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浦和明の星女子中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「浦和明の星女子中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

例年、2つの大問に説明的文章1題・文学的文章1題の計2問が割り当てられている。ここに5~6問の漢字の読み書きと知識問題が数問、加わる。また、2018年度のように詩の問題が含まれる場合もある。総解答数は30問~35問ほど。

設問形式は記号選択・書き抜き・適語補充・記述などがバランスよく見られ、オーソドックスな形である。記述問題は30字ほどのものや字数指定のないものなどがあるが、極端に難しい問題にはなっていない。合格者平均点は毎年70~80点にも達し、高得点での争いになる覚悟が必要である。

長文読解と試験の特徴

特筆すべきは素材文の長さである。例年、10000字を超える文量であったが、2024年度では15000字ほどであった。さらに、長文問題に詩の問題が含まれるときもあり(2018年度)、選択肢問題の文字数も多く、字数が増している。中学入試全体を見てもこの文量は最多クラスであり、読むスピードを付けることは本校の対策として最重要課題である

一方、各年度の合格者平均点は70~80点にもなり、受験者平均点も高いことから、その長さと比べて問題自体は答えやすい難易度であるとも考えられる。しかしそれも本校を志望する受験生の実力の高さ故でもあり、けっして簡単な試験だと思わないでいただきたい。

基本は長文読解の技術を磨くことである。長い文章を短くする。つまり、重要点をうまく拾い上げ、解答の際にすぐに探し出せるようにしておくことが、速く読むことと同時に求められる。

・段落の整理 形式段落を意味段落でまとめ、小見出しをつけておく。

・要点 各段落の最初と最後に特に注目し、傍線などで要点をマークする。慣れないと傍線だらけになってしまうが、基本的には一番大事な1文を選べるように練習する。

・要約・要旨 要点をまとめて要旨を把握する。日頃から、全体を要約する練習をしておくことは実力アップにもつながり、記述問題対策にもなる。字数を決めて書いてみるとなお良い。

・場面分け 時間・場所・人物の移動などで場面の変わり目をマークしておく。

・心情把握 人物の言動や情景から、気持ちを読み取る。特に気持ちに変化があった場面は問題になりやすい。

・主題 全体として、誰のどんな気持ちを描いた話なのかを考える。

全体を読み返す時間は無いと思われるので、一度の読みで手際よく重要点に目星をつけなければならない

先にも述べたように、問題自体は特別な難問ではないので、手をつけられれば得点出来る可能性は高まる。そのためにも、時間内に全体に目を通せるスピードが必要になるのである。

平均点が高いので、わずかなミスでも差がついてしまう。過去問を十分に活用して、速く読み正確に答える訓練を積んでおかれたい。

毎年ではないが、詩の読解も出題されている。出された時に慌てないように準備しておきたい。

漢字・知識問題

漢字の読み書きが5~6問、接続詞・四字熟語・慣用句・漢字の知識(画数・部首)などの言語事項が数問、出題される。かつては、文学史の問題も見られた。幅広い分野を、学習しておきたい。

記述問題 

2022年度では最後に短文の記述問題が追加された。与えられた文章を利用して答えられる問題であったが、今後も続く傾向なのか注意しておこう

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2024年度「浦和明の星女子中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

論説文・物語文で計15000字ほどにもなる長文を、まずは読み通さなくてはならない。分速700字として20分ほどで目を通すことができれば、総解答数35問の問題に30分かけられる。かなりの速さだが、ひととおりすべての問題に手をつけるためにも、この速さを会得したい。設問も字数が多いのでここでも時間がかかる。

【大問一】論説文の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:25分

資源を採り尽くして環境を破壊してしまう人間の利己的な面を認めつつ、自制心をもって問題を解決できるはずだと筆者は希望も失ってはいない。

問1 a. 順次  b. 断片

問2 スマホ操作で複数のタスクを並行して処理することに慣れてしまい、対面で行われている会話までも、スマホでのテキスト送信・通話やゲームと同じようなひとつの作業のように感じられてしまうのである。 

