早稲田中学校 入試対策
2024年度「早稲田中学校の社会」
攻略のための学習方法
地理分野
日本の地名・地勢や気候、各地の産業の特色などの基本的事項について広く出題されている。
漁業・食糧危機といったあるテーマに沿った出題や、九州・北海道といったひとつの地域にスポットを当てた出題などがある。
地図やグラフ・統計資料を読み取って、その分野や地域についての総合的な知識を問う、というような問題が多いので、地図・白地図や資料集を常に活用して知識をまとめておくようにする。
また、貿易とのつながりで世界地理が多く出題される傾向にあるので、日本地図だけでなく世界地図にも親しむためにも、白地図で位置や周辺地域との関連も見ておきたい。
歴史分野
各時代から出題されている。
問題の形式も、ある分野の時代の流れを追うものや、一つの時代にポイントを絞って問うもの、いくつかの歴史的な事柄で小さく区切って訊いてくるもの等、さまざまである。
歴史分野でも、史料が多く用いられる。何の史料かがわかっていないと答えられない問題もあるので、資料集でたくさんの史料に触れておきたい。
また、外交史・文化史のようにポイントを絞って流れを追う問題も出されることが多いので、年表で分野ごとに流れをまとめて覚えておくと良い。
重要事項の年代もよく訊かれるので、ここでも年表を活用して総合的に頭に入れるようにしたい。
政治経済分野
この分野では、難解な細かい知識を問われることはない。基本事項がしっかり頭に入っていれば対応できる。
「日本国憲法」「三権の仕組み」など、基礎的な知識をしっかり固めておく。
また、この分野と関連して時事的な問題が出されることが多いので、新聞・ニュースでその時々の話題の出来事をチェックしておく。社会統計などで、現代社会の実態も理解しておこう。
まとめ
高偏差値の学校の試験であり、難しい問題も散見される。
特に、選択肢の問題にはテキストレベルを超える問題もみられ、最新の情報を必要とされる設問も多い。テキストを一通りマスターしたら、ハイレベルの教材でさらに細部の知識まで補強しておきたい。
本文や資料の文が多めだったり、本文から答えとしてふさわしい部分を抜き出したりと、国語の読解力が必要とされるような部分がある。また、時代ごとに並べ替えたり、○×の正しい組み合わせを選んだりと、正確な知識がないと答えられない設問もある。
テキストをまずはマスターし、問題集で確認する。資料を読み取る問題が頻出なので、地図・白地図・資料集でさらに知識を確実なものにする。年表を使い、体系的に整理する。重大ニュース集で近年の社会的な出来事を把握しておく。
社会の基本的な学習方法で正確な知識を身につけておくこと、そのうえでもう一段階高度な学習でさらに詳しく踏み込んでおくことが望ましい。
高い得点での勝負になるので、あいまいな知識では足をすくわれるので要注意だ。
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2024年度「早稲田中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
問題数は地理分野11問・歴史分野12問・政治経済分野9問という割合であった。
2023年度は短文の記述問題が出されていたが、2024年度は出題が無く長時間考えるような設問はないのでてきぱき答えていこう。ただし、単純な知識だけでは答えられない問題もあり、そこはゆっくり考えたい。とにかく最後まで目を通し、じっくり考える問題は最後に落ち着いて取り組みたい。
【大問1】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
- ★必答問題
国際博覧会を話題に、各地の気候や産業などについて訊かれている。
問1 (1) 大隈重信は第8代・第17代と2回総理大臣を務めている。
(2) 肥前藩は現在の大分県。瀬戸焼は愛知県の伝統工芸で、雨温図ではアが当てはまる。イは石川県(九谷焼)、ウは栃木県(益子焼)、エは佐賀県(有田焼)である。
(3) 有明海ではのりの養殖が盛んである。
(4) 干拓
(5) 二つの時代でほぼ同じ面積が干拓されているが、①は約800年間、②は約260年間なので1年あたりなら約3倍という計算になる。
問2 (1) 1970年の大阪万博のテーマは「人類の進歩と調和」、2005年の愛・地球博は「自然の叡智」、2025年の大阪・関西万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」である。
(2) 会場は人工島夢洲(ウ)である。
(3) 1・4・6はいずれも大阪府での開催である。
問3 1937~45年の日中戦争の影響である。
問4 世界で初めて人工衛星の打ち上げに成功したのは旧ソ連、有人での月着陸に成功したのはアメリカである。
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
各時代・各地域の出来事や人物について訊かれている。
問1 〈A〉 桓武 〈B〉 小野妹子 〈C〉 シャクシャイン
問2 ア. 鉄砲はザビエル来日より前に伝来していた。
ウ. 島原・天草一揆は3代将軍・家光のときである。
エ. 同時に出された五榜の掲示でキリスト教は禁止された。
問3 印章は「天下布武」。
問4 ア. 近松門左衛門は歌舞伎・人形浄瑠璃の脚本家である。
問5 綿糸をつくるのが紡績、生糸を作るのが製糸である。
問6 国際連盟発足(1920年・大正9年)・札幌オリンピック(1972年・昭和47年)・阪神・淡路大震災(1995年・平成7年)
問7 日宋貿易のことである。
問8 イ. 治外法権の撤廃に成功したのは日清戦争直前であった。
エ. 日露戦争では賠償金を得ることができなかった。
問9 先住(民族)
問10 琉球(王国)
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:9分
働き方など現代の問題について訊かれている。
問1 働き方
問2 ロシアのウクライナ侵攻で食料や原油の価格が上がったり、円安で輸入価格が上昇したりなど、物価に大きな影響が出た。
問3 E. 後期高齢者 F. 社会保障
問4 (1) ジェンダー(・ギャップ)
(2) ア. 国会全体で女性の占める割合は約16%である。
イ. 3倍もの差はない。
ウ. 両院の議長には、女性もいた。
問5 (1) H. 日本自体が核兵器禁止条約に参加しておらず、調印の呼びかけもしていない。
(2) 写真のなかで本来のG7の参加者はアメリカ合衆国大統領バイデン氏だけであるが、ウクライナのゼレンスキー大統領もゲストとして呼ばれた。
問6 (1) 労働三権とは団結権・団体交渉権・争議(団体行動)権を言い、選択肢エは当てはまらない。
(2) もう一つは義務教育で、こどもに教育を受けさせる義務である。
攻略のポイント
記号選択と適語記入中心のシンプルでオーソドックスな試験である。しかし、選択肢問題でも、細部・周辺事項まで正確な知識がないと正解を選べない難しい問題も多く、けっして楽ではない。極端な難問奇問は無いものの、高い実力が要求される。
丁寧な学習でテキスト・副教材の細部までよく理解し、マスターを目指したい。資料集などで統計に強くなっておくことも大事である。
また、社会的な出来事にもよく目を配り、時事問題にも十分な対策をとっておこう。
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