渋谷教育学園幕張高校 入試対策
2023年度「渋谷教育学園幕張高校の英語」
攻略のための学習方法
全体的には標準的な問題であるが、特に習得して欲しい文法事項を何点か指摘しておきたい。
第一に、完了形である。完了形については、現在完了と過去完了についてしっかり学習しておいて欲しい。特に現在完了については、完了（結果）、継続、経験の用法があるのでそれぞれ例文を参照して特徴を理解しておいてほしい。また、経験の完了形の疑問文とその答え方、否定文の作り方につい十分な理解をしておくこと。
第二に、接続詞としてのasについての用法をよく覚えておいて欲しい。意味としては①～なので（理由）、②～のとき（時）、③～だけれども（譲歩）、④～のように（様態）、⑤～につれて（時の経過）などが主要な意味である。Asについては、接続詞の他に前置詞の使い方がある。ここで、接続詞と前置詞の違いを確認しておきたい。接続詞は文章が続くが、前置詞の場合は後に名詞が来るということである。意味を考えないと前置詞か接続詞化の見分けがつかないということではなく、文章か名詞かの区別を見ればよいのである。その上で、前置詞であればasは①～として、という意味であることをしっかり覚えておいて貰いたい。
第三に、関係代名詞である。先行詞が人物であるか物であるかで使用する関係代名詞が異なること、そして主格（主語の位置で使う形）、目的格（目的語の位置で使う形）、所有格（所有の位置で使う形）で各々使用する関係代名詞が決まってくるということも理解していて欲しい。さらに、目的格は省略されることもあるというルールを含めて、関係代名詞については最重要項目としてしっかり参考書や問題集を使用して確認を怠らないように。受験生は英文が長くなれば長くなるほど、内容把握が難しくなる実感を持っているかもしれない。では、英文は何故『長く』なるのか。その主要な原因が『関係代名詞』である。先行詞にどんどん関係代名詞をつなげていくことによって英文は長くなる。したがって、長い英文を正確に読むことができるかどうかは、関係代名詞をいかにマスターすることができるかどうかにかかっているということになる。
第四に、強調構文である。基本的な形は『It is ～ that …』である。『～』の部分を強調するための構文である。何を強調できるかというと、動詞以外は何でも強調できる。主語、目的語はもちろんのこと、前置詞句も強調できる。主語を強調する場合は、『It is you that did such a thing.（あなたがまさにそんなことをやったのだ）』となる。また、前置詞句（場所など）を強調する場合は、『It is at the station that you did such a thing.（まさに駅であなたはそんなことをやったのだ）』となる。さらに、強調するものが時間ならば『when』、人物ならば『who』、場所ならば『where』、理由ならば『why』とそれぞれthatと置き換えて使用することができる。こうすることにより、強調するものがより鮮明に確実に読み手に理解して貰うことでできるのである。受験英語にとって上記事項だけが全てではないが、この事項を参考にしながら、基本的文法事項をしっかり習得して欲しい。
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2023年度「渋谷教育学園幕張高校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
【大問１】長文読解問題(適語句選択)である＜8分＞。
【大問２】長文読解中における整序問題である＜8分＞。
【大問３】自由英作問題である＜6分＞。
【大問４】長文読解総合問題(説明文)である＜10分＞。
【大問５】長文読解総合問題(物語)である＜18分＞。
【大問１】 適語句選択問題
- 時間配分：8分
① ask＋人＋for+物事で「人に物事を求める」というイディオムである。
② 前後の文脈は正反対になっている。
③ 将来の出来事について述べているので時制は未来形になる。
④ 直前のlikeは「～のような」という意味の前置詞であるので、後ろには「名詞」がくる。したがって～ing(動名詞)を選択する。
⑤ 「何万もの～」という意味にしたい。
⑥ 「たった数百ドル」としたいので、just a fewである。
⑦ 「少しずつ」としたい。little by littleである。
⑧ 過去の出来事に関する記述であるので時制は過去形になる。
⑨ 「もう一つの例」としたいのでanotherである。
⑩ 一般動詞を修飾する副詞は動詞の前に置かれる。また、主語はthings(複数)なので動詞はmakeになる。
