芝浦工業大学柏中学校 入試対策
2023年度「芝浦工業大学柏中学校の算数」
攻略のための学習方法
芝浦工業大学柏中学校、算数の満点は100点。標準的な問題が多いが、ややレベルの高い問題も含まれる。試験時間は45分でやや短いが、慌てることなく、落ち着いて取り組んで欲しい。できる問題から解答欄を埋めていくことを心がけること。各単元の出題傾向と学習法は次の通り。
<単元毎の傾向と学習法>
計算問題
例年1~2題出題される。今年度は整数・小数・分数混合の□を求める問題であった。工夫が必要な問題が出題される年度もあり、日頃の計算練習の際には、少しでも簡単に計算するにはどうすればよいか?といった意識で取り組んで欲しい。また単位の計算問題が出題された年もあるので、面積や体積の単位変換についてはしっか覚えておきたい。
文章題
今年度は割合と比の文章題が2題、タイマーとストップウォッチを題材にした速さに関する問題が1題、いずれも大問で出題された。ここ何年では、速さに関する問題(速さと比・流水算・旅人算・時計算)、ニュートン算、和差算、売買損益算、食塩水の濃さ、年齢算などの出題が見られた。今回は出題されていないが、時計算の出題がやや多いことには注意が必要。ややレベルの高い出題も見られるが、テキストや問題集での練習を行えば正答できる問題が中心である。出題される可能性が極めて高い速さに関する問題では、旅人算・時計算・流水算・通過算・ダイヤグラムの読み取りなど幅広く学習しておくこと。
数に関する問題
今年度は場合の数についての出題で、場合分けや丁寧な調べ上げが必要なややレベルの高い内容であった。過去には、場合の数、単位分数、数表や数列に関する問題、数の性質など幅広く出題されている。場合の数の出題がやや多いので、しっかり練習しておきたい。単に計算で求めるものだけでなく、場合分けや調べ上げといったタイプの問題の練習も行うこと。また、数列や数表、割り算のあまりに関する問題等もしっかり練習して欲しい。
平面図形
今回は小問集合の中で角度を求める問題が、大問では図形の移動について出題された。ここ数年の問題を見ると、30度-60度-90度の直角三角形、図形の移動、影に関する問題等、趣向を凝らした問題も見られる。また立体図形の問題の中でも平面図形における解法が必要な問題も見られる。
この分野の対策としては、まずは相似や高さの等しい三角形など、比を用いて解く問題の練習をしっかり行うこと。また、図形の移動についても出題の可能性が高いので、力を入れて学習して欲しい。日頃から、等積変形・円周率の計算はできる限りまとめて1回だけ行う、といった工夫を考えて問題に取り組んで欲しい。
立体図形
今年度は大問で立方体を切断してできる立体の体積と展開図について出題された。ここ数年では、図形の切断、回転体の求積等が出題されており、回転体の求積は出題頻度が高い。
この分野の学習法としては、立体の切断や回転体の求積については特に力を入れて欲しい。また、水の体積や深さの変化についても問題練習を行って欲しい。
模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して頂きたい
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2023年度「芝浦工業大学柏中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
独立小問が2題、大問が6題で100点満点、試験時間は45分であった。合格者平均は例年6割程度で昨年と比べるとやや難化している。すべての小問数は17で多くはないが、記述問題や思考力を必要とする問題も含まれており、時間的ゆとりはあまりない。できる問題から解答欄を埋めるよう心がけて欲しい。
【大問1】小問集合
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
(1)計算問題
整数・小数・分数の混合の□を求める計算問題。やや複雑ではあるが、落ち着いて計算して欲しい。
(2)平面図形
角度を求める問題。正三角形と二等辺三角形の角度をヒントに、わかる角度から図の中に書き込んでいくこと。
計算問題・平面図形の小問2題。(2)は易問。(1)の計算を慌てることなく丁寧に取り組むこと。
【大問2】割合と比の文章題・集合
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
(1)2題とも不正解の人の数を①とすると、2題とも正解の人数は③、Bだけを正解した人数も③となる。④=400-320 より80人。③=60人となる。
