大妻中学校 入試対策
2023年度「大妻中学校の国語」
攻略のための学習方法
読解問題
文学的文章・説明的文章・韻文+鑑賞文という形の三題の出題がほぼ定形となっている。鑑賞文も字数の内である点がなかなかに厄介である。素材文の長さは、合計で8000字~10000字ほどにもなり、読むスピードが必要となる。
設問は、抜き出し・空欄補充・選択肢・並び替えなどと共に30字ほどの記述問題も数問あり、全体としてバランスの取れたオーソドックスな試験となっている。
素材文や選択肢の内容も特別に難しいものではなく、適正な実力があれば答えられる。
文学的文章・説明的文章、それぞれ長文読解の基本に沿って経験を積んでおきたい。
物語であれば場面分け・心情把握・主題の理解、論説文であれば段落分け・要点・要旨と要約といった読解の技術に関して、多くの問題をこなして基本力を高めた上で、文量の多さも考慮してスピードをつける練習も意識して行おう。
問題形式
選択式問題が多い点は意識しておかれたい。四択・五択・正解をいくつか選ぶなどパターンも多彩で、設問の指示を見落とさないように注意が必要である。
内容としては、紛らわしいものや意地悪な選択肢は少ないので、読解力があればさほど迷わず正解を選べるはずである。ともあれ、類似問題で十分慣れておくこと。
記述問題も短いものが数問出されている。本文の手がかりをうまく利用してまとめられるものが多いので、こちらも読解力があれば苦労はしないだろう。類似問題で30字前後にまとめる感覚をつかんでおこう。
韻文
韻文+鑑賞文の形で詩・短歌・俳句などの問題が例年、出題されている点が本校の特色とも言える。小学校では十分に学習しない場合も多いので、意識して練習する必要がある。
鑑賞文の中に手がかりを探せる場合も多いが、韻文読解そのものの実力が問われていることは論を待たない。やはり場数を踏むことが実力をつける近道なので、専用のテキストや問題集をしっかりこなしておきたい。短い言葉から、含まれているイメージを的確に捉えられるように、想像力を養っておくことが重要である。
知識
漢字や言葉の知識関連の問題も、必ず出題されている。
基本レベルの学習で良いので、手を抜かずしっかり覚えておくこと。本校のような高得点の試験では、漢字や言語事項での失点はそのまま合否を分けるので、億劫がらずに日頃の地道な漢字・語句学習を欠かさないようにお願いしたい。語彙の豊富さは、長文の読解だけでなく韻文の鑑賞にも多大なアドバンテージとなることは、国語の学習において常に心に留めておいて欲しい事柄である。
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2023年度「大妻中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
読解問題の三題構成。文章ジャンルは、①物語文・②説明文・③俳句・短歌を題材にした解説文など、である。総解答数は39問。言語事項は、読解問題の中に含まれる。設問は全体的に、基本的なものが中心。各文章ジャンルの基本的な読解方法をおさえることで、十分に合格点がねらえる。ただし、素材文の総字数はおよそ10000字超にもなる。スピードを意識した訓練を。
【大問1】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:18分
- ★必答問題
そば店を営む実家のとある一日の出来事が、息子である主人公の視点で描かれる。
問1 「今まで眠っていたのか、今、目が覚めたのか」と確認するくらい、主人公は何かに気をとられていた。原因はその日の「朝のこと(→問3)」にある。そのせいでこの時まで、すべてが上の空だったのである。
問2 主人公の胸中を暗示する情景としての「どんよりとした雲」。
問3 内容としては、父と母が朝にけんかをして、へそを曲げた父がそば店を休業にしてしまったということである。二十字以内にまとめる。
問4 清々する――気持ちが晴れて気分がすっきりする。
問5 そば屋が開いてますようにと祈っていたが閉まったままなので、張り紙に「現実は甘くない」と指摘されたような気になっている。
問6 「休業は昼までにして~お店にして欲しい」という願いを独白しているので、抜き出す。