問3 選択肢は「物理的にいる、ある場所」で必要な行動であるから、当てはまらない。

問4 直前に「特に人間関係の希薄さ」とあることから、「常時接続」していても人と深くつながってはいないという意味で選択肢イがよい。

問5 対面での会話よりスマホの対応を優先するという例が、選択肢ウに当てはまる。

問6 常時接続の世界では、「反射的なコミュニケーション」に取り巻かれ、「相手の人格や心理状態を想像しない」ため、返答も「表面的」にならざるを得ないのである。

問7 Ⅰ. 「孤独」とは「自分自身と対話している状態」である→自己対話

Ⅱ. 「孤独」には「孤立」が必要である→(他人とのつながりが断たれた状態=)誰にもじゃまされずにいる(状態)

Ⅲ. 自ら意図して一人でいること(孤立)は選択肢ウのような否定的な意味ではない。

問8 1. 目的があって一人になる→

2. 現場での疎外感をSNSで紛らせている→

3. 自身との対話→

4. 友人とではなく一人で集中→

問9 「いろいろな事柄や相手に注意が分散」する結果、一人で静かに考え没頭して自分と対話することができず、ふと我に返って虚しくなり「つながりの希薄さ」が実感されてしまう。

問10 Ⅰ. 「人の感覚がテクノロジーによって書き換えられる」の「テクノロジー」を二字で言い換えて「技術」。

Ⅱ. 「孤立」とは「他者から切り離されて何かに集中している状態」であるから、目に見えない「つながり」も断ち切る必要がある。

X. 堂々(どうどう)巡り――同じようなことが何度も繰り返され、進まないこと。Y. 「他のことに気を散らさずに一人で没頭できる」こととして、「趣味」が思い浮かぶ。

【大問二】小説の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:25分
  • ★必答問題

引っ越しした先でも友達作りに失敗した主人公とその家族が、互いを本当には理解していなかったことに対話・衝突を通じて気づいていく。

問1 a. うわべ

   b. めがしら

問2 ウ. 「教室でひとりきりでいるとみんなに気を遣わせてしまう」「他のクラスの人にも転入生が孤立していると勘違いされてウワサになってしまう」などと、単独行動を人に見られたくないがゆえの結果であろう。

問3 手持ち無沙汰(ぶさた)――やることがなく退屈である状態。

問4 爽子が嫌がるのに無理に引っ越しをしたという経緯があるので、「嫌いではないはずなのに魚を嫌いだ」というのは海に近い町に移住した事への不満・反抗の表出だと母親は考え、刺激しないようにしたのだと考えられる。

問5 エ. 「妹は、私の被害者」と考えており、妹を羨ましいとは感じているが「嫉妬」は感じていない。

問6 鉛は「重い」ことの比喩としてよく用いられる。

問7 自分の意志で「仲良くならない」のではなく、「なれない」のではないかという考えたくない事実を妹に指摘されて、ショックを受けている。

問8 Ⅰ. 母親の「凛子はいつも大丈夫っていうけど」という発言に注目。

   Ⅱ. 「大丈夫」と答えることで、新しい学校では友達もできてうまく適応しているというフリをしていたのである。

問9 (1)~(3) 爽子は凛子が自らの意志で友達を作らない(ウ)のだと思い、その強さをうらやんでいたが、実際には凛子は「友達が作れない」(空欄B)のである。一方凛子は爽子が怒っていたのは「友だちと離ればなれになる」(空欄C)からだと考えていたが、爽子に友達がすぐできるのは「ひとりになることへの不安」から必死に努力していたからなのであった。

攻略のポイント

文量も多く、平均点も高い大変な試験であるが、極端な難問にはなっていないし、選択肢問題などは得点しやすいものも多い。時間切れで手をつけられない問題が残っては大いに不利である。過去問を多くこなし、ひととおり最後まで終えるペース配分をつかむこと。捨て問題を作るほどの余裕は無いと思ったほうが良い。数問のミスで明暗が分かれる試験でもあるので、50分間集中を切らさない持久力をつけたい。

また、詩の読解が出る可能性は常にあるので、油断せずに取り組んでおくこと

 

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