大学受験プロ家庭教師 弱点克服・志望校入試傾向対策

<弐> 必須!! 己が実力の現状分析

  • 「国語」は本来縦書きですが、レイアウトの都合上、横書きとしました。御了承下さい。

ここまで(1)辿り着いてくれたことは、「 (2)御同慶の至り」だ。少しは「鵺なる現代文」の正体を御理解頂けたであろうか? であれば、次は具体論ということになる。が、焦ってはいけない。対峙すべき「敵」が分かったとしても「内なる敵」が残っている。つまりは、自分自身だ。「 (3)汝自身を知れ」ということだ。「受験科目」としての「現代文」に対する現状の得点力が如何ほどか。決して模試の偏差値だけでは判断できない (4)幾つかの指標に基づいた冷徹な自己分析が必要となる。そして、顕現化した己が実力に応じて対応しなくてはならない。

<弐> 必須!! 己が実力の現状分析

① 「基本的語彙力(「国語」常識含む )」確認

a) 先ずは御察しの通り、前章「脚注」を用いてのチェックだ。(50)までの脚注を以下のように分類するので、それに応じて自分自身が幾つ理解しているかを計数化して欲しい。

❶ 正しく「読む」ことができ、正しく漢字で「書く」ことができ、尚且つ正しく意味内容を「理解」できなくてはならない
脚注 ⇒ (5)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)(17)(18)(21)(25)(26)(28)(31)(37)(39)(46)(47)(49)(50)
→ 以上、各3㌽計66㌽

❷ 正しく「読む」ことができ、正しく意味内容を「理解」できなくてはならない
脚注 ⇒ (1)(2)(3)(4)(6)(19)(20)(22)(27)(29)(30)(32)(33)(34)(36)(38)(40)(41)(42)(43)(44)(45)(48)
→ 以上、各2㌽計46㌽

❸ 正しく意味内容を「理解」できなくてはならない
脚注 ⇒ (7)(16)(23)(24)(35)
→ 以上、各1㌽計5㌽

※ 上記❶❷❸の脚注指標に基づく自分自身の「理解度」合計
105㌽以上 =「問題なし」
94~104㌽ =「ほぼ問題なし」(自らのペースで「語彙力」を磨いて欲しい)
82~93㌽ =「やや問題あり」(更に「語彙力」を磨いて欲しい)
70~81㌽ =「やや問題あり」(意識して「語彙力」を磨いて欲しい)
58~69㌽ =「問題あり」(確実に「語彙力」を磨いて欲しい)
57以下 =「大いに問題あり」
以上をひとつの「目安」とすること。

※ 参考までに、上記❶❷の脚注に就き、文中での「読み」を記しておく(「意味内容」は各自調べて欲しい)。
(1)ぬえ(2)はず(3)まま(4)もっとも(5)ごたくせん(6)ああ(8)かんか(9)よる(10)つながる(11)しかしながら(12)いかに(13)ごい(14)いっちょういっせき(15)あきらめ(17)こうでい(18)そてい(19)おうのう(20)まいしん(21)かつ(22)ちょくせつ(25)もちろん(26)そんたく(27)ようせつ(28)ふほう(29)どうこく(30)おえつ(31)こらえ(32)なきがら(33)きびす(34)そうきゅう(36)いかん(37)つちかわれ(38)ねじ(39)たいじ(40)かんせい(41)かな(42)きょうじ(43)もっけのさいわい(44)しゃにむに(45)しみ(46)まかふしぎ(47)うべ(48)がんしゅ(49)こうじん(50)ちなみに

※ 尚、本章でも「脚注」が続いているが、未知なるものは各自習得して欲しい。

b) 次に、「常用漢字表付表」及び「熟字訓」等難読文字の読みの一例。
(1)行脚(2)平生(3)相殺(4)黒白(5)神楽(6)統べる(7)火影(8)数珠(9)昔日(10)詩歌(11)庫裏(12)祝言(13)言質(14)非業(15)都度(16)憩う(17)功徳(18)所望(19)福音(20)遊山
※正しく読むことができるもの8割以上が「目安」だ。 *正解は本章末尾

c) 上記以外の雑多な「語彙」(「国語」常識含む)」確認の一例。
(1)「午前」「午後」の「午」とは何?

