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慶應義塾中等部 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「慶應義塾中等部の理科」
攻略のための学習方法

まずは、受験テキストを使って、「物理、化学、生物、地学」の4分野について、重要語句の意味や関連情報、科学現象の原理を丁寧に理解しておきたい。
言葉を答えさせる問題はわずかしか出題されないものの、言葉を知らないと考えづらかったり、言葉を知っていた方が有利になったりする問題は出題されるから、ある程度の語句を覚える必要はある。
言葉を覚えるときは穴埋めの問題や一行問題を解いたり、お家の人にクイズ形式で出題してもらったりすると効率が良い。

言葉をある程度覚えたら、科学現象の原理を知る学習をして欲しい。
受験テキストで述べられている現象がなぜ成り立つのか、学習する都度その理由を考えるのが理想だ。その際、自分で納得するまで図鑑や本やインターネットで調べたり、人に聞いてみたり、自分で図を描いて考えたりすると良い。
この段階では受験テキストの8割程度の知識を身に着ければ良いだろう。

 8割程度、言葉や原理について覚えられたら、引き続き受験テキストを使って、掲載されている演習問題を自力で解けるようになるまで繰り返し解きたい。
数値を使った計算問題には主軸が置かれていないため、計算問題さえ解ければ良いという考え方は本校入試には不向きだが、標準程度の計算問題であれば解けるようにしておきたい。

言葉や原理について、実験や観察結果を通じて問うような問題は数多く練習しておきたい。
本校では文を記述させる問題は出題されないが、現象の原理を問う問題への対応力を身に着けるために、記述タイプの問題に目を通すことが有効だ。
その際に答えを記述してもよいが、答えを口に出して模範解答と照らし合わせるという方法で学習すると良い。初めにテキスト学習をする段階では記憶する知識は8割程度でよいが、上述の問題演習を通じて受験テキストに記載されている知識記憶の精度を10割に近づけていきたい。

本校の入試は時間との戦いでもある。
一通り受験テキストの学習を終えたのであれば、本校の過去問または類する傾向・難度の過去問を解き、最低でも5回は時間内に合格点をとる経験を積むのが良いだろう。
過去問演習終了後には必ず模範解答・解説を良く読み、不足している知識を受験テキストなどで確認して欲しい。必要に応じて知識をまとめた表を作成したり、図解してみたりするとなお良い。
また、そのときに、要求される知識がどの程度の細かさであるのかを併せて確認し、以後の学習時の参考にすると良い。

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2024年度「慶應義塾中等部の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は昨年と同じ4題。地学、化学、物理が各1題ずつと四分野混合の大問が1題であり、全体では計33問だった。また、適語回答が1問、記述が1問、数値記入が1問、他の30問は全て記号選択という内訳だった。
時間は25分であるから1問にかけられる時間は1分弱である。

【大問1】星/地学

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分

夏の大三角および冬の大三角を中心とする、有名な星座・星・星雲に関する問題。それらの名前や位置、色に関する知識を問う内容だった。会話文の穴埋めを行わせる形式であり、会話文の内容が手掛かりとなることがあるため、丁寧に読むことを心がけると良い。

(1)(6) 定番の知識確認問題と言えるだろう。どの箇所のことを問うているのか、確認しながら解き進めたい。

【大問2】プラスチック/化学

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分

身近に存在する代表的な6種のプラスチックについての説明を元に、思考させるタイプの問題。それぞれの性質に着目し、論理的に答えを出したい。

(1)(3) 一般的に言われているプラスチックの性質についての理解があることが望ましい。近年ニュースなどで話題になっていることがらでもある。

(2)(4) 与えられている6種のプラスチックについての説明の内、どの性質に着目すべきか、良く練ると良い。

【大問3】電磁石と回路/物理

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

鉄の棒とエナメル線から成る電磁石についての問題。電流の向き、エナメル線の巻く向きが方位磁針の向きとどのように関係するかを良く見極めてから解き進めたい。また、多数用意されている図の違いがどこにあるのか、細部まで注意深く見ることが重要。

(2) はじめ、意図が分かりづらく感じるかもしれない。4つの図の違い、スイッチの切り替えによって起こる変化について考えると理解しやすいと思う。

(3) (2)が解けたら、こちらも解き易いと思われる。

【大問4】総合

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分

生物・化学・物理・地学の四分野混合の問題。様々な物や現象の「変化」に関する会話文を元に思考させる問題。問われている内容は各単元の基本的な知識確認と言えるだろう。

(1)(2) 昆虫の変態および、絶滅した動物についての知識確認問題。

(3)(4) 影の長さの変化についての問い。1日の中での変化、季節による変化、それぞれの視点で考える。

(5) 虹に関する問い。虹の発生する原理について知識がないと難しいかもしれない。

(6) 水から氷への状態変化に関する問い。ペットボトルに水を入れ、冷凍庫で凍らせる経験がある人に有利だろう。

攻略のポイント

ものの名称・性質や現象の原理に関する知識を問う問題が大半を占めるため、学んだ知識を正確に引き出すことが重要だ。そのためにも、問題文をよく読み、問われていることを正しく把握することを意識して取り組んで欲しい。また、知識が無かったり曖昧だったりしても、与えられた文章や図を手掛かりにすることで問題の答えにたどり着ける場合があるため、その点から考えても、落ち着いて問題文を読むことが重要だ。一問にかけられる時間が短いため、スピーディに処理していくこと、解きやすいものから解いていくことも心掛けたい。

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