問7 ハ. 言葉通りの意味で、母に他意はなかったようである。選択肢ロは「看板商品」とまで思っていた様子はないので選ばない。
問8 家の前で入るかどうか逡巡しているので、通りかかった人に不審がられないかを心配している。
問9 ばあさんのことが浮かんだ→掃除しているわけを考えた→わかった→掃除しかできないのかもしれない→だから掃除している→できることをしていた→自分(主人公)にできること……という流れ。
問10 父と母は仲直りしていない・そろそろ常連さんたちが仕事を終えてくる時間である……という状況に不安やあせりがつのっている。
問11 「左官屋さん」の仕事を説明しろということである。左官は建物の外壁などをペンキなどで塗装する仕事である。
問12 今後作ることになるであろう冷やしタヌキそばを宣伝するような内容。「冷やしタヌキそば始めました」など。
問13 すべて主人公の目線で語られているので、自分がその場にいるような臨場感があり、主人公への感情移入がしやすい。
【大問2】説明文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:20分
- ★必答問題
ドバトが日本に住み着いた歴史や経緯が説明されている。
問1 段落冒頭の「奈良時代に日本にドバトがいたと思われる記述」を指している。具体的には『続日本紀』の「白鳩が二回献上された」という内容である。
問2 『源氏物語』の作者は紫式部。
問3 朱雀門に営巣しているハトのヒナを捕ろうとして松明が引火した、とある。それが珍しい「唐鳩」だったとも書かれている。
問4 無類――他と比べるものがないこと。
問5 二段落あとに「象徴」がある。
問6 B 扁額がハトの図柄になっている。「また」ハトを飼育したりハトの形のお菓子を売ったりしている。
C シンボルがハトにちなんでいる。「では」なぜなのか。
D 勝利の背景の象徴とされた、「すなわち」勝利をもたらす瑞鳥である。
E 各地に神社が建てられた、「そして」ハトは使いとされ受け入れられてきた。
問7 他の動物を襲わないハトと、肉食でどう猛なタカが対比されている。
問8 ハトは高い崖に巣をつくる習性があり、昔は高い建物は寺や神社にしかなかった。また、八幡宮の使いとして大切にされたのでエサをやることが良いこととされた。以上の二点が理由として挙げられている。
問9 「おそらく天敵であるネコなどの哺乳類が近づきにくいから」と推測されている。
問10 目をつける――特に注目する・とりわけ興味を持つ。
問11 問8参照
問12 鳥などどこにでも生息していそうなのにドバトは神社仏閣に限られていたのだから、予想に反して「少ない」と言える。
問13 ドバトが営巣するのに好む崖に似た高層建築が増えたせいである。
問14 イ. 第二連の第一段落の内容と合っている。
【大問3】短歌の鑑賞
- 難度:やや難
- 時間配分:11分
若山牧水の短歌を読んで答える問題。
問1 背景の青色に溶け込まない白鳥は「周りにとけてゆけない自分」の比喩である、という鑑賞文から考える。
問2 「イ・麦藁帽」「ロ・色鉛筆」「ハ・向日葵」などは現代短歌で使われる用語である。言葉遣いの違いからもハとロは古文とわかる。
問3 「通じるものがある・理解できる」という意味で「ぴんとくる」。
問4 空の青さ・海の青さ・鳥の白さを「青と白のコントラストのあざやかさ」と表現している。
問5 【Ⅰ】 青い空、青い海 【Ⅱ】 周りの人たち 【Ⅲ】 周りにとけてゆけない自分
【大問4】漢字の読み書き
- 難度:標準
- 時間配分:1分
① (虫)干(し) ② 功績 ③ 綿密 ④ じろん
攻略のポイント
例年、合格者平均点が高めであることを考えても、問題の難易度自体はそれほど高くない。大問3つでかなりの文量になる。スピード重視の練習を積んでおこう。そして本文を何度も読まずに済むように、設問に先に目を通して解答を探しながら読むといった策も必要となろう。
必ず出される韻文への対策も抜かりなく。短い言葉から的確なイメージを浮かべられるように十分に慣れておきたい。
言語事項の出題も見られるので、標準レベルの知識は得ておこう。
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