【大問２】長文中における整序問題
- 時間配分：8分
１．主語をThe workerとし、関係代名詞whoを用いてwho tells you whereと続ける。
２．主語はItとする。次に、used to ～「かつては～したものだった」という過去の習慣の表現を続ける。
３．makeに注目して第5文型のmake+目的語(O)+補語(C)の形にする。もう一つの動詞はgive+人＋物事としてand(等位接続詞)でつなぐ。
４．Othersを主語に置く。to不定詞の形容詞的用法を用いて文を続ける。
５．whenで続く副詞節を考え、その節の中の主語はtheyとなる。
【大問３】自由英作文問題
- 時間配分：6分
(１)「利用者数がこの30年で大幅に減りました」という和文英訳である。「～の数」はThe number of ～であり、これは単数扱いである。また、「この30年で」とあるので現在完了形を用いて英作する。
(２)「列車ほどたくさんの人は乗せられません」という和文英訳である。「～ほど…ない」は、not … as(so)＋原級+as ～を使用する。
(３)「車を運転できない多くの高齢者がこのシステムを利用しています」という和文英訳である。関係代名詞whoを用いて英文を組み立てる。
【大問４】説明文に関する長文総合読解問題
- 時間配分：10分
問１． 英文英答問題＜2分＞
英問の内容は以下の通り
１．「この文章は主に何についてのものか」である。
２．「第一段落の『ナバホ族の人たちが自分たちの言語を武器に変えた』の意味するところは何か」である。
３．「なぜナバホ語は『秘密の言語』として選ばれたのか」である。
４．「次の言葉のうちどれが第四段落にある『暗号化、送信そして解読する』の代わりとして最適であるか」である。
問２． 要旨把握問題＜2分＞
直前にあるナバホ語の変換の規則性に注目すること。
問３．内容正誤問題＜3分＞
本文内容と一致するのは以下のア、ウ、オである。
ア．「アメリカの先住民は、独自の方法で第二次世界大戦中に重要な役割を果たした」という内容である。
ウ．「暗号の解読者たちは、ある言語から他の言語へ言葉を翻訳しなければならなかった」という内容である。
オ．「終戦後でも暗号解読者たちは、戦時中に自分たちが行ったことについて語らなかった」という内容である。
問４．英文解釈問題＜3分＞
下線部中のthenは1968年のことを意味している。ナバホ暗号が1968年になってようやく明らかになった、ということである。
【大問５】物語に関する長文総合読解問題
- 時間配分：18分
問１．適語選択問題＜2分＞
2匹いる猫のうち1匹について探しているのである。
問２．語句解釈問題＜2分＞
筆者が猫を探している状況が読み取れるので、search everywhere for missing Dieselである。
問３. 文脈把握語句解釈問題＜2分＞
内容をじっくり考えると「ディーゼルは、15分以上台所の壁に閉じ込められているかもしれない」が適切な選択肢である。
問４．文整序問題＜3分＞
Ａ 消防士の問いへの返答になる。
Ｂ Ａのthe ownerと連絡が取りたいと消防士が発言する。
Ｃ そしてthe ownerと連絡がつかない、と答えるのである。
Ｄ 次に猫の名を呼ぶことを消防士が示唆するのである。
Ｅ 最後に、猫の名を呼んでも無駄だと筆者が語るのである。
問５．適文補充問題＜2分＞
猫が何匹いたのかを問う場面であるので、how many cats does she have ?となる。
問６．指示語問題＜2分＞
本問は直前の疑問文に対する返答になっていることを手掛かりに考える。
問７．適語補充問題＜2分＞
ロブが取ろうとしていたのはa round disc である。つまりclockのことである。
問８．要旨把握問題＜3分＞
本文から時計は15分ごとに「ニャー」という声が出る仕組みになっているが、時計により鳴き声は4回であるので15×(4－1)＝45分となる。
攻略ポイント
全体的にみると、すべての分野から出題されている。合格点を取るための知識としては、基本的な文法事項、イディオム、長文読解力（速読力と精読力）が求められ、かつ聴く力が必要である。受験生の中には、相当量の文法知識を蓄積している場合もあるだろう。しかし、大事なことは、知識として蓄積している様々な知識を適切にかつ迅速に設問に当てはめられるかである。言い換えれば、一つの問題にその正解へとつながるヒントが詰まっている「記憶の中の知識の引出し」を自力で正確に開けられるかどうかであり、知識のアウト・プットの的確さである。そのためにも、いろいろなレベルの問題に慣れておくことが必要であるし、長文読解も数多くの英文を読む習慣が不可欠である。