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桐光学園中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「桐光学園中学校の理科」
攻略のための学習方法

桐光学園中学、理科の満点は100点、際立った難問はないが、確実な知識、計算問題に対応する力、表やグラフを読み取る力が求められる。問題の形式としては、実験・観察の結果をもとに答える問題が中心である。
本校合格へ向けての理科の学習法として、まずは夏休みまでに基本知識をしっかり固めて欲しい。知識を覚える際には、テキストや資料集に描かれた写真・図・グラフなどにも注意を払って欲しい。
秋以降は、実験や観察に基づいて考える問題を通して、知識を活用する練習や計算問題の練習に時間をかけて欲しい。
各分野の学習方法は以下の通り。

<分野毎の学習法>

生物分野 本年度は動物について、知識問題やグラフの読み取りが中心の出題であった。昨年と一昨年は人のからだの働きについて出題され、それ以前には、植物、食物連鎖、メダカ、生物の誕生等の出題が見られた。この分野の学習法としては、人のからだの働き、植物の分類・つくり・働き、昆虫や動物のからだのつくりや分類、食物連鎖などの基本知識も確実に覚えて欲しい。また、顕微鏡の使い方について出題された年度もあるので、生物の観察や植物の働き等の実験に用いる実験器具の使い方についてもしっかり押さえておきたい。

物理分野 今年度は電気回路に関する出題であった。ここ数年では、振り子の運動、力のつり合い、熱の伝わり方、光の性質、電気回路、音の性質など幅広い単元から出題されている。この分野の学習方法として、力のつりあいに関しては、ばね・てこ・滑車・振り子・浮力などの基本知識を身につけた上で、計算問題の練習をしっかり行って頂きたい。今年度出題された電気については、豆電球の明るさを中心に、電熱線の発熱や電流と磁界(方位磁針の振れ・電磁石)についても問題演習をしっかり行いたい。音に関する計算問題や、鏡による像を考える問題の練習にも時間をかけたい。

化学分野 今年度は中和反応および金属と水溶液の反応について出題された。ここ数年では、火山ガスと化学変化、燃焼、水素と酸素の反応、中和反応など今年度も出題された化学変化に関する出題が多い。この分野の学習方法としてまずは、水溶液や気体の性質、指示薬の色の変化など基本知識を固め、中和・燃焼などをテーマとした計算問題の演習もしっかり行って欲しい。

地学分野 今年度は小問集合の中で、天体・地層・気象に関する基本知識が問われた。ここ数年では気象、天体に関する出題が見られ、時事的な内容を含む細かい知識を問う問題が出題される年度もあった。この分野の学習方法としてまずは太陽の見え方・星の名前と動き・月の満ち欠けなど天体に力を入れて学習して欲しい。単なる丸暗記ではなく、なぜそのように動いて見えるのかという理屈を理解したうえで学習を進めて欲しい。その他では、気象、岩石の分類、地層のでき方などテキストに書かれている基本事項は確実に理解し覚えて頂きたい。さらに、天気予報やニュースに興味を持つなど時事問題対策にも力を入れたい。

環境問題、気象、地震など身の回りの自然や科学に関して興味を持つことも大切である。
秋以降の過去問演習では、時間を意識して取り組んで欲しい。その上で、できなかった問題についてはしっかりその原因分析を行い、同じ間違いをしないように対策して欲しい。分析や対策については、プロの家庭教師を是非活用して頂きたい。

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2024年度「桐光学園中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

試験時間は40分で、得点は100点満点(算数・国語は150点満点)。
大問数は4題で、小問数は40程度。記号選択問題・計算問題・適語を答える問題が中心で図を描く問題と10字以内の記述問題も含まれている。記述問題はなかった。問題数はかなり多いが試験時間は十分にあるので、問題文や図の読み取り、計算を慌てずに行って欲しい。

【大問1】地学 小問集合

  • 難度:
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

[1] 太陽高度は太陽が南中した時に最も高くなる。
 
[2] 月の満ち欠けの周期は約30日。

[3] 大きな力が急激に働いたことによる地層のずれを「断層」という。

[4] くもりの天気図記号は◎

地学分野の小問集合。いずれも易問であり、確実に得点したい。

【大問2】化学 中和反応・金属と水溶液の反応

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

[1] BTB液は酸性で黄色に、アルカリ性で青色に、中性で緑色になる。

[2][7] アルミニウムは塩酸にも水酸化ナトリウム水溶液にも溶けて水素が発生するが、ではアルミニウムを加えても水素が発生していないので、完全に中和したことがわかる。中性なので、青色リトマス紙も赤色リトマス紙も変化しない。

[3] 実験結果より、塩酸:水酸化ナトリウム水溶液=5:4の時に中和していることがわかる。従って、15㎤の塩酸に対して水酸化ナトリウム水溶液を12㎤加えると完全に中和する。

