大妻中学校 入試対策
2023年度「大妻中学校の理科」
攻略のための学習方法
大妻中理科の満点は60点、知識だけで答えらえる問題が多いが、計算問題や思考力が必要な問題も含まれる。また、実験や観察に関する説明を読んだ上で答える問題も出題される。問題練習をしっかり行うことが必要である。
分野毎の学習方法は以下の通り。
<分野毎の学習法>
生物分野
本年は「カビ」についての出題で、考察力が必要な難問も含まれていた。ここ何年かの問題を見ると、動物の働きと体温調節、アサガオについて、雑木林の生物、植物の働き(光合成・呼吸・蒸散作用など)、人のからだの働き、食物連鎖などが出題されている。この分野の対策としてまずは、動物・人のからだの働き・植物についての基本知識を確実に身につけたい。さらに植物や動物の働きについては、それを確認するための実験の進め方等についてもしっかり学習して欲しい。
地学分野
本年は「気象」に関しての出題で、線状降水帯・ラニーニャ現象などニュースや天気予報で使われる用語についての出題も見られた。過去の出題を見ると、月の見え方など天体に関する出題が多く、地震、化石等に関する出題も見られる。今後は天体・気象・地層や岩石・地震など、どれも出題される可能性があると考えて学習して欲しい。天体については単なる丸暗記ではなく、星や月の動き・月の満ち欠けに関してしっかりその理屈(なぜそのように見えるのか)を理解して欲しい。気象に関しては、四季の天気の特徴、雲のでき方、台風についてなどに重点をおいて学習して欲しい。岩石や地層については、岩石の名称などの基本を固めるとともに、地震や火山についても知識を深めておきたい。
物理分野
本年は「ばねの伸びと物体の運動」に関する出題であった。過去の傾向では、力のつり合いと電気の出題頻度がやや高く、光の性質についても出題されている。力のつり合いの学習では、てこや滑車のつり合い・浮力・ばね・物体の運動などについて、計算練習を十分に行って欲しい。電気については、直列回路と並列回路における豆電球の明るさや、電熱線の発熱や電流と磁界についてもしっかり学習すること。また、光の性質や音についても怠ることなく学習して欲しい。
化学分野
本年度は「金属と酸素の化学変化」について出題された。ここ何年かを見ると、水溶液や気体の性質、中和反応などの化学変化に関する出題が多く、ややレベルの高い出題も見られる。この分野で特に力を入れて学習して頂きたいのは、中和や水溶液と金属の反応、金属等の燃焼に関する計算問題。中でも「比」を使って解くタイプの問題は十分に時間をかけて練習して頂きたい。
できる限り早い段階で基本を固め、秋以降は模試や過去問などの実戦的な総合演習、というのが理想であるが、あせりも禁物である。特に苦手と思われる単元については家庭教師のアドバイスなども受けながら多少時間をかけてでもしっかり対策を行って欲しい。
また、模試や過去問で間違えた問題については、やり直しを行うことはもちろん、間違えの多かった分野については、基本からしっかり復習して頂きたい。
過去問を行う際の注意点として、時間配分を考慮することがあげられる。大妻中の理科のテスト時間は30分。むやみに急いで解く必要はないが、どうしてもわからない問題は後まわしにして、できる問題から確実に正答することが大切である。時間切れで手つかずの問題がある、ということは避けるように、日頃から時間配分には気をかけて頂きたい。
時事問題に関しては、秋以降に出版される時事問題対策問題集を活用して頂きたい。
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2023年度「大妻中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4、小問数は20で60点満点。試験時間は30分で例年通りであった。適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心で、図を描く問題も見られた。記述問題はなかった。30分ですべての問題をしっかり考え、答えるにはある程度のスピードも要求される。塾のテキストや参考書の内容が理解できていれば解ける問題が中心であるが、レベルの高い問題も含まれている。できる問題からてきぱきと解答欄を埋めていくといった姿勢が必要である。
【大問1】地学 気象
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
問1 夏日:最高気温が25℃以上 真夏日:最高気温が30℃以上 猛暑日:最高気温が35℃以上。