(2)「最期」の意味と違うものは?
       → ①末期 ②臨終 ③終生 ④今際 ⑤終焉 *「読み」も必須

(3)「春秋に富む」の意味は?
       → ①齢を重ね豊かな老年を迎えること
           ②年が若く前途洋々であること
           ③多くの経験があり老獪で強かなこと
           ④周囲を敵に囲まれること

(4)「醍醐味」の意味は?→①贅沢をすること ②本当の妙味 ③醍醐天皇の趣味 ④最高の酒の味

(5)「肝胆相照らす」の意味は?
       → ①苦労しながら学問をする
           ②心を打ち明けて親しく交わる
           ③お互いに批判し合う
           ④親しい者同士で励まし合う

(6) 次の下線部の間違いを正せ→「上や下への大騒ぎ」

(7)「心胆を」に続く語は?
       → ①招く ②促す ③寒からしめる ④遂げる ⑤嘗める *「読み」も必須

(8)「塩梅」の意味は?
       → ①印象 ②具合 ③処置 ④調整 ⑤配置 *「読み」も必須

(9)「普遍」の対義語は?

(10)「看板に偽りあり」と同じ意味は?
        → ①南船北馬 ②羊頭狗肉 ③面従腹背 ④隔靴掻痒 ⑤二律背反

(11)「メタファー」を二字熟語に直すと?

(12)「野暮」の対義語は?

(13)「コンセプト」を二字熟語に直すと?

(14)「鼎談」の意味は?
        → ①三人で話し合う ②座談会を持つ ③意見の交換をする ④熱心に話し合う *「読み」も必須

(15) 「エキゾチシズム」を四字熟語に直すと?

(16) 「揶揄」の意味は?→①軽蔑 ②嘲弄 ③愚弄 ④翻弄 *「読み」も必須

(17) 「畢竟」の意味は?

(18) 次の下線部の間違いを正せ→「二の句が出ない

(19) 「演繹」の対義語は?

(20) 「食言」の意味は?
        ※正しく答えることができるもの8割以上が「目安」だ。 *正解は本章末尾

以上、「基本的語彙力(「国語」常識含む)」の確認をしてもらったが、結果として自らの「語彙力」に不安を覚えた人に、自習用として以下の教材を挙げておく。
  ・ a)b)c)共に上記「目安」には遠く及ばず、そもそも漢字・熟語の「読み」「書き」に不安がある人⇒もう、なりふり構わず超基礎確認が必要。因って、先ずは中学入試用の『四科のまとめ/国語』(四谷大塚)の「言語要素編」等で反復復習すること。

  ・ a)で「問題あり」レベル、b)c)で6割未満の人
        ⇒『現代文最重要語句らくらく練習帳』(学研)等がお勧め。

  ・ a)で「やや問題あり」レベル、b)c)で7割未満の人
        ⇒『頻出現代文重要語700』(桐原書店) 等がお勧め。

  ・ a)b)c)ともに上記「目安」にほぼ達しているが、更にブラッシュアップしたい人
        ⇒『現代文キーワード読解』(Z会出版) 等がお勧め。

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 ② 「読解速度(黙読・音読)」確認

「入試現代文」の設問本文を適切且つ効率的に「読解」しているのかを確認しなくてはならない。よもや本文を読まずして設問に向かうなどという (5)愚の骨頂を犯している人はいないと信じる。だが、 (6)曖昧な本文理解のまま非効率な解き方をしていたり、慎重になり過ぎるが故に時間不足になってしまう人がいるやも知れぬ。

a) 先ずは「黙読」。課題文としては平成23年度センター試験「国語第1問」(鷲田清一「身ぶりの消失」)。下のリンクからダウンロード可能。
http://www.dnc.ac.jp/modules/center_exam/content0404.html
※本課題文を過去問演習で既読の人は、年度を(7)遡る等で初見の「論説文」で挑戦して欲しい。

(1) 通常のテストや模試等で設問を解く為に「内容を理解しながら読む」いつものペースで本文最後まで「黙読」しその時間を計測する。そこから1分当たりの「黙読文字数」を出す(本課題文は約4,300文字)。

(2) 1分当たりの「黙読文字数」の「目安」は次の通り。
     500字未満=平均的中学入試レベル
     ~600字=平均的私立高校入試レベル
     ~700字=平均的高校生レベル
     ~800字=センター試験レベル
     ~900字=私大上位校レベル
     ~1,000字=国公立レベル
     ~1,200字=難関校レベル
     1,200字~=最難関校レベル

