法政大学第二中学校 入試対策
2023年度「法政大学第二中学校の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
大問は4問~11問と年度により異なる。大問ごとに、あるいはいくつかの大問をまとめて各分野に分かれている。総解答数は50問前後。地理・歴史・政治経済と、ほぼ同じ問題数になっている。
あるテーマに沿った短文・長文の資料やリード文を読み、答えていく形が多い。1つの資料に付き複数の答えを求められるパターンもよく見られる。
記号選択が多く、適語記入が数問と2行程度の記述問題が1問出されるのが通例である。問題数の多さには注意が必要である。
地理分野
地形図の読み取り・各地の農産物など(2020年度)や緯度・経度と日本の農林水産業(2021年度)など、一つのテーマに沿ってやや詳しく訊くパターンが多い。テーマそのものについても、また関連する地形・地名や産業などについても問題が出されている。
地図を用いた問題が多いので、各地の地名・地形と位置をしっかり覚えておくこと。2018年度では地形図の読み取りも出題されている。また、ここ数年は雨温図がよく使われているので、日本の6つの気候区を確実に見分けられるようにしておいたほうが良いだろう。なお、2019年度では地図などの資料が全く使われなかった。過去問もよく見て違いを確認しておきたい。
歴史分野
あるテーマに沿って詳しく訊く問題や、幅広い範囲からある項目について答えさせる問題などのパターンがある。旧石器時代~第二次世界大戦後のいろいろな出来事(2020年度)や平安~大正時代の歴史(2021年度)などのテーマが取り上げられた。また、ここ数年は古代の歴史書が史料としてよく使われている。
古代から現代まで広い時代から出題がある。時代順の並べ替えの問題も毎年出されている。各時代、各項目に大きな抜けが無いよう、丁寧に学習しておこう。
政治経済分野
日本国憲法と政治の仕組みを中心に問題が出されている。そこに、時事問題や国際関係の話題も織り交ぜられている。記述問題はこの分野で出されることが多く、衆議院の優越がある理由(2020年度)や核兵器禁止条約の内容と日本の立場(2021年度)などのテーマで1~3行ほどの記述問題が出題されている。
憲法や政治について基本事項をしっかり覚えたうえで、時事問題集などで最新の国内外の出来事・情勢に詳しくなっておこう。
注意点
全体的には基本事項の問題が多いのだが、一部にやや細かい知識を問われる問題がある。憲法の婚姻についての条文や各地の祭り(ともに2017年度)など、詳しく覚えていない人も多かったのではないだろうか。答えられれば差がつくところであるが、問題数の多さを考えるとわからない問題に時間を取られるのは得策ではない。自信のない問題は素通りしてとにかく最後まで一通り終わらせ、答えられたのに時間が足りなかったなどという事態は避けるようにしたい。
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2023年度「法政大学第二中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は51問。選択肢問題が多めである。記述問題は1~3行の字数で2問出されている。
問題数は多めだが、地理分野以外での資料の使用は少なめであるのでテンポよく進められるだろう。ペース配分に注意して迷う問題は後回し、最後までひととおり解き進めよう。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:14分
- ★必答問題
世界遺産を題材に、各地の特色や産業などについて訊かれている。
問1 1. 原爆ドーム(広島県)
2. 日光の社寺(栃木県)
3. 琉球王国のグスク及び関連遺跡群(沖縄県)
4. 石見銀山とその文化的景観(島根県)
5. 平泉―仏国土を表す建築・庭園及び関連遺跡群(岩手県)
問2・問3 問1参照
問4 ゆば
問5 首里城
問6 銀の生産国では、メキシコ・ペルーや中国が上位に位置している。
問7 島根県の説明としては(え)と(か)が選べる。(あ)・(う)は鳥取県、(い)・(お)は山口県のことである。
問8 (い)が平泉にある中尊寺金色堂である。(あ)は日光東照宮、(う)は金閣、(え)は鶴岡八幡宮。
問9 1. 広島県は瀬戸内気候に属し、温暖で雨が少ない→(う)
2. 日光は標高が高く、気温が低い→(い)
3. 沖縄県は温暖で雨が多い→(あ)
4. 島根県は日本海側の気候で冬に降水(雪)量が多い→(え)
問10 地図は北上川上流の北上盆地の一部である。地図に示された地域では山地から流れてきた川によって扇状地が形成されている様子がわかる。また、盆地の特徴として雨が少なく、かんがい用のため池が多く作られている。
問11 実際の距離は、3㎝×25000=75000㎝=750m となる
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:12分
- ★必答問題
災害を話題として、各時代の出来事などについて訊かれている。
問1 (あ)・(い)は古墳時代、(お)は旧石器時代のことである。
問2 遣隋使
問3 『日本書紀』が編纂されたのは720年で奈良時代初期のころ。(い)は鎌倉時代、(う)は室町時代、(え)は平安時代の説明である。
問4 最澄
問5 この役人とは国司のことで、「受領(ずりょう)」は国司の別称である。
問6 一所懸命。現代では「一生懸命」も用いられ、どちらも間違いではない。
問7 当時日本は鎖国しており、オランダと中国の船しか来航できなかった。そのためシーボルトはドイツ人であることを隠して入国した。
問8 琉球王国
問9 打ちこわし
問10 朝鮮
問11 治安維持法
問12 (1) け (2) お (3) た (4) あ
問13 阪神・淡路大震災の発生は1995年1月なので、アメリカ同時多発テロ(2001年)が当てはまる。冷戦の終結は1989年、一回目の東京オリンピックは1964年、日中共同声明は1972年。
【大問3】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:【大問4】と合わせて14分
憲法や政治のしくみについて訊かれている。
問1 (1) 現在 (2) 将来
問2 保障
問3 「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する「生存権」。
問4 (あ)・(お)は衆議院にのみ認められている権限(衆議院の優越)で、(え)は衆議院の解散中に参議院で開かれ、国会の機能を代替する。
問5 民営化
問6 最高裁判所裁判官
問7 拒否権
問8 アイヌ
問9 (1) 現行犯 (2) 令状
問10 い. 公務員にストライキ(争議権)は認められていない。
問11 明治憲法には教育に関する権利についての明記はない。日本国憲法においては基本的人権が保障されており、国民が自らの権利を行使するには教育を受けることが必要であるため、国・地方自治体や子を持つ親は教育を受けさせる義務があると考えられている。
【大問4】現代社会分野
- 難度:やや難
- 時間配分:【大問3】と合わせて14分
国際関係についての問題
問1 う. 核拡散防止条約(NPT)は、核兵器の保有を当時すでに核兵器を保有していた5か国に限定し、それ以外の国の保有や他国への譲渡などを禁止するものである。
問2 う
問3 永遠
攻略のポイント
問題数が多く、基本事項の問題も多い。とにかく最後まで手を付けて答えられる問題は確実に答える。
過去問をよく見て、頻出傾向にある単元・範囲は特に丁寧に覚えておこう。
記述問題は短文の説明記述が多いので、記述対策問題集での練習も役に立つ。
無理に難問集などに手を出す必要はないが、一部のやや細かい知識を問われる問題は答えられれば差がつく部分なので、基本事項をひととおり覚えたら、さらに詳しい教材で補足しておくのも良いだろう。
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