吉祥女子中学校 入試対策
2024年度「吉祥女子中学校の算数」
攻略のための学習方法
前半問題の対策
本校の前半の問題は、標準的な問題が中心である。前半だけで50点程度の配点があるので、この部分をしっかり得点しておくことが必要である。算数に対して苦手意識の強い受験生は、薄い問題集で構わないので、典型的な問題をチェックしておくとよいだろう。得意な受験生の場合は、やや苦手に感じる分野の再チェックで十分であろう。
後半問題の対策
後半は、大型問題が2題という形式になっている。
独創的でやや難しめの問題が少なくないが、本質的な部分が理解できていれば解くことができる問題であり、無理のある問題は出題されていない。
出題分野に関係なくいえることは、一つの大問に対する設問数が多く、誘導形式の問題になっていることである。誘導形式の問題では、問題文をよく読み、設問の流れを意識して取り組むことが重要である。
前の設問が、後の設問のヒントになっていることが少なくない。また、出題者の立場になって、「なぜ、この設問があるのだろう」と考えてみることも、問題解決につながるだろう。
塾のカリキュラムに合わせた学習をしているだけでは、このような問題に触れる機会が不足してしまう。本校の過去問には多めに取り組んで、誘導問題に慣れるようにしておきたい。もちろん、他校の誘導問題に触れることも有効な学習方法である。
普段の学習では、単純に問題を解いて終わりにするのではなく、解き方・考え方をきちんと説明できるようにすることが大切である。それが、本校の後半問題への対策として、きわめて有効である。
算数が苦手な受験生向け
本校の入試では、前半でなるべく点数を稼ぎ、後半は解きやすい問題を見つけて解くことが重要になる。
まずは、標準的な問題をしっかり練習しておくことが最優先の学習である。入試では、前半での大量失点は致命傷になるので、それだけは最低限避けなければならない。
後半の誘導問題も、最初の設問は易しいことが多い。問題文が長く、難しそうに思えてしまうことが少なくないが、問題文をよく読み、最初の設問を解こうと努力する必要がある。
算数が得意な受験生向け
後半の問題は、実力を発揮しやすい問題が比較的多く、大きく差をつけることも可能である。標準~やや難レベルの問題を中心に、多くの問題に取り組むとよい。別解を考えるのも実力養成には効果的である。
高得点をねらう受験生は、時間配分に気をつけたい。後半の大問2題で、片方に時間を使いすぎて、もう一方の問題を考える時間が少なくなり過ぎないように気をつけたい。後半2題では、完璧に解くことよりも、30点以上を確保することを心がけるとよいだろう。
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2024年度「吉祥女子中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
前半は標準的な一行問題と大問、後半は設問数の多い大問という従来通りの形式になっている。
今年度の受験者平均点は57.6点、合格者平均点は69.4点であった。本校の平均点としては、やや低めである。量的負担が多いので、最後まで解き終わらなかった受験生が一定数いたと思われる。
【大問1】計算問題・一行問題
- 難度:標準
- 時間配分:13分
- ★必答問題
(1)(2)は計算問題。
(3)は食塩水の基本的な問題。
(4)は和と差に関する問題。問題文に書いてあることを式で表してみると考えやすい。
(5)は平面図形。相似な図形を作って考えればよい。
(6)は数の性質の問題。よく見かける問題を少しだけひねった問題。
(7)は平面図形。【大問1】の中では、やや解きにくい。三角形ABDと三角形DCFが相似であることに気づくことがポイント。
【大問2】場合の数
- 難度:標準
- 時間配分:5分
1と2と3だけを使ってできる整数についての問題。類題の経験の有無によって、差が付きやすい。
(1)では、考えられる整数のうち、2けたの数をすべて足した数を求める。2けたの数は、問題文中にすべて書かれている。
(2)では、考えられる整数のうち、3けたの数をすべて足した数を求める。うまい解法がみつからなければ、実際に書き出してみる作戦も可能ではある。
(3)では、考えられる整数のうち、1~3333をすべて足した数を求める。(1)(2)に加えて、1けたの数と4けたの数を考えればよい。4けたについてはすべて書き出す作戦は無謀である。工夫して求めなくてはならない。
【大問3】仕事算
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
3種類の給水管を使ってプールに水を入れる問題。
(1)では。給水管Aだけを使った場合と、給水管Cだけを使った場合の、満水になるまでの時間差を求める。まずは、給水管Bだけを使った場合と給水管Cだけを使った場合を比較するとよい。
(2)は、(1)が正解できていれば、考えるまでもなくすぐに答えがわかる。
(3)では、最初は給水管Aだけを使い、途中から給水管Bも使う場合を考える。つるかめ算に帰着するおなじみの問題。
【大問4】速さ
- 難度:標準
- 時間配分:12分
花子さんと妹が往復する問題。問題文に書いてあることを、ダイヤグラムで表してみると考えやすい。
(1)では、家から学校までの距離を求める。速さと時間の比の関係から、すぐに求めることができる。
(2)では、妹が家に戻ってくるまでの時間を求める。この問題も易しい。
(3)は、2人がすれちがう場所を求める問題。ダイヤグラムを見れば、難しくない。
(4)は、2人が同時に家に着くまでの時間を求める。本質的には数の性質の問題である。
(5)は、速さというより仕事算の問題である。
【大問5】立体図形
- 難度:標準
- 時間配分:13分
影の問題である。
(1)~(3)は基本的な問題が続く。これらの問題は落とせない。
(4)~(6)では、立方体の一部を切り落とした立体の影を考える。類題の経験がないと、自信を持って答えにくいかもしれない。
攻略のポイント
50分で解き切るには、ある程度のスピードが要求される。遠回りな解法をすると、時間が足りなくなる可能性が高い。
【大問1】~【大問3】は、基本~標準レベルの問題が多い。ここで得点を稼ぐだけでなく、時間も稼いでおきたいところ。【大問2】は、解法がすぐにわかるか、手間取るかがはっきり分かれるだろう。(2)を力ずくで解く場合は、一旦後回しも検討したい。
【大問4】【大問5】は、どちらも途中までは解きやすい。これらの問題では25点以上はほしいところ。
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