大宮開成中学校 入試対策
2023年度「大宮開成中学校の算数」
攻略のための学習方法
大問1~3で出される計算、小問は6割という高い配点であり、なおかつ受験教材において定番として扱われる問題がほとんどであるから、この3題でいかに高得点を取るかが極めて重要と言える。まずは受験教材に載っている各単元の基本的な考え方を理解し、標準程度とされる問題を一通り自力で解けるようにしたい。それが済んだら、本校過去問の大問1~3か、10問程度の計算と小問がランダムに掲載されている問題を繰り返し、ほぼ毎回高得点をとれる状態にしておくような練習をしておきたい。
大問4~7についてはおよそ半分が受験教材で学習する内容、もう半分は初見と感じる人が多い内容となる。前者の得点率を高める学習としては、過去問演習や受験教材を使った演習を継続することが有効と思われる。一方の後者の得点率を高める学習としては、第一に過去問演習、第二にパターンが無いような問題に挑戦するような学習が有効と思われる。後者は人によっては高度な要求ともなりかねないから、理解の程度によっては割愛しても良い。
以下、頻出単元について対策法を述べる。
【文章題】
和と差、割合、速さの文章題の練習は必須と言っても良い。文章題を解く鍵は、述べられていることを、数値を使って整理したり、線分図や面積図、ダイヤグラムなどの図を描くことで整理したりすることにあると言っても良い。丁寧に解説されている参考書を読んだり、先生に教えてもらったりするなどして、その手法を学んで欲しい。
【図形】
この分野は解法のパターンが絞られていること、文章題と異なり、自分で図を描く必要がないことから、比較的対策の効果が出やすい分野であるから、是非、練習を重ねて得点源にしておきたい。小学校で学習する三角形、四角形、円、扇形等に関する学習は勿論、相似な図形、辺の比と面積比の関係、図形の移動が絡む問題についても深い理解に達しておきたい。
【調べ作業を伴う問題】
このタイプの問題に強くなる秘訣は、詰まる所、経験を積むという点にあるように思う。それから、「算数はパターンだ」という感覚は、勿論有効に働くときもあるが、特にこの手の問題に対峙するときには、役立たない場合もあることを念頭に入れるべきだと思う。書かれていることを率直に受け止め、自分の手を動かして情報を集め、自分の目で確かめるという姿勢が何よりも重要だろう。問題文または問題の作者という他者とのコミュニケーションをしましょうね、ということでもあるように感じる。自分を含め、普段周りにいる人とのコミュニケーションをとってみることが案外有効な対策となるかもしれない。はまれば奥の深い単元だ。
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2023年度「大宮開成中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
例年通り、大問1が計算4問、大問2が文章題の小問5問、大問3が図形の小問3問、大問4~7がテーマ毎に2問ずつ、計20問という形式だった。7,8割程度は受験教材において定番とされる内容で、残りはそうではないものという印象。50分という制限時間であることを考えると1問に掛けられる時間は2分強。
【大問1】計算
- 難度:易
- 時間配分:8分
計算では整数、小数、分数、( )、{ }が含まれる四則計算、逆算が出題された。難易度は高くなく、本大問のみで全体の2割の点数であるから、入念に見直しを行い確実に得点したい。
(2) 工夫を行うことで楽に正解に辿り着きたい。小数点をずらすことと、分配法則の利用の2点が思い浮かべば良い。
(3)(4) 小数を分数に正しく変換することと、計算の順番を正しく理解し適用できることの2点が試されている。逆算の問題では答えを□にあてはめて検算することを心掛けたい。
【大問2】小問(文章題)
- 難度:標準
- 時間配分:10分
受験教材において定番の問題として扱われる標準的な難易度の5問。是非高得点を狙いたい。答えが出た後に、問題文の通りになるか否か確かめると良い。
(1) 連比に関する基礎的な問題。前項後項の取り違え等に注意したい。
(2) 受験教材では定番のニュートン算。同様の問題を解いた経験が無いと厳しいだろう。
(3) こちらも定番の年齢算。文中の6倍が何と何を比較したものであるのか正しく把握することが重要。
(4) 差集め算。述べられている2つの配布法について、冊数の違いが生じる原因を探るのが基本姿勢。図を描くとそれが認識しやすくなるのでおすすめ。
(5) 仕事算。2文目を言い換えられると良い。
【大問3】小問(図形)
- 難度:標準
- 時間配分:6分
いずれも図は与えてくれているが、見るだけでなく補助線や数値の記入などをしながら解くことを心がけたい。難易度はいずれも標準的。
(1) 平行線と角の問題。すでに引かれている平行線と平行な直線を描き足すのが定石。
(2) 相似の利用に関する問題。受験教材では定番とされるピラミッド型、チョウチョ型(クロス・砂時計型)の利用ができないか、という気持ちで眺めれば補助線を引くべき場所が見えてくる。
(3) 容器と水に関する問題。相似比と面積比の関係、柱体の体積と底面積および高さの関係を利用し、なるべく低労力で答えを出したい。
【大問4】濃さ
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
小学校の学習内容を適切に理解できていれば十分正解を狙える内容。砂糖と食塩という2種類の溶質が関係する点が珍しいが、特殊な考え方は不要で、文章を正しく読み取れるか否かを問うような問題。
(1)(2) 濃さが一定の場合、溶けている砂糖や食塩の量は水溶液の量と比例する、という基本的な関係させ理解できていれば解ける。文で述べられている内容を元に、答えを出すために必要な情報を適切に算出、整理するという、文章題の基本ができるか否かを問うていると言っても良い。
【大問5】調べ
- 難度:標準
- 時間配分:6分
コラッツ予想を題材とした問題。それについての知識は不要。書いてある通りに書き出し、自分の目で確かめるという姿勢させあれば良い。
(2) 逆順に調べるのが基本。まずは最も大きいものを考えると良い。
【大問6】速さと比
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
ある程度、同じような問題を解く経験を必要とする内容。練習の成果が試される内容と言っても良い。線分図やダイヤグラム(進行グラフ)などに情報整理しながら解き進めたい。
(1) 速さと比に関する定番の問題。こちらだけなら図を描かずに解ける。
(2) 中には図無しでも解けるという猛者もいるかもしれないが、こちらは図を用いることをおすすめしたい。
【大問7】平面図形(図形の移動)
- 難度:やや難
- 時間配分:7分
文意把握、情報整理などの観点からして、やや発展的と言えるかもしれないが、ある程度調べていった矢先、勘所が見つかれば、大した労力は必要無い、というオチが待っている。「調べる」という行為を楽しみながら行えるような人にとって有利。
攻略のポイント
得点全体の6割を占める大問1~3は、受験教材において定番とされる内容が主たるものであるため、Sクラス狙いの人はこの3題に時間をかけるべきだろう。一方、Tクラス狙いの人にとっては高得点をとっておかないと厳しいと考えた方が良い。大問4~7については、問題によって相性が分かれる所。文を読み、解けそうと判断したものから優先的に解くのが得策と思われる。1題や2題捨ててしまったとしても割り切って、確実に正解できる問題を1問でも多く確保する姿勢が必要だ。
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