城北中学校 入試対策
2023年度「城北中学校の理科」
攻略のための学習方法
城北中理科の満点は70点、知識問題、計算問題、問題文・図・表等を読み取った上で答える問題がバランスよく配分されている。適語を答える問題・記号選択問題・計算問題が中心、記述問題は見られなかった。
攻略のための学習法としては、早い段階で基本知識を確実に固めること。夏休み終了までの時期を目途に知識をしっかり固めて欲しい。秋以降は、計算問題や実験・観察問題を中心とした問題演習をしっかり積んで欲しい。
実験器具の使い方について出題されたこともあるので、念のためしっかり学習しておくこと。分野毎の学習法は次の通りである。
<分野毎の学習法>
生物分野 本年度は植物の発芽条件に関する出題であった。ここ数年を見ると、人のからだの働き、キク科の植物、植物の働きなど幅広い単元からの出題が見られる。この分野の学習法としては、植物の分類・つくり・はたらきを中心に、人のからだの働き、動物の分類など生物に関する基本知識をしっかり固めることが最優先である。また、光合成・蒸散・だ液の働きなどの実験や観察について考えるタイプの問題演習もしっかり行って欲しい。
地学分野 本年度は地球の内部構造に関する出題で、基本知識問題に加え難度の高い計算問題も含まれていた。過去の出題傾向を見ると、月・日食と月食など天体に関する出題が多く、湿度と飽和水蒸気量など気象に関する出題も見られる。この分野の学習方法としてまずは、太陽・月・星の動きを中心に基本事項をしっかり固めることに力を入れて欲しい。天体の動きに関しては、なぜそのように動くのかの理屈を理解した上で覚えること。湿度や風の吹き方など気象に関する問題や地層・岩石・地震に関しても知識をしっかり固めて欲しい。
物理分野 本年は大問1と大問2で電気回路に関する出題が見られた。大問1では直列回路と並列回路における豆電球の明るさ、大問2ではLED回路がテーマであり、いずれも考えやすい内容であった。ここ数年の出題傾向を見ると、滑車のつり合いや浮力など力のつり合いに関する出題と電気回路に関する出題が多い。この分野の学習方法としては、ばね・てこ・滑車・振り子・浮力などの基本知識を身につけた上で、計算問題の練習をしっかり行って頂きたい。多少難度の高い問題も含めて演習量を確保したい。電気・光・音についても、演習を通じて理解を深めて欲しい。
化学分野 今年度は中和反応と金属と水溶液の反応について出題された。ここ数年では、気体の発生を中心とした化学変化に関する出題頻度が高い。この分野の学習方法としてまずは、水溶液や気体の性質、指示薬の色の変化など基本知識を固め、中和・溶解度などの計算問題演習をしっかり行って欲しい。
実験器具 過去には顕微鏡の使い方など実験器具の使い方についての出題も見られた。顕微鏡、上皿てんびん、ガスバーナーなど実験器具の使い方や実験の進め方についての学習にも力を入れておきたい。
過去問演習は時間も意識して取り組んで欲しい。その上で、できなかった問題についてはしっかりその原因分析を行い、同じ間違いをしないように対策して欲しい。分析や対策については、プロの家庭教師を是非活用して頂きたい。
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2023年度「城北中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は5、小問数は29で70点満点、試験時間は40分で例年通りであった。適語を答える問題、計算問題が中心で、記述問題はなかった。
知識も必要だが、思考力や計算力を試す問題も多い。問題の配列は昨年同様に、物理⇒化学⇒生物⇒地学 となっている。今年度は電気回路について、大問で2題出題されたことが特徴的であった。試験時間に対して問題数がやや多いので、素早い処理能力も求められる。
【大問1】物理 電気回路
- 難度:易
- 時間配分:6分
- ★必答問題
問1・問2 豆電球や乾電池を並列につないでも明るさに変化はない。豆電球を直列につなぐと乾電池から流れる電流は豆電球の個数に反比例し、乾電池を直列につなぐと流れる電流は乾電池の個数に比例する。また、豆電球の両端を導線で結ぶと、豆電球には電流は流れない。
問3 豆電球の直列回路では、豆電球が1つ切れると、他の豆電球も消える。
問4 図1の乾電池から流れる電流を1とすると、図2では2/3、図3では1、図4では3/4 の電流が乾電池から流れる。従って、最も長持ちするのは、図2の乾電池。
電気回路に関する出題で、直列回路・並列回路における電流を比較する問題。いずれも基本的な内容であり、確実に正答したい。
【大問2】物理 電気回路(LED回路)
- 難度:易
- 時間配分:7分
- ★必答問題
問1 LEDは図1の矢印の方向にしか電気が流れない。
問2 豆電球Aを流れた後、LED-Cに流れる電流LED-Eと豆電球Bに流れる電流に分かれる。従って、豆電球Aに流れる電流が最も大きい。
問3 LED2つを通った後、豆電球Iを通る。
問4 豆電球H、豆電球Gに電流を流すためには、LEDをアの向きにつなげばよい。
大問1に続けて電気回路に関する出題。ここでは、LEDを含む回路についての問題だが、LEDの性質は問題文にも書かれてあり、迷うことなく正答できる内容になっている。
【大問3】化学 中和・金属と水溶液の反応
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
問1 水素の性質についての選択問題。空気よりも軽い。また、水にほとんど溶けないので、水上置換で集めることができる。
問2 Bはアルミニウムが溶けなかったことより中和している。Aは塩酸があまっているので酸性、C、D、Eは水酸化ナトリウム水溶液があまっているのでアルカリ性。
BTB溶液は中性で緑、酸性で黄、アルカリ性で青に変化する。
問3 実験結果より、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を3:2で混ぜると中和する。実験Aでは塩酸が7.5mLあまっており、180mLの水素が発生した。従って、15mLの塩酸に十分な量のアルミニウムを入れると、360mLの水素が発生する。
問4 実験Cでは5mLの水酸化ナトリウム水溶液があまり、540mLの水素が発生している。実験DおよびEより、水素の発生は800mLで止まっている。従って、5×800÷540 より四捨五入して、7.4mL。
問5 (1)塩酸と水酸化ナトリウム水溶液は3:2で中和しているので、15×3/2 より、22.5mL。
(2)水を加えても塩酸が10mLあることには変わりない。従って、10×2/3 より四捨五入して、6.7mL。
問6 (1)塩酸に溶けるが水酸化ナトリウム水溶液には溶けない金属は、鉄とマグネシウム。
(2)塩酸にも水酸化ナトリウム水溶液にも溶けない金属は、金と銅。
中和および金属と水溶液の反応に関する出題。基本知識に加え、比を用いた化学計算の力が試される内容。
【大問4】生物 植物の発芽条件
- 難度:標準
- 時間配分:8分
問1 発芽の際の呼吸に必要な気体は「酸素」。
問2 適温として最もふさわしいのは25℃。
問3・問4 候補の5つのうち1つずつ×にして実験を行えばよいので、実験7までとなる。空気・水・適温のいずれかが×のとき、結果も×となる。
問5 空気・水・適温が○で光・肥料が×のとき、結果が○になることを確かめればよい。
植物の発芽条件の関する出題。発芽条件を調べるための実験についての考察問題が中心だが、いずれも標準的な内容。
【大問5】地学 地球の内部構造
- 難度:やや難
- 時間配分:6分
問1 花こう岩は深成岩に分類される。マグマが地下深くでゆっくり冷えてできた。
問2 げんぶ岩は火山岩に分類される。安山岩や流紋岩と比べると黒っぽい色をしている。
問3 問題文の数字より、地殻は地球全体に対してかなり薄いことがわかる。
問4 問題文の数字より、核の半径は地球の半径より少し大きい。
問5 重さが等しいとき、地殻の高さとマントルの高さの比は11:9となる。従って、22kmの高さの地殻と同じ重さのマントルの高さは18km。
問6 問題文の解釈が難しい難問。図の10kmの厚さの地殻から線Aまでの長さを□とする。エベレストの地殻の1㎟あたり重さは(9+10+□)×2.7。また、10kmの地殻と□kmのマントルの1㎟あたりの重さは、10×2.7+□×3.3 となる。
これより、51.3+□×2.7=27+□×3.3となり、整理すると、□×0.6=24.3。これより、□=24.3÷0.6 、□=40.5。従って、エベレスト地殻の厚さは40.5+19より、59.5km。
問7 南極大陸もマントルに浮かんでいると考えると、氷がとけることにより大陸が軽くなるので、南極大陸は隆起する。
地球の内部構造を中心とした出題。問1・問2は岩石についての知識問題で易問。問3~問5も問題に書かれてある内容が理解できれば考えやすい。ここまでを確実に正答したい。問6は難問。
攻略のポイント
今年度の城北中第2回入試は例年通り4分野からの出題で、物理分野は電気回路について大問2題での出題であった。リード文・図・表を読み取った上で答える問題が中心であった。40分の試験時間に対して問題数がやや多い。計算問題や思考力が必要な問題も見られるが、知識だけで答えられる問題も意外と多い。全体をよく見た上で、解きやすい問題から解答欄を埋めていくことも攻略のための大きなポイントとなる。
本校受験者は、確実な知識を早めに固め、計算問題や実験・観察問題の演習量確保が攻略のための最大のポイントとなる。
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