(2)Bを正解した人は⑥=120人で、全生徒数の30%となる。
割合の比の文章題。ベン図を利用して条件を整理すればよいであろう。
【大問3】割合と比の文章題・消去算
- 難度:やや難
- 時間配分:5分
【大問4】立体図形
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
(1) 立方体の1辺の長さを2とすると、立方体の体積は2×2×2=8 切断する三角すい1つの体積は、1×1÷2×1÷3=1/6 8:8-1/6×8=6:5 となる。
(2) 切断してできた立体の展開図を選択する問題。三角形と正方形の個数が正しいか、三角形どうしや正方形どうしのつながりがないかに着目すること。
立体図形に関する出題。立方体の8角を切断するという中学入試頻出の内容であり、比較的解きやすい内容である。
【大問5】速さに関する問題
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
(1)記述問題。タイマーAに設定した時間÷2 の時間で、AとBに表示される時間が
同じになる。したがって、Aに奇数の時間を設定すると、秒の単位が小数になってしまい、同じ時間が表示されることはなくなる。
(2)AとC、AとBによる旅人算と同じように考えればよい。AとCの表示が同じになるのは、10÷(1+2)より、3分20秒後。AとBの表示が同じになるのは、10÷(1+1)より5分後。5分-3分20秒 より、1分40秒後となる。
(3)Aに設定した時間を15とする。AとCの表示が同じになるまでの時間は⑤、AとBの表示の比が2:3になるまでの時間は⑨。⑨-⑤=④=3分より、15=11分20秒となる。
タイマーとストップウォッチの表示がテーマというユニークな問題設定だが、考え方としては速さに関する問題で、旅人算と同様の処理を考えればよい。(3)では比の設定に工夫が必要。
【大問6】場合の数
- 難度:やや難
- 時間配分:9分
(1)サイコロを1回振った場合:1通り、2回振った場合:3通り、3回振った場合:3通り、4回振った場合:1通り、計8通り。
(2)出た目の合計が6になる場合を、(1)同様に場合分けして考えればよい。
(3)「4.スタートに戻る」 に止まる場合と止まらない場合を考える。4のマスに止まる場合;4までの進み方が(1)より8通り、その後スタートに戻りゴールに進む場合が(2)より32通り。従って、8×32 より256通り。
4のマスに止まらない場合、(1)で4のマスに止まった後の進み方が2通りあることを利用して、32-8×2 より16通り。従って、256+16 より272通り。
場合の数に関する出題。(2)までは場合分けをして丁寧に考えること。(3)は(1)(2)の結果を利用することが簡単に解くためのポイントとなる。
【大問7】図形の移動
- 難度:標準
- 時間配分:8分
(1)円の中心が移動してできる軌跡を選択する問題。正方形の形に凹んだ部分を通過するとき、凹みに入るときと出るときはおうぎ形の弧を描くことがポイント。
(2)(1)で選択した軌跡の長さを求める問題。半径6cm中心角30度のおうぎ形の弧2つ分と6cmの直線部分2つ分にあたる。
(3)まずは、円の中心の動いた軌跡を作図すること。求める面積は、半径6cm中心角90度のおうぎ形2個分、半径6cm中心角30度のおうぎ形6個分、1辺6cmの正方形7個分、1辺6cmの正三角形3個分にあたる。1辺の6cmの正三角形の高さは、問題で示された三角形の辺の比を使い、3×1.73より、5.19cm。
図形の移動についての出題。(3)は作図と正確な計算がポイント。
攻略のポイント
大問1は計算問題と平面図形の小問集合で、その後大問が6題の構成になっている。
大問のテーマは、割合と比の文章題から2題、立体図形、速さ、場合の数、図形の移動であった。速さに関する問題では、記述問題も含まれていた。
各大問において、前半の(1)または(2)までは比較的考えやすい問題、後半の(2)または(3)は思考力が必要なレベルのやや高い問題という構成になっており、各大問の前半を確実に正答することが得点を上げるための大きなポイントになる。
本校合格へ学習を進めていく上で大切なことは、正確な計算力を身につけ、苦手単元を作ることなく、すべての単元の基本をしっかり身につけることである。その上で、ややレベルの高い問題についてもしっかり演習を積み重ねておきたい。
記述問題について特別な意識は必要ないが、日頃から式や図をしっかり残す習慣が大切である。
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