※ 「黙読文字数」が600字未満の人はできるだけ「速く」読む練習が必要だが、それ以上であれば現段階では問題ない(但し、次項参照のこと)。

b) 次は「音読」。課題文は上記「黙読」と同じ。
(1) 「黙読」同様のスタンスで、当然ながらしっかりと声に出し本文最後まで「音読」し1分当たりの「音読文字数」を出す。

(2) 次に、自分自身の「黙読文字数」との比較をする。当然「音読」より「黙読」の方が速い筈なので、「黙読」が「音読」のおよそ何倍になったかを計数化する。
※ 通常「黙読文字数」は「音読文字数」の1.5~1.8倍、従って、それ以上の「黙読文字数」の人は「読み飛ばし」ていると考えられ、「設問」を解答するに当たって、「速く」読むことを意識するあまり、逆に非効率的な「読解」(内容を理解していない)になっている可能性がある。

③ 「解法習得度」確認

第1章[⑤「現代文」の「解法」とは何か?]の項で列挙した「解法」一例。果たして、幾つ理解し活用できているだろうか? 「法則」の名称を知っているかどうかはさておき、その内容から解き方を判断でき、実際に応用しているかということだ。挙げた「44例」の中で、もし活用できている「法則」が半分未満であるようなら、実に(8)勿体ない。前章で繰り返し指摘したように、「入試現代文」の「設問」→「正答」の間には明快な「テクスト」に則した思考「プロセス」と「根拠」がある。従って、「解法」を用いることで効率的に「正答」に辿り着けるわけなので、数学の「公式」のように覚えることが得策なのだ。

④ 「基礎的記述力」確認

センター試験はともかく、一般入試では「記述設問」が出題されることが多い(特に上位校では必須)。 無論、「記述」にも「解法」がある(別章で論及予定)。 だが、それ以前にそもそも前提として、答えたい「内容」を正確に採点者に伝える的確な日本語の「文章」を(9)綴ることができているのかを確認する必要がある。「口語」(音声言語)を正しい「日本語文法」に則して「文語」(文字言語)に置換し得ているのかということだ。
一例を挙げる。次の一文は「文」として成立していない。このままでは意味不明だ。そこで、自立語は変えずに、誤っている付属語のみを訂正して正しい「文」に直して欲しい。

「ひとりが人間が内部は発生している状態と極めてよく似た状態は、もうひとりは人間は心は内部が生ずる過程、それに共感である。」

付属語、を(10)所謂「てにをは」等の助詞や助動詞の誤用によって肝心要の「文意」は左右されてしまう。答えるべき正しい「内容」を把握していたとしても、「文意」が通じなくては得点にはならない。上記の誤用を正せなくては、自らの「記述」も危ういということだ。

※ 因みに、例文の付属語誤用箇所は、以下の下線部分だ。訂正は各自考察すること。
「ひとり人間内部発生している状態と極めてよく似た状態、もうひとり人間内部生ずる過程、それ共感である。」

※ [①b)]の解答は以下の通り。
(1)あんぎゃ(2)へいぜい(3)そうさい(4)こくびゃく(5)かぐら(6)すべる(7)ほかげ(8)じゅず(9)せきじつ(10)しいか(11)くり(12)しゅうげん (13)げんち(14)ひごう(15)つど(16)いこう(17)くどく(18)しょもう(19)ふくいん(20)ゆさん

※ [①c)]の解答は以下の通り。
(1) 十二支の第7「うま」(2)③(3)②(4)②(5)②(6)「上を下への大騒ぎ」(7)③(8)②(9)特殊(10)②(11)隠喩(暗喩)(12)粋(13)概念(14)①(15)異国情緒(16)②(17)つまり・結局(18)「二の句が継げない」(19)帰納(20)嘘をつくこと

ちらっと次章の「予告篇」。 第3章は[基本解法(選択肢設問中心)](センター試験+私大中堅校対応)。
    ①「本文」よりも「設問文」が重要?!
    ②「各選択肢説明」を読めば読むほど間違いやすい?!
    ③「正しいもの」と「最も適当なもの」は全く異なもの?!
    ④「傍線部設問」→「傍線部」は無関係?! ⑤「ヴィジュアル式消去法」で二択になる?! 以上の予定。

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