国府台女子学院中学部 入試対策
2023年度「国府台女子学院中学部の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成の特徴]
大問は2つ。【大問1】はことばの知識、【大問2】は長文読解1題という形がここ数年続いている。総解答数は30~40問ほど。使われる素材文は年度により文学的文章の場合と説明的文章の場合とがある。文学的文章は約11000字・12000字(2022年度・2023年度)、説明的文章は4600字・6800字ほど(2020年度・2021年度)の文量であった。
ことばの知識だけで4割ほどの配点がある点が大きな特徴となっている。
[ことばの知識]
大問1つを使って、ことばの知識が詳しく訊かれるのは他校にはあまりない特徴である。
漢字・ことわざ・慣用句・熟語・敬語・外来語など、ひととおりすべての内容が問われている。また、漢字は読解問題の中でも出題される場合がある。さらに、指定された語句を使っての短文作文も毎年出されている。言語事項重視の姿勢がはっきり表れている問題である。
内容もなかなかに難しい。曲学阿世・大同団結(2017年度)などのあまりなじみのない四字熟語が出されたり、意表に出る(2018年度)などめったに使われない表現も見られたりと、言語事項だからと言って通り一遍の楽な問題にはなっていない。
また、いくつかの正解を合わせて1つの得点となる問題も多く、正確な知識が求められる。地道に努力すれば得点できる分野なので、こつこつ勉強を重ねて得点を積み上げたい。中級程度の言語事項の教材をしっかり仕上げて、8~9割の正解を目指そう。
また、短文の作文は指定された語句の意味を知らなければ手もつけられないので、十分に語彙を増やした上で、20~30字で短文を作る練習をしておこう。
[長文読解]
年度により、小説などの年と論説文などの年があり、どちらにも対応しておく必要がある。
文量はさほど多くないので、時間は足りるだろう。設問は書き抜きと記号選択だが、2019年度では短いが自分で考えて書く1行程度の記述が出された。選択肢も紛らわしいものではなく、しっかり読解できていれば正解を選べるだろう。基本的な読解力を養おう。小説であれば、登場人物の整理・場面分け・心情の把握・主題の読み取りなど。論説文であれば、形式段落と意味段落の整理・要点と細部の区別・要旨と要約など。
長文読解の技術を磨いて、文学的文章・説明的文章のどちらが出されても苦手意識を持たずに取り組めるよう、十分な準備をしておかれたい。
[まとめ]
ここ数年の試験は一定の形式が続いている。なるべく多くの過去問に取り組んで、時間配分なども含めて、問題の配置や難易度、特徴のある出題分野などに十分に慣れておこう。
特に言語事項はしっかり得点できれば大きなアドバンテージになるので、十分な時間をかけて頭に入れておかれたい。
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2023年度「国府台女子学院中学部の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
今年度の素材文は論説文で12000字ほどであった。ことばの知識がしっかり出題されているのは例年通りである。
特別に時間のかかる問題は見られないので、前半の知識問題を素早くこなせば、読解問題に余裕をもって取り組める。
【大問1】漢字・ことばの知識
- 難度:やや難
- 時間配分:15分
- ★必答問題
問一 ① 収束 ② 暗(に) ③ 陽春 ④ 望外 ⑤ ぞうさ
問二 腫れ物にさわるような「扱い」――恐る恐るたいせつに扱うこと・ 機嫌をそこなわないように気遣うこと。
問三 冬至に食べると健康に良いとされる南瓜(かぼちゃ)。
問四 「さけて」は形のないものが対象となっている。「よける」は物体を取り除いたり物理的にあたらないようにするという意味で使われているので、「不良品」の場合は「よけて」が合う。
問五 あまり意識されないが「英」には「花・花房」という意味もある。
問六 「ダイナミック」の訳として「動的」とある通り、動きの大きさを表す場合に用いられる語である。
問七 神楽→楽屋・快楽→楽観
問八 おびただしい(夥しい)
問九 かいがいしい――骨身を惜しまず仕事や世話に打ち込むさま。
問十 「手」なので「ひとつ」である。
問十一 「なけなし」は「あるけれども、ほんのわずかである・それだけに貴重である」という意味で、よく「なけなしのお金」などという使い方をする。
【大問2】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:35分
優秀な学校を出た事に強い自負を持ち、主人公にも同じ価値観を強要して他者への攻撃も厭わない母親の元で、反発しながらも抗いきれない主人公の複雑な心情が描かれる。
問一 a. 乱雑 c. 障(らない) f. 就(いて)
問二 母親の一方的な押しつけに反発を覚えている主人公は、わざと言いつけに背いて「手を洗わず、髪を梳かさず……おにぎりをほおばった。」
問三 母親が主人公に押しつけている価値観においては、偏差値の高い学校に行く=学歴ピラミッドの「上の人」になることで、「選択肢」が持てるので有利になれるということのようである。このような人・立場を「特別なもの」と言っているのである。
問四 青木「反対に手を挙げてたよね」「俺も反対した」→主人公「知ってる」「青木君、タワー練習の後、反対意見言おうとしてたでしょ」→青木「うん、でも発言できなかった」→主人公「なんで帰りの会で言わなかったの」という流れである。
問五 「得意げに」とあるので「胸を張る」。
問六 学校独自の決まり「桜丘憲法」で、特別に規制された言葉であるため。
問七 転校したこともなく桜丘小しか知らないくせに、親からの受け売りで上から目線の意見を言っている青木が、主人公にはこどもっぽく見えている。
問八 選択肢ウは、「解き放たれた獣みたいなこどもたち」を離れて見ている立場である。
問九 沖田(先生)の弟子と呼ばれている出畑と近藤の二人のことだが、近藤は女子なので当てはまらないため、答えとしては出畑だけとなる。国貞は反対意見を述べている。
問十 Ⅰ. 痛いとか重い→「主観的」。
Ⅱ. 「客観的」な事実。
Ⅲ. 痛いは「肉体的」。
Ⅳ. 怖いは「精神的」。
問十一 青木に話していた「人間タワー」の内容であると考えられる。同じ内容を八字ちょうどで探すと、主人公の会話の中に「人間タワーの本質」が見つかる。
問十二 ウ. 母親が「外面的な肩書きをひけらかす」様子は描かれていない。
カ. 祖母が母親をどのように育てたかについては語られていない。
問十三 D. 母親の支配から「逃げ出せないことも、逃げ出したくないことも、自分がいちばんよくわかっている」とあり、自分の気持ちをしっかり分析できているので、合わない。
攻略のポイント
ことばの知識については、専用の教材をしっかりこなしておくべきだろう。敬語・外来語なども出されているので油断できない。配点の大きさから、ここで点を稼いでおかないと損である。短文作文も練習を。
読解問題は文学・説明どちらのタイプの文章でも読めるように抜かりなく用意しておく。説明的文章のほうがやや難しい印象を受ける。ぜひ論理的文章を得意になっておいていただきたい。
漢字も熟字訓などがよく出されているので、間違いやすい漢字には特に注意して、語彙を増やしておこう。
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