられたのに時間が足りなかったなどという事態は避けるようにしたい。
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2022年度「法政大学第二中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は44問。選択肢問題が多めである。記述問題は1~3行の字数で2問出されている。問題数は多めだが、地理分野以外で資料の使用は少なめであるので、テンポよく進められるだろう。ペース配分に注意して迷う問題は後回し、最後までひととおり解き進めよう。
【大問1】総合問題
- 難度:標準
- 時間配分:13分
- ★必答問題
問1 飲食で感染する人が多いと考えられたため、休業や時短で飲食業の売り上げが大きく落ち込み、旅行も敬遠された→③が宿泊・飲食サービス。あまり落ち込みがみられなかった②は医療・福祉関連と考えられる→(う)が合う。
問2 医薬品の輸入相手国は1位こそアメリカだが、2位~10位まではドイツ・フランス・などEU加盟国が多くを占めている(2021年)→(い)が対EUのグラフである。(あ)はアメリカ、(う)は中国、(え)はロシアのグラフである。
問3 甲子園があるのは兵庫県。(あ)は瀬戸大橋ではなく、明石海峡大橋が正しい。
問4 (う) ギリシャ神話に出てくる医術の神アスクレピオスが持つ「蛇が巻き付いた杖」
が図案化されている。
問5 (1) 説明から、うるう年になるのは(あ)だけである。
(2) 経度差から時差は225度÷15=15時間、香港の方が時間は進んでいることになる。香港時間27日7時40分はサンフランシスコ時間では26日16時40分となり、出発時間25日23時50分から16時間50分飛行していた計算になる。
問6 (い) 前川が村山下ダムに流れ込んでいるかどうか、地図では確認できる箇所がない。(え) 計算すると、3.5㎝ではなく3㎝で表される。
問7 (1) 新幹線が通っていないのは千葉県、北陸新幹線の終着は金沢であるから、(あ)が正しい。
(2) 2000年にはデータがないことから④は九州線とわかる。残る3つの路線で最も旅客数が多いのは山陽新幹線なので、(う) が正解である。
問8 (1) A地点が最も高く、途中2地点で高所があり、しばらく平坦でC地点近くで川底が低くなっている→断面図(い)が合う。
(2) 等高線が頂上から外方向に張り出している部分が尾根である→う。
(3) 河川近くの平らな土地・水田付近は浸水が懸念される→お・か・き。
問9 ①は青森県の津軽塗、②は岩手県の南部鉄器、③は秋田県の曲げわっぱである。
問10 (あ)は佐渡島、(う) 小豆島、(え)は対馬、(お)は利尻島の形である。
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:【大問2-5】合計で14分
- ★必答問題
問1 『魏志』倭人伝には邪馬台国・卑弥呼に関する記述があり、『漢書』には『魏志』より前の、『随書』には『魏志』より後の日本の様子が書かれている。
問2 漢の皇帝から奴国が授かった金印には「漢倭奴国王」と刻まれている。
問3 中国に貢物をして自分の地位を認めてもらい、権威付けをしようとした。
【大問3】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:【大問2-5】合計で14分
問1 (1) 白村江の戦いの説明である。
(2) 朝廷の出先機関として北九州に大宰府が置かれた。
問2 694年に持統天皇が藤原京に都を移した。
問3 木簡は「庸・調」などの物品を都に運ぶ税の荷札として用いられた。
【大問4】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:【大問2-5】合計で14分
問1 朝鮮半島の江華島は(い)、中国の遼東半島は(あ)の位置である。
問2 それまで朝鮮は中国の属国のような扱いだったが、下関条約により中国は朝鮮を独立国と認めた。
問3 (う)と(お)は下関条約の内容である。
【大問5】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:【大問2-5】合計で14分
問1 1956年に日ソ共同宣言でソ連と、1965年に日韓基本条約で韓国と、1972年に日中共同声明で中国と、それぞれ国交が正常化した。
問2 (い) 農地改革では自分の土地を持つ自作農が増えたので、誤り。
問3 (う) 朝鮮戦争がはじまるとアメリカからの物資の注文が増え、日本は特需景気となった。
問4 (あ) 千島列島や台湾の領有権は放棄したので、×。
地5 (あ) 日韓共催ワールドカップは2002年である。
(え) 3Cはカラーテレビ・自家用車・クーラーである。
【大問6】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:【大問6・7】合わせて13分
問1 (1) 政府 (2) 立憲 (3) 不断
問2 森友問題とは、元総理である安倍晋三氏が、ある学校法人への国有地払い下げに関して有利になるよう働きかけた疑いがもたれ、それに関連した公文書の改ざんが行われて担当だった職員が自殺してしまったという事件である。
問3 内閣が必要と認めた時、あるいはいずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があったとき、臨時国会が開かれる。
問4 (1)・(2) 衆参両議院の総議員の3分の2以上の賛成で可決した場合に発議され、国民投票を行って有効投票の過半数の賛成で憲法改正となる。
(3) (あ)・(い)・(え)は即時発効する内容で、(う)だけ先送りされた形である。
問5 自分の国が攻撃されていなくても、友好国や同盟国が攻撃された場合にはその敵の国に対しての攻撃に参加・協力できるとされた。
【大問7】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:【大問6・7】合わせて13分
問1 2016年に、障害者差別解消法が施行された。
問2 出入国の管理は法務省の外局である出入国在留管理庁が行っている。
問3 (1) 選択的夫婦別姓制度 (2) ヘイトスピーチ (3) トランスジェンダー
攻略のポイント
問題数が多く、基本事項の問題も多い。とにかく最後まで手を付けて、答えられる問題は確実に答える。過去問をよく見て、頻出傾向にある単元・範囲は特に丁寧に覚えておこう。記述問題は短文の説明記述が多いので、記述対策問題集での練習も役に立つ。無理に難問集などに手を出す必要はないが、一部のやや細かい知識を問われる問題は答えられれば差がつく部分なので、基本事項をひととおり覚えたら、さらに詳しい教材で補足しておくのも良いだろう。
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