[4] 混ぜると塩酸は40㎤になるので、水酸化ナトリウム水溶液が合わせて32㎤になればよい。

[5] 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液が中和してできる固体は塩化ナトリウム(食塩)。

[6] 水酸化ナトリウム水溶液が余っているビーカーの水を蒸発させると、水酸化ナトリウムと食塩が残る。塩酸が余っていても塩酸に溶けているのは気体の塩化水素なので、1種類の固体しか残らない。

[8] Aは塩酸に溶けている塩化水素も蒸発するので、発生する気体の体積が減る。

[9] Dは余っている塩化水素、は余っている水酸化ナトリウムと反応する。発生する気体はいずれも水素。

[10] 水酸化ナトリウム水溶液15㎤と塩酸10㎤の反応では、水酸化ナトリウム水溶液が7㎤あまる。ビーカーFでは水酸化ナトリウム水溶液が4㎤あまり、アルミニウムを加えて発生した水素の体積は6㎤。従って、6×7/4より、10.5㎤の水素が発生する。

中和反応および金属と水溶液の反応に関する出題。知識を問う問題と計算問題が並んでおり、[10]はややレベルの高い問題だが、それ以外は標準的な内容である。

【大問3】 生物 動物について

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分

[1](1) ① グループAは昆虫。
    ②触覚は2本で頭部に、あしは6本で胸部についている。
    ③さなぎから成虫になる完全変態の昆虫には、チョウとカブトムシが該当する。
 (2) ①グループのザリガニ・ヌマエビ・ダンゴムシがムセキツイ動物。
    ②グループは魚類で一生水中で生活する。
    ③Cグループは哺乳類で胎生である。
    ④Cの哺乳類との鳥類が恒温動物である。
 (3)ヤモリはヘビ・トカゲ・カメと同じハチュウ類のグループに入る。

[2] カブトムシの幼虫に飼い方についての選択問題。

[3] 印をつけたホトケドジョウ56匹のうち4匹が再捕獲したホトケドジョウに60匹の中に含まれていたので、56×60/4より840匹。

[4] アズマモグラは日本の在来生物。

[5] (1)16匹のうち5匹が死亡したので、5÷16×100より四捨五入して、31.3%。
  (2)表に示された動物の生存数のグラフを選択する問題。最初の1年で生存数が大きく減少しているグラフを選択すればよい。
  (3)10字以内の記述問題。ヒトは親が子をしっかり保護するので、早い段階での生存数の減少は少ない。

動物に関する出題。動物の分類・絶滅危惧種の生息数の計測・外来生物・動物の死亡率についてなど、様々な視点から考える内容になっている。やや細かい知識問題も含まれている。 

【大問4】 物理 電気回路

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分

[1] 電池1個、豆電球1個の回路図を完成させる問題。

[2] 電池2個を並列につないでも、豆電球に流れる電流は変わらない。電池2個を直列につなぐと豆電球に流れる電流は2倍になり、豆電球2個を直列につなぐと豆電球1個に流れる電流は1/2になる。

[3] 電池を並列につないでも、豆電球を並列につないでも、豆電球1個に流れる電  流は変わらない。

[4] 豆電球3個を直列につなぐと豆電球1個に流れる電流は1/3になり、電池2個を直列につなぐと豆電球1個に流れる電流は2倍になる。合わせて考えると、豆電球1個に流れる電流は2/3になる。
 
[5] 電池2個を直列につなぐと豆電球1個に流れる電流は2倍になる。また、豆電球を並列につないでも豆電球1個に流れる電流は変わらない。従って、豆電球1個に流れる電流は2になる。

[6] Aで乾電池から流れる電流を1とすると、は2、は1/2なので、が最も長持ちする。

[7] ブラックボックスの中の回路を考える問題。と1、と4をつなぐと電流が1/2になったことから、1と4の間に豆電球が接続されていることがわかる。また、と3、と2をつなぐと電流が2になったことから、2と3の間に電池が接続されていることがわかる。電池の向きに注意すること。

[8] 1と5、2と6の間については、[7]と同様に考えること。3と4については、電流が1で変化しなかったことから、同線のみがつながっている。
 
電気回路についての出題。乾電池の直列と並列回路、豆電球の直列と並列回路についての基本が身についていれば、いずれの設問にも正答可能。[7][8]のブラックボックスの問題も難問ではない。

攻略のポイント

際立った難問はなく、テキストで学習してきた内容が理解できていれば正答可能な設問が中心である。合格者平均点は75.9点、7~8割の正答が求められる。

本校攻略のポイントとして、まずは基本知識を確実に固めることがあげられる。すべての分野分け隔てなく知識を固めたい。その上で、実験・観察の結果を基に考えるタイプの問題演習や計算問題の練習に時間をかけたい。計算を必要とする問題が例年出題される。計算問題の練習もしっかり行うこと。

入試直前期においては、過去問等を用いて、時間を意識した問題練習にも時間をかけたい。

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