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立教池袋中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「立教池袋中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

大問5つで問題数は33問。長文読解・詩(短歌・俳句)・漢字という組合せがここ数年のだいたいの定形となっている。

読解問題

物語文・論説(説明)文・随筆文、あるいはこのうちの2種類で3問ほど出題されるのが通例である。
物語文4000~5000字・その他2000~2500字と、全体の文字数は8000~10000字にもなる。読解のスピードをつける練習が必要である。

形式は選択問題と書き抜き問題が主で、自分で考えて書く問題も数問含まれる。
書き抜き問題は注意が必要である。通常、書き抜きの答えを探す範囲を指定する(~行目より後から・・・など)試験も多いのだが、本校ではそうした指示は無い。漫然と探すと本文全体を読み返すはめになる。特に物語文は文量が多めなので、探すのに手間取ると大きく時間を失う。設問と傍線部を最初に確認しておき、読み進めながら使えそうな箇所をチェックしておくという進め方で過去問に慣れておきたい。

自分の言葉で書く問題は、テーマとも関係する部分が多いので、素材文全体をよく考えて傍線部周辺だけにとらわれないように気をつける。

また、第二回試験では、長文の記述問題が出題される場合がある。第二回での受験を考えている人は、長文記述の練習にも取り組んでおくことが肝要である。

漢字・言語事項

大問1つに漢字が割り当てられるのが通例である。合わせて慣用句などの言語事項が出される年度もある。
それほどの難問は見られない。一般的な漢字練習帳やことわざ・慣用句問題集を丁寧に覚えてあれば足りるだろう。問題数は少ないが、あまり差がつかない分野なので確実に得点したい。

詩・短歌・俳句

韻文については生徒の作による詩や俳句を用いた問題が多く見られる。年齢が近い分、内容が理解しやすいものが多い。普段の学習でも、中高生くらいの作者による詩・短歌などに多く触れておくとよい対策になるだろう。

《まとめ》

男子校の国語の問題としてはやりごたえのある試験である。文字数も多く、言葉で記述する問題も多い。50分で終えるには、速さが必要である。
ただ、合格者平均点はさほど高くなさそうでもある(60~65点?)ので、書き抜き問題で答えを探すのに時間がかかりそうなものは諦めるのも一つの方法である。

・文字数が多いので読むスピードをつける。
・書き抜き問題で時間をロスしないように試験の解き進め方を工夫する。
・詩・短歌・俳句などの問題を多くこなし、韻文に対する感覚を磨く。

例年、試験問題の形がほぼ一定なので、できるだけ多くの過去問をこなして慣れておくことが特に有効な試験である。

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2023年度「立教池袋中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

例年の傾向通り、解答数は33問。大問5つは物語文・随筆2題・漢字・ことばの知識という構成になっている。2023年度の素材文は合わせて6200字ほどになっている。
抜き出し問題と文中の内容を自分でまとめるような問題が多く探すのに手間取ると時間が足りなくなるので、まず傍線と設問を確認して読みながら抜き出せる部分の目星をつけるなど、手際よく解き進む必要がある。

【大問一】随筆の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:18分
  • ★必答問題

筆者がヒーローからもらったモノについて語っている。

(一) ① 「信念をいつでも持っている」彼を尊敬していた、とある。また後半で、ヒーローが「信念、勇気、強靭さ」を持っていたとも書かれているので、こちらを用いてもよいだろう。
    ② 「私自身のヒーローへの感情はというと『憧れ』という言葉が一番近かったような気がする」と述べている。 

(二) ヒーローは漫画や映像の中だけの非現実の存在で、実際に「出会った」わけではないから。

(三) 「なりたくない自分」になりそうになった時に警報をならし導いてくれる、とあるので選択肢ロがよい。

(四) 「恋」をしない時期はあってもヒーロー(に対する「異様なほど純粋な想い」)が消えた季節はなかった、と比較して恋愛感情以上であったと書かれている。

(五) ヒーローを想うことが「生きていく原動力」であったと述べている。

(六) ヒーローが持っていた信念・勇気・強靭さといったものが自分の中から発見され
る、とある→選択肢イ。

(七) 大人になった自分が日々戦っている現実の世界のことである。一般的には職場や会
社などであろうか。

(八) ヒーローのように世界を救うために命がけで戦うわけではないが、人は「日々起こるささやかな戦い」を乗り越え、かろうじて前へ進んでいる。そのために、ヒーローのような信念や勇気が自分にも欲しいのである。

【大問二】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:18分
  • ★必答問題

青果店の主人と画学生の心温まる交流が描かれる。

(一) 画学生

(二) ① 主人公が見つけた「大きな袋」には、画学生が事情があって腐らせてしまった主人公の店の果物が入っていたのだと思われる。
    ② 「まるで手をつけられないままひどく腐っちまうのは果物たちは無念だったろう」と、果物が腐って捨てられてしまったことを悲しく思っている。

(三) ボールを拾ってくれると思っていたおばさんが、立ち尽くして動かないのを見て、子どもは困惑したはずである→選択肢

(四) 「品物を見るその目つき」から、主人公は学生が果物好きらしいと気づいていた。

(五) 「じめじめした部屋の暗がりじゃあ、腐ったような色にしか見えない」と、学生の絵が評価されなかったであろう理由を考え当てている。

(六) 「絵具やカンバス」「鏡」「自分」が挙げられていることから、画を描くこと・未来の自分に蠅がわいているような気持ち=腐っている・絶望感などを感じているのだと考えられる。

(七) 日光

(八) 果物といっしょに自分を励ましてくれた主人公「たつ子さん」も描いたのであろう。不動産屋のじいさんのからかいやたつ子さんの照れくさげな笑いがヒントになる。

【大問三】随筆の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:9分

「言葉が感情をつれてくる」という経験が述べられている。

(一) ①会いたいなぁという言葉が連れてくる悲しみ・なつかしさなど、コロンとお父さんのやり取りを聞いて感じた淋しいような気持ち、お父さん、もうおらんのやでと言ったときに泣けてきたこと、コロンなぜたいなあと言ったら鼻の奥がツンとしたこと、の四回。 

(二) 1. お父さん  2. コロン 

(三) 筆者がお父さんと同じような戸の開け方をしたので、コロンは「お父さんが戻ってきた」と思ったのである。  

(四) 「ふれあえない」猫だったと書かれている。  

【大問四】漢字の書き取り

  • 難度:標準
  • 時間配分:2分
  • ★必答問題

(一) 熟練  (二) 救済  (三) 重複  (四) 看板  (五) 奮(って)   (六) 除(く)

【大問五】ことばの知識

  • 難度:やや難
  • 時間配分:3分

(一) かんれき

(二) 十二(支)

(三) 茶寿――くさかんむりが「十」を横に二つ並べたように見え、「八十八」と合わせて「一〇八」歳。
    皇寿――「白」は「百引く一」で「九十九」、「王」は「一」「十」「一」で、足して「一一一」歳。

攻略のポイント

書き抜き問題では探す範囲が指定してある試験が多いものだが、本校はそれが無い問題が多い。うっかりすると全文を何度も読み返すはめになる。

本文を読む前にまず設問にざっと目を通し、書き抜き問題で使えそうな箇所をチェックしながら読み進むのが良いだろう。詩や短歌・俳句が好んで出される傾向にあるので、類似問題を多くこなして、慣れておきたい。

また、第二回の試験では長く記述する問題が出されることが多いので、第二回での受験を考えている人は対策を怠らないようにしたい。

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