問2 集中豪雨の被害を及ぼす積乱雲の帯を「線状降水帯」という。
問3 低気圧に吹き込む風の様子を図に描く問題。低気圧に向かって反時計回りに風が吹き込む。
問4 寒冷前線では、暖気の下に寒気がもぐりこみ、暖気が急激に上昇する。
問5 ラニーニャ現象について、図を見ながら選択肢に答える問題。一般的に、ラニーニャ現象が起こっているとき、日本は猛暑になりやすく、日本に影響する台風の数が多くなる。
気象に関する出題。猛暑日・線状降水帯・ラニーニャ現象など近年のニュースや天気予報で頻繁に取り上げられる内容が多く出題されている。時事問題が多い本校らしい一題。日頃から気象に関して興味を持っているかどうかが問われる。
【大問2】化学 金属と酸素の化学変化
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
問1 植物の「光合成」の働きで作られた酸素が鉄と結びついた。岩石が「隆起」することで、鉄鉱石の鉱脈ができる。
問2 図より、酸素は鉄よりも炭素と結びつきやすいことがわかる。酸化鉄から酸素が離れて鉄になったので、酸化鉄よりも鉄の方が軽い。
問3 実験より、酸素は炭素よりもマグネシウムの方が結びつきやすい。問2と合わせて考えると酸素と結びつきやすい順に、マグネシウム・炭素・鉄 となる。
問4 (1)図より、酸素1つの重さを4とすると、炭素1つの重さが3、鉄1つの重さは14となる。
(2)図より、56の酸化鉄から33の二酸化炭素が生じる。
18÷56×33 より四捨五入して、11万トンになる。
鉄などの金属と酸素の化学変化に関する出題。図や実験結果からの考察問題と計算問題が中心。問題文の流れに従って解き進めていくことがポイントとなる出題になっている。
【大問3】物理 ばねの伸びと物体の運動
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
問1 表より6秒周期の運動と考えられる。9.5秒後は3.5秒後と同じ56cmで、上向きに動いている。
問2 実験1の結果より、谷の位置は60cm、1往復は6秒となる。また、10cm間隔のばねの下の板を0.5秒おきに外しているので、10÷0.5 より、山や谷の形は秒速20cmで移動しているように見える。
問3 実験結果について、グラフを作成する問題。
問4 観客席のウェーブと関連して、波の伝わりによって起こる現象についての選択問題。
問5 山と谷の間のばねは120cm(ばね12個分)離れている。周期が6秒であることから、山から谷まで動くのにかかる時間は3秒。従って、3÷12 より、0.25秒おきに板を外したことになる。
ばねの伸びと物体の運動についての出題。ストロボ写真ではなく、板を定期的に外していく実験というユニークな設定になっている。データの読み取り力と考察力が求められる。
【大問4】生物 カビ
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
問1 菌類を選択する問題。シイタケなどのキノコも菌類である。
問2 カビを利用した食品を選択する問題。こうじ菌はしょう油・味噌を作る時に使われる。
問3 カビの胞子に関する文章に適語を埋めて完成させる問題。環境の変化に、に続く言葉なので、対応・適応などが考えられる。
問4・問5 カビDはいずれも生育していないので、働き④が失われている。カビBは物質Yがあるときだけ生育しているので、ウは物質YでカビBは働き③が失われている。カビAは物質Yと物質Zがあると生育しているので、イが物質ZでカビAは働き②が失われている。残ったアが物質Xである。
カビに関する出題。問3までは知識問題で正答したい。問4・問5は考察力が必要な難問。
攻略のポイント
4分野からまんべんなく出題された。ここ何年かを見ても、生物・地学・物理・化学の4分野から出題されていることが多い。従って、何が出題されるか山をかけるような学習は危険である。標準レベルの知識問題が中心だが、計算問題や考察力が必要なレベルの高い問題も含まれている。塾のテキスト等をしっかり学習して基本を固めることはもちろんのこと、計算問題や実験や観察に関する問題の練習も行いたい。
できる限り早く基本を固め、秋以降の模試や過去問演習で実戦力を身につけて欲しい。また、過去の出題を見ると時事的な内容を含む出題も見られるので、時事問題対策も行って頂